作文・文章技法・添削 アーカイブの説明
このカテゴリーには文章を書くつまり作文に関する技法や添削などに関する話題をあつめています. 日本語についても英語についても書いています. 上位のカテゴリーは知的生産とリテラシーです.
なお,このページは 作文・文章技法・添削 アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2011-07-18 14:00:03 です).
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この本を読んだのはもう 20 年以上まえであり,それ以後は読んでいないが,いまでも文章を書くときにはこの本からえた知識がやくにたっている.読点のうちかたと修飾語のならべかた (ながいものからみじかいものへ) はいつも意識している.とくに理科系むきにはほかの著者による本がすすめられていることがおおいが,私は理科系・文科系をとわず,この本をすすめたい.本多のほかの本 (「殺す側の論理」) の書評で本多勝一を「ばか」よばわりしたが,この本は秀逸である.
評価: ★★★★★
関連リンク: 日本語の作文技術@ , 日本語の作文技術@Amazon.co.jp.
文章やプレゼンテーション資料を他人に理解してもらうときはわかりやすく書くのがいいにきまっています. しかし,自分のためのメモはどうでしょう? あとから自分で読んでわからないものでは論外ですが,わかりやすさが最優先というわけではないでしょう. 文章を書く目的がひとのためでもあり自分のためでもあるというばあいがあります. 私についていえば,たとえばブログを書くとき,あるいは会社であまりおおくのひとが読んでくれそうもない研究報告を書くとき,むしろ 「自分のため」 を意識して書いています. (このブログもどれだけのひとがみているのか,しらべていませんが,すくなくともコメント/トラックバックをくれたのはまだひとりだけのようです -- スパムがおおいので,みのがしてしまったものもないとはいえませんが.)
「ネット時代のドキュメント形式」 に書いたように,従来の印刷技術やワードプロセッサの提供機能をそのままつかっていたのでは,ネット時代 (Web 2.0 時代?) にふさわしい文章を書くことはできません. いずれそれらの技術や機能にかわるものが確立するとしても,いまは XHTML が提供している程度の文章論理機能をつかって書くしかありません. 箇条書き (<ul> ... </ul> や <ol> ... </ol>) くらいはつかえますが,注釈機能 (<abbr> ... </abbr> など) はまだ安心してつかえません.
ブログの本は多数あるが,文章のかきかたについての本はほとんどない. したがって,本書は希少なものだといえる. とはいっても,本書ではブログの文章を特別なものとかんがえているわけではなく,まずコラムとエッセイに分類し,エッセイのかきかたとして 「枕草子」,「方丈記」,「徒然草」 という 3 つのコースからえらぶことをすすめている. 非常に古典的な分類だといってよいだろう. しかし,文章法について書いているにしては文章構成について書いてないのが弱点である. 後半はブログの内容を出版することからはじまり,小説のかきかたまで書かれている.
全体をとおしてみると,中途半端だという印象がぬぐえない. エッセイはともかくコラムはどう書けばよいのかもよく書いてない. 著者は小説家なので小説へのおもいいれが書かれているが,ブログをもとにしてどうやって小説が書けるのかもわからない. 著者の文章とくに小説に関する古典的なかんがえかたとブログというあたらしいスタイルとのミスマッチを解くことができない.
評価: ★★★☆☆
私が仕事をしていて腹のたつことのひとつは,私が一生懸命書いた文章をよむひとがすくないということです. 社内でも協業他社でも,もとめられるのは説明文ではなくてパワーポイントの資料です. 一生懸命,絵をかくことがもとめられます. たしかに図は短時間で把握するのにはよい. しかし,図をつかっても論理をきちんとかくことはできませんし,なによりも文章よりかくのに時間がかかります. 時間がかぎられているから,論理をきちんと記述する必要があるからといって文章でかいたものを,よまずにすませるなどということがあってよいのでしょうか. また,論理をはっきりさせるべきところを書かずにすませるなどということがあってもよいものでしょうか.
