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DIY (日曜大工) とものづくり・実験:3 次元印刷 (3D printing)・CAD, 数学・計算・情報学・プログラミング:人工知能・複雑系と人工生命

Maker Faire Tokyo 2013 での実演・販売

日本科学未来館で 11 月 3 〜 4 日にひらかれた Maker Faire Tokyo 2013 において, Dasyn.com の名のもとに 2 種類の 3D 印刷のデモをし,印刷サンプルを販売した. 事前のもうしこみでは 「自然な方向にそつた 3D 印刷」 だけだったが,その後おもいついた 「3D 印刷プロセスのゆらぎを利用した造形」 もあわせて実演した. テレビ東京の WBS (ワールドビジネスサテライト) のインタビューもうけたが,2 台のプリンタで印刷しているようすのビデオだけが放送された. 販売ではもとがとれなかった. しかし,おおくのひとにみてもらい WBS にも注目してもらえたから,成功だったといえるだろう.

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Maker Faire Tokyo はこれまでも毎年ひらかれていたが,私はしらなかったから行ってもいなかった. しかし,昨年 10 月ごろ 3D プリンタを発注して以来,こういう,ものづくりの展示会にも興味をもってきた. 3D 印刷に関して最初に世にだしたのは 「汗と涙の激安 3D プリンタ Printrbot くみたて・調整」 という Kindle 本だが,ひとまえでのプレゼンテーションは 8 月の SFF Symposium 2013 が最初だ. SFF Symposium の終了後につぎの目標にしたのが,ことし 11 月にひらかれることがわかった Maker Faire Tokyo だ.

会場は未来館の 1 階,7 階とそのとなりのビルだったが,わりあてられたのは 1 階の入口ちかくという絶好の場所だった. 前日 2 日に 2 台の 3D プリンタをはじめとする機材をはこびこんだが,その日はだれもてつだえなかったので,すべてひとりでやった. くるまで幡ヶ谷から首都高にはいったが,地図をみると台場のつぎにもうひとつ出口があるようにみえる. しかし,でることができずに大井までもどってしまった. やむなくもう一度レインボー・ブリッジをわたって会場にむかった. 機材をおろしてから未来館の駐車場にくるまをとめ,機材をブースにはこびこむ. ブースは搬入口の反対側なので,距離がある. 台車などは用意していないが,それほどおもいものはないので,はこぶのに問題はなかった. セットアップとテストをして,その日の準備を終了した.

3 日は 10 時ごろから準備をはじめ,12 時に展示開始となった. もっていったプリンタは (もちろん) Rostock MAX と Printrbot Plus だ. 下の 4 枚の写真のうち最初の 2 枚は準備のときのもの (2 枚めはおなじ島の他のブースをうつしたもの),あとの 2 枚は展示中のものだ.

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Printrbot は 1 階ではみかけない (近所には垂涎の的である Replicator 2 が 2 台あった) が,他の階にはあったらしく,またもっているというひとが何人かはなしかけてきた. Printrbot には ABS のフィラメントがついてくるが,私は ABS には苦労させられた. はなしかけてきたひとのなかにも ABS でまったくダメだというひとがいたが,一方ではまったく苦労なく ABS で印刷しているひともいる. このちがいはなんなのだろう.

Rostock MAX はほかにはないようだった. ただし,おなじ島の反対側には Rostock Mini が 2 台あった. しかし,こういうデルタ型のプリンタをみたことがないひともおおくて,めずらしがっていた. 入口に一番ちかいため,まず Rostock MAX をみておどろき,つぎに Rostock Mini をみるという順序のひとがおおかったようだ.

2 日には ABS のフィラメントを装着した Rostock MAX でも「ゆらぎ印刷」 をためしてみたが,本番になってからは Rostock MAX は 「自然な方向」 のオリンピック・マークの印刷だけにつかい,PLA のフィラメントを装着した Printrbot を 「ゆらぎ印刷」 につかった. 「ゆらぎ印刷」 も ABS のほうがよりおもしろいかたちができるが,Printrbot では ABS があまりうまくいかないので,やむをえない.

