別項に書いたように早稲田の上田研で螺旋 3D 印刷について話してきたが,そこで「螺旋 3D 印刷とスライサの花瓶モードとのちがい」について質問された. 想定できる質問だったので,こたえるのにこまることはなかったが,不完全なこたえをしてしまったようにおもう. そのときこたえたのは,花瓶モードでつくれるものは螺旋 3D 印刷でも同様につくれるが,螺旋 3D 印刷では,中空球をつくるというような,花瓶モードではできないことができるということだった. 基本的にはそれでよいが,中空球だけでなくて,表面にこまかいテクスチャや模様がつくれることも主張するべきだったとおもう.
上田研でのプレゼンの主題は,螺旋 3D 印刷で多様な形状がつくれることと,従来の方法ではできない,つまりガラスや従来のプラスティックではできない微細なテクスチャや模様が表面にえがけるということだった. 中空球がつくれることは,多様な形状がつくれることの典型的な例だ. 「従来の方法」のなかには従来の 3D 印刷もふくまれていて,花瓶モードもそのうちのひとつであり,中空球がつくれる花瓶モードは存在しないとかんがえられる. しかし,もうひとつわすれるべきでなかったことは,微細なテクスチャや模様がえがけるということだ. これも「従来の方法」でできないことだ. 実際にためしたことはないが,微細なテクスチャや模様を 3D CAD で設計することは困難だから,花瓶モードで印刷することも不可能とまではいえないが,困難なはずだ.