「長髪でも短髪でもないダイナミックな髪型 ?!」 にも,10 代のころに確立して,いまもくずれながらもつづけているひとつの習慣について書きました. 同様の習慣のひとつとして,「かな文字主義」 があります. これはもともと 梅棹 忠夫 の 「知的生産の技術」 に影響された結果です.
かんがえをまとめて文章を書く必要があるとき,おおきくわけるとつぎの 2 つのやりかたがあるとおもいます.
どちらがよいのか,すこしかんがえてみます.
大学教授を定年退官して時間ができた著者は,本を書きはじめた. この本はその習慣を読者にもすすめている. 著者の 「書き方」 には参考になる点もあるが,あまり内容の濃い文章ではない. そのぶん,はやく読めるが,あまりのこるものもない. ただ,ひとつおもしろかったのは 「書いて千円を得るためには,1 万 ~ 10 万円の投資が必要だ」 というところだ. 金もうけをかんがえないところはよいが,読者を満足させることもかんがえていないのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: まず「書いてみる」生活@ ,まず「書いてみる」生活@Amazon.co.jp.
タイトルをはじめとして,実用的な本であるかのようにみせかけているが,実は言語学者によるメール作法の分析書である. メールを書くときの実用にはあまりならないだろうが,ケータイ・メールまでふくめて,これだけ様々な場面を分析した本は他にないだろう. ただ,メール作法はコミュニティによってかなりのちがいがある. 大学生が書いたメールを中心に分析しているので,企業でメールをみている私には違和感がある部分もあった.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: デジタル社会の日本語作法@ ,デジタル社会の日本語作法@Amazon.co.jp.
後輩から英語の論文の書きかたや投稿先などについてきかれた. 投稿先に関しては,分野ごとにちがうし,そのときどきでちがうから,本に書きようがない. しかし,書きかたに関してはさまざまな本が書かれているし,学会誌などにも書かれているだろう. しかし,Amazon で検索してみるかきり,いまの目的にあったものはみつからない.
2 週間ほどまえのことだが,こどもの卒業文集のために私もみじかい文章を書いた. こどもの学校生活のうち私が知りえた部分をふりかえったものである. 家族にみせるといくつか異論がでたが,結局,それもそんなに根拠があることではないとわかったので,書きなおさないままは投稿することにした.
論文の書きかたから投稿のしかた,発表のしかた,資料の収集・整理法まで,ひととおりのことが書いてある. 2003 年に出版されたものだが,資料の収集・整理法をはじめ,ふるさを感じさせる部分もある. しかし,大半の部分は普遍的であり,参考になる点がおおい. この本でも本田勝一の 「日本語の作文技術」 が引用されているが,理科系のあいだでのこの本の人気をうかがわせる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 理科系のための論文作法@ ,理科系のための論文作法@Amazon.co.jp.
日本では携帯電話が固有の進化をとげていて,「ガラパゴス現象」 ともよばれている. この現象を肯定的にみるひとつの視点は,携帯電話が万葉集以来の短歌,俳句など,短文による表現の伝統にマッチしたデバイスなのではないかということだ.
いまだに 1 冊も本を書いたことがない. おおくのひとは本を書くことを目標とし,出版社でとりあげてもらえないと自費出版してでも本をだすひとがすくなくなかった. だが,私自身は会社をつうじて本を書く機会があたえられても,ついに書かずにふみたおしてしまった (すみません _ _). いまこうしてブログを書いているのも,そのほうが本を書くよりもっと魅力があるからにほかならない.
著者はプロのものかきではあるが,ブログをはじめたのは今年だという. そういう著者が,ブログになにを書くべきかにも言及してはいるが,おもにブログの文章技術を説明しているのがこの本である. 本書の副題も 「心をつかむ文章術」 となっているから,タイトルにふさわしい内容だといえるだろう.
たしかに,よりおおくのひとに読んでもらうためには 「心をつかむ」 ことが必要だろう. しかし,著者もこの本のなかで手術の体験を他人のブログのなかにさがしたという経験を書いている. そういう検索中心の読み方をするときには,問題なのは内容であって,「心をつかむ」 ことはそれほど重要とはおもえない. そういう内容をめざしている私にはあまり役にたつ気がしなかった.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 読ませるブログ@ ,読ませるブログ@Amazon.co.jp.