会場では妻には大半の時間てつだってもらったが,それでも技術的な説明ができるのは自分だけであり,ブースをはなれることはほとんどできず,ほかの展示はほとんどみていない. 3D 印刷のデモをしているほかのひとたちがみにきていたが,3D 印刷があつまっていたおなじ島以外は,それもなにをしていたのかほとんどしらない.

初日はあまりめだった取材がなかったが,2 日めの朝,まだ妻がくるまえに WBS の取材をうけた. 最初はカメラがまわっていない状態で進藤キャスターから話をきかれた. 2 つのデモそれぞれの説明をして,プリンタが印刷しているところは両方うつされたが,そのうち 「ゆらぎ印刷」 だけがインタビュー撮影の対象になった. 会社員でありいまはビジネスをしているのではないこと,これからしばらくいろいろやってから,そのなかでよさそうなことをやることなどを話したが,あまり印象的な話でなかったからだろう,インタビュー場面は採用されなかった. しかし,印刷している様子に関しては,2 台とも当日の WBS の最初のほうで放送された (下のスナップショット). とくに,「ゆらぎ印刷」 はオープニングにも採用された. しかし,放送の中心は 3D モデリングだった.

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「自然な方向の印刷」 に関しては,説明した相手の大半はそれなりに理解してくれたとおもう. 従来の 3D 印刷法ほどの汎用性はないということを説明しても,重要な技術だと指摘してくれたひともいる. しかし,「ゆらぎ印刷」 に関しては,すぐに理解してくれるひとと,「失敗作」 としてしかみないひとにわかれた. 「失敗作」 とみなすひとには,「ゆらぎ」 とか 「ノイズ」 ということばを説明につかっていても,それと印刷物のかたちとがむすびつかないのだろう.

販売したものは,「自然な方向」 のオリンピック・マークと 「ゆらぎ印刷」 のサンプルを初日は 200 円という値段をつけて販売していたが,ひとつも売れなかった. この値段にした理由は 「ゆらぎ印刷」 サンプルをいれた透明ケースが 70 円ほどかかっていることだが,最初からもうすこしやすい値段をつければよかったかもしれない. 通常の 3D 印刷による作品を 100 〜 150 円で販売したが,こちらはすこし売れた. なかには,色ちがいの中空立体をいくつもまとめて買っていくひともいた. デモで印刷したサンプルはたくさんできるので,翌日には無料で配布することにした. それによって,家にもってかえるのはそれぞれ数個だけにすることができた.

英語での説明も何回かした. 外国人もくることを予想して,英語のフライヤーを用意しておけばよかった. 次回からはつくることにしようとおもう.

フライヤー (ちらし) は初日に 400 枚弱用意したところ,のこったのが 120 枚くらいだった. カラーのほうがよいとかんがえてカラーレーザで 300 枚弱印刷したところ,カラートナーがなくなってしまった. この Lexmark のプリンタはランニング・コストがたかいので,もう使用をやめようとおもっていたので,これでうちどめになった. のこりは Brother のモノクロ印刷だ. 2 日めのほうが展示時間がながいので,さらに 300 枚弱用意した. 夜 7 時から 5 時間ほどかけて,200 枚をインクジェットで印刷したが,さらに 100 枚印刷すると午前 2 時をまわってしまうのであきらめて,のこり 100 枚はまたモノクロにした. フライヤーがたりなくなることはなかったが,50 枚ものこっていない. かなり精度よく予測したことになる.

「自然な方向の印刷」,「ゆらぎ印刷」 および他の 3 種類のサンプルの解説もそれぞれ 100 枚ずつ印刷したが,こちらはかなりあまってしまった. それらのサンプルを買ったひとにわたしわすれたということもある.

4 日の 17 時に展示は終了し,1 時間くらいかけてかたづけてくるまにのせ,首都高で家にもどった. 2 日も事故渋滞で時間がかかったが,この日も事故渋滞と自然渋滞でなかなかすすまなかった. それでも,なれない都心の一般道をはしるよりはこのほうがよい.

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