著者は 「システム思考」,「ポスト・システム思考」,「システム思想」 について論じて,「要素還元思考」 とともにこれらすべてが重要であり,いつも 4 つの並行的につかって,ものごとをかんがえることをすすめている.
これらのうちシステム思想以外は広義の 「システム論」 の範疇であり科学的ないし哲学的だが,「システム思想」 は著者もみとめるように西洋哲学の範疇にははいらない. 著者はこれを東洋思想と関連づけるが,すくなくとも西洋的な見方では宗教の範疇だろう. 宗教としてみると,尊敬される宗教家が自分の経験にうらうちされた思想をもっているのに対して,この著者は頭でっかちであり,思想としては軽い.
「システム思想」 は本来はシステム論 / ポスト・システム論と独立であり,セットで論じるのは単なる 「まとめ売り」 だとおもえる. 読者はさまざまな宗教や哲学のなかから 「システム思想」 をまなべばよいのであり,このような安易なセットをまなんでも,えられるものはすくないだろう. とはいえ,「システム思想」 と 「ポスト・システム思想」 に関しては,批判的にまなべる内容がある.
評価: ★★★☆☆
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