作文技術に関する本はおおいが,そのなかでもっともやくにたったのは本多勝一の 「日本語の作文技術」 だ. この本はそれに匹敵するくらい,やくにたつ本かもしれない.
この本では,だれもがいう常識的な点もとりあげているが,具体的かつ実践的である. 読点のつかいかたや修飾語の順序など,本多がしめしたいくつかのポイントもとりあげて,さらにふかめようとしている.
ただ,末尾に収録されている多数の定型表現はどうかとおもう. 現代ではつかえそうもないものもあり,また,辞書的にならべてあるのであまり実践的ではない.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 日本語作文術@ , 日本語作文術@Amazon.co.jp.
私は文章を書くとき,けっこう,推敲をかさねるほうだ. それはブログについてもおなじだ. しかし,最近,あまり時間がとれないせいもあって,書きかたがだいぶ粗雑になっている. よくない傾向だとおもっている.
英文で論文を書いたときには,できるだけ添削 (proofread) してもらうようにしている. 専門家にたのむのでコストはかかるが,それによって論文がわかりやすく,とおりやすくなるとかんがえられるからだ. 英文を書いて添削をよくたのんでいるひとには周知のことだろうが,この添削のやりかたもインターネットの発展にともなって,だいぶかわってきた.
パソコンより手書きノートのほうがすごいんだと著者はいう. しかし,読んでもその理由はなかなかわからなかった. 読みすすんでわかったのは,著者にとってはパソコンで書くよりノートで書くほうが脳が活性化されるということだ. 個人差があるが著者にとってはノートのほうがよいということだろう. 読者は自分でどちらがよいかを判断すればよい. 当然のことだが…
過去の有名な作家などがどのようにノートをつかっていたかが紹介されている. 著者にとってはそれもノートをつかう動機なのだろうが,彼らが現代に生きていたら,ノートをつかっていたかどうかはわからないだろう.
それから,著者はブログについてもふれている. ノートに書くのは日記にちかいが,おなじく日記にちかいブログとちがうのは,ノートが個人的なものであるのに対してブログは他人によませるものだということだ. これはあきらかなちがいだが,ノートしかつかえなかった時代に生きていたひとが,いまだったらブログをつかっていたという可能性もあるのではないだろうか. ひとによませたくないものはノート,よませたいものはブログというように,わけて書くかどうか… うまくブログを書くことで,完全ではないがノートのかわりにもなるようにおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 思考・発想にパソコンを使うな@ , 思考・発想にパソコンを使うな@Amazon.co.jp.
英語の論文を書くとき,構成と表現の両方が課題になるが,この本は基本的に後者だけをあつかっている. さまざまな英語らしい表現が紹介されている. ある程度,論文を書く経験をかさねたひとが,もう一度みなおすときに読むのに適しているだろう. 何度書いても時制をどうするべきかはまようが,それについてもおよその解がしめされている. 表現についても構成との関係で注意するべき点があるとおもうが,それはほかの本で知る必要があるだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 理系のための英語論文執筆ガイド@ , 理系のための英語論文執筆ガイド@Amazon.co.jp.
卒業論文などのかきかたについて何冊も本を書いている著者だが,論文をかきはじめるときには七転八倒すること,途中からかきはじめることができずに頭からかきはじめることなどを告白している. ということは,途中からしか書くことができない私などはこの本からえられることがすくないということかもしれない. たくさん勉強しすぎると自分でかんがえなくなるからよくないという著者のかんがえにも賛成できない.
「論理的思考法」 や 「論理的な議論」 にはっきりした方法がないということも書いているが,演繹や帰納はもちろん推論の方法はさまざまあるのだから,はっきりしているかどうかはべつとして,そういう方法がないというのはおかしいだろう.
文章には 「つなぎ」 が重要という話も書かれていて,それはそのとおりなのだが,文どうしをつなぐのが接続詞だけであるかのように書いているのは不十分だろう. たとえば代名詞やそれに相当する名詞のくりかえしなどもつなぎのやくわりをはたしているはずだ.
