新型コロナの第 1 波のとき,こまっている医療機関のためになにかできないかとかんがえて,「ローテクによるフェイスシールド製作法」を実践した.しかし,すでに入院患者数が減りはじめている時期だったので,医療機関への提供はうまくいかなかった. 政府によるマスクの配布も同様だ. 第 2 波がくるというので,今度はフェイスシールドの寄付をかんがえたが,もはや寄付ももとめられていないことがわかった. マスク配布が迷惑がられているのと同様だ.
第 1 波がピークに達するころまではマスクもフェイスシールドも数がたりず,どんなマスク,どんなフェイスシールドでもほしいと,医療機関も国民もおもっていただろう. しかし,その後,状態がおちついてくると,ニーズにあったマスク,ニーズにあったフェイスシールドがもとめられるようになる. 配布・寄付で特定のマスクやフェイスシールドがとどいても,ニーズにあわなければありがたくない.
フェイスシールドの製造についていえば,もはや国内で製造するのは適切でないとかんがえられる. その最大の理由は,国内ではフェイスシールドのために適切な材料が入手しにくいということだ. フェイスシールドには透明度のたかい PET 板がもとめられるが,国内では 0.5 mm 未満の厚さの添加物や不純物のない PET 板がほとんど入手できない. 国内で入手できるのはクリアフォルダーとか印刷用という,目的外の PET 板だ. いずれも透明度は比較的ひくい. 材料が入手できない以上,国内で生産するのは不適切だということになる.
フェイスシールドを輸入して寄付することもかんがえたが,これもすでに書いたようにニーズにあわないものを寄付することになるので,もはや適切でないとかんがえられる. 実際,寄付をうけいれていた医療機関や自治体でも,うけいれないようになってきているようだ.
第 2 波で必要になるものは第 1 波のときとはまったくちがうということだ.