というわけで,この本には不満な点がおおい. しかし,この本だけ読むのでなくて,ひとつの意見として読むぶんには参考になる点があるだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 論文の書き方@ , 論文の書き方@Amazon.co.jp.
大学生むけの論文の書き方本のおおくは卒論に特化されすぎているようにおもう. この本はもっとひろくて,高校生くらいでもつかえるし,興味がもてるのではないだろうか. ネタのえらびかたや調査のしかたも具体例をあげて説明しているし,「論文を書く段取り」 もなっとくのいく説明がなされている. ただ,記号やフォントのつかいかたに関しては,卒論でもここまでこまかく指定しなくても…とおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 論文マニュアル @ , 論文マニュアル @Amazon.co.jp.
英文を書くのになれていないひとのために,論文の構成から表現まで,ひととおりの説明をしている. 表現は比較的日本人にかきやすいものをえらんでいる (つまり,あまり英語らしくないものがおおい) ようにみえる. たとえば,abstract の例としてあげられている文章では purpose という単語が 2 つの意味でつかわれている (奇妙 !) うえ,自分の研究目的を過去形で書いている (奇妙 !). “It is ...ed (過去分詞)” が多用されているのも Japanese English っぽい. もしかすると初学者にはこのほうがかきやすくてよいのかもしれないが,最初からもっと英語らしい表現が書かれた本をえらんだほうがよいようにおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: かならず書ける英語論文 @ , かならず書ける英語論文 @Amazon.co.jp, かならず書ける英語論文(ベーシック版) @ , かならず書ける英語論文 (ベーシック版)@Amazon.co.jp.
和文にしろ英文にしろ,文章を書くときには文どうしや段落どうしのつなぎをくふうする必要がある. 私のばあい,おもに英文添削で自分が書いた文章の不備をしてきされるのだが,最近たまたま,文章のかきかたに関する本をいろいろ読んで,つなぎについて書いている部分をいくつかみつけた.
よくこれだけ誤用例をあつめたとおもうくらい,多数の例が,論文などからあつめられている. もちろん参考になる点は多々ある. しかし,危惧をいだいてしまうのは,ただしい例とおなじ数だけ誤用例をよまされると,そちらがあたまにのこって,まちがえてつかってしまうのではないかということだ. ただしい例だけ読んだほうがよいような気もする.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 間違いだらけの英語科学論文@ , 間違いだらけの英語科学論文@Amazon.co.jp.
大学生がレポートを書くときにはこの程度のことに気をつければよいということかもしれない. しかし,文章とくに論文の書き方としては相当にまずい内容だ. たとえば,段落については 「段落をどこでとるかの規則はない」 と書いている. 日本語ではもしかするとこれでよいのかもしれないが,英語のパラグラフをかんがえると,これはまったくのまちがいだ. 日本語で書くときも,段落をどう構成しどこで段落をきるかに関しては,もっと意識的であるべきだろう. この調子のゆるい内容がいたるところにみられるから,むしろ有害な本だといってよいだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 新版 大学生のためのレポート・論文術@ , 新版 大学生のためのレポート・論文術@Amazon.co.jp.
著者の百戦錬磨 (?!) の経験がいかされた本だ. 類書からはえられない,ふかい内容にみちている. たとえば,他人を説得するための 3 つの方法つまり 統計的な方法,演繹論理法,データのきれはしを論理でつなぐ方法 (論理重合体合成法). それから,「不思議」 と 「面白い」 に関する話題,文章のつなぎかた,などなど. しかし,残念なのは論点が抽象的であり,具体例がひとつもないことだ. よく,かみしめて読む必要があるだろう.
評価: ★★★★★
関連リンク: 創造的論文の書き方@ , 創造的論文の書き方@Amazon.co.jp.
PowerPoint 資料を本にしたような感じで文章がこなれていないし,うすい本なのにちいさなフォントでぎっしり印刷されていて読みやすいとはいえない. しかし,得るところはすくなくない. 「Leggett の木」 という,日本語とはちがう英語の論理に関する説明にも,具体例をつけてていねいに説明している. 連結語の説明でも,文どうしをつなぐさまざまな表現が分類されたうえで具体的にしめされている. ほかにも論文の構成から細部の表現にいたるまで,有用な項目が多々ふくまれている.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 科学英語論文の書き方@ , 科学英語論文の書き方@Amazon.co.jp.
以前から有名な論文の書き方の本のなかに 「起承転結」 の 「転」 はいらないという話が書いてあって,もう常識になっているものとおもっていた. ところが,そういう本をあらためてまとめて読んでみると,おおくの本にあいかわらず 「起承転結」 がポイントとして書いてある.
論文の構成や表現が話題の中心だが,論文の計画から投稿までの過程についても書いている. 論文構成に関しては,序章のかきかたなどに参考になる点がおおい. パラグラフの構成に関してもかなりのページをさいている. 段落のきりかたになやんでいるようなひとは,ぜひ読むとよい. 時制についてもページをさいているが,完了形のつかいかたが書いてないので,この本だけでは不十分だろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 創造的論文の書き方@ , 創造的論文の書き方@Amazon.co.jp.
Web デザインの本はやたらにあるが,ほとんどはナビゲーションやビジュアル・デザイン中心の本だ. テキストのかきかたというと,本や論文のかきかたの本になってしまう. Web や電子書籍などのテキストのかきかたの本はほとんどない. それが,これから必要になるはずだ.
タイトルをみて,てっきりメイルのかきかたの本だとおもった. 実際,メイルのかきかたについても書いてあるが,おもには手紙など,手書きの文章について書いている. 文章を手書きする機会はへってしまったが,手書きに関する部分もふくめて,この本はメイルを書くときの姿勢について,もう一度かんがえる機会をあたえてくれるだろう. おおくのひとは,メイルを書くときにすでになんらかのくふうをしているだろうが,この本を読めばふだんはつかっていない表現や,みおとしている点をみつけることができるかもしれない. ただ,「お疲れさま」 の連発は疑問だ.
評価: ★★★☆☆
大学の非常勤講師をしているので,学生に 2 回,レポート課題をだした. レポートの形式には注意をはらっていなかったので,それを採点基準にはいれていなかったが,いまおもうと,内容はともかく形式がととのっているかどうかも採点するべきだったようにおもう. レポートのかきかたをあまりに知らない. どうにかする必要がある.
はじめて本を書きたいとおもったひとが,どうやってその目標を実現すればよいかを書いた本だ. 本のテーマをみつけ,情報をあつめて整理し,出版社をみつけて出版にまでもちこむ. ひととおりのことが書いてある.
この本じたいは,きちんと構成され,各章のポイントがきちんときめられ,著者が重要な点として強調しているように 「わかりやすく」 書かれている. たしかにわかりやすい. しかし,スッとよみおわって,のこるものもあまりない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 本を書く技術@Amazon.co.jp.
メールを書くさまざまな場面 (おもにビジネス上の場面) に応じて,そのかきかたを紹介している. 場面にぴったりはまれば,やくにたつだろう.
文章をみじかくすることが重要であり (それはそのとおり!),方法も紹介されているが,その方法は文章をもてあそんでいるという印象をうける. 改行のいれかたも書かれているが,句点ごとに改行するのはやりすぎだろう. そもそも,この本の文章は段落をみじかくきりすぎていて (1 文 1 段落のところも多い),文章法としては適切とはおもえない. メイルの文章は本とはちがうが,こういう文章をかくひとのまねをするのはどうかとおもう. 末尾には 「慣用句」 が紹介されているが,陳腐だからまねしないほうがよいだろう.
というわけで,あまり,おすすめできない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 振り回されないメール術@Amazon.co.jp.
表現には会話表現もあり文章表現もあるが,この本は話のしかたから,文章やメールのかきかた,ボディーランゲージまで,はばひろくあつかっている. だから,あまり系統的な内容ではなくて,エピソード的だ. 雑然としていて,あまり印象にのこらない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: なぜ伝わらないのか@Amazon.co.jp.
著者は 「頭のいい文章」 とは読み手に負担をかけない文章だという. 修飾語と被修飾語をちかづけるとか,長い修飾語をさきに書くとか,結論をさきに書くというような,文章法の本ならどれでも書いてあるようなこともこの本にはもちろん書いてあって,それは読み手の負担をへらすことになるのだろう. しかし,この本の真髄は 「かぎ括弧文章」 (はなしことばで書く) のつかいかたや具体的なできごとを書く,体験をストーリーとして書くというような後半の部分だろう. 「まじめな」(?) 文章読本などには書いてない,ひとのこころをつかむ技術が満載されている.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ダメな文章を達人の文章にする@Amazon.co.jp.
論文のかきかたに関する本はやまほどあるが,この本はパラグラフのかきかたにしぼって,徹底的な訓練をめざしている. ほかの本を読んでも知識としてはおぼえるだろうが,なかなか実践するまではいかないだろう. このくらい徹底的にやればこそ身につくだろうとおもう.
評価: ★★★★★
関連リンク: 書く技術@Amazon.co.jp.
「論理思考」 といっても,ほとんどディベートの方法とくに 「論証責任」 とか 「クレーム」 という概念を中心に説明している (と書いても意味がわからないだろうが,この本を読んでもらう必要があるだろう).
タイトルに 「高校生のための」 とある. しかし,最後の章には入試問題がとりあげられているが,それまではかならずしも高校生がこの本を読むモティベーションがないようにおもえる. 最初の 100 ページくらいはトレーニングではなくて,論理によわい日本人と日本語を英語とくらべた評論的な内容だが,それを読むうちにモティベーションをもってもらいたいということかもしれない. トレーニングの本とおもわなければ,そこを読むだけでも価値があるとおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 論理思考トレーニング@Amazon.co.jp.
論文などを書くための準備から執筆そして学会発表にいたるまで,1 冊でひととおりのことが書いてある. パラグラフのかきかたは 1980 年代に出版されたこの本からひろまったといってよいだろうが,いまでもひととおりのことを知るにはよい本だとおもう. ただし,パラグラフのかきかたはこの本をよむだけでは身につかないだろうから,この本を読んでから他の本や講座などでトレーニングするとよいだろう. また,ふるくなっていることもあるから,最近の本でおぎなうとよいだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 理科系の作文技術 @Amazon.co.jp.
これは英語の文章などにも通用するマクロな作文技術の本ではないが,日本語の文を構成するためのミクロな作文技術の本としてはこれ以上のものはないのではないかとおもう. 文系・理系をとわず,わかりやすい文を書くための方法が豊富な例をつかって徹底的に説明されている.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 日本語の作文技術@Amazon.co.jp.
日本における英文のかきかたの本のおおくは,ひとつの文のなかにあらわれる単語や表現に重点をおいている. この本は,そうではなくて,バラグラフの構成やパラグラフ内での文のつなぎなどに重点をおいている. 論文のかきかたも意識しているが,ビジネス英語により重点があるので,ひとによい印象をあたえる文章というところにも注力している. パラグラフに関してはこの本もひととおりのことが書いてあるが,不足している部分もあるから,おなじ著者による 「論理が伝わる 世界標準の「書く技術」」 も読むとよい.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 英語ライティング上達法@Amazon.co.jp.
従来の 「接続詞」 の概念を拡張して,文末にある 「つなぎ」 表現も接続詞としてあつかっている. 文と文をつなぐのが目的だから,より適切なほうをえらぶことができるのでよいだろう. しかし,拡張するなら,文をつなぐのに名刺がつかえることも書くべきだろう. 英語なら代名詞や冠詞もつなぎになるが,日本語ではつかえない.
「接続詞のさじ加減」 という章では接続詞がつかいにくいときに文のつなぎをなくしてしまうことをかんがえている. とりあげられている例のおおくは文に主語がないために名詞によるつなぎがなくなっている. 英語なら主語が省略できないからつながるのだが,日本語ではつながらない. しかし,くふうすればつなげる場合もあるとかんがえられる. この本を改訂する機会があるなら,さらに洗練してほしいとおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 文章は接続詞で決まる@Amazon.co.jp.
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