Amazon はだいぶまえから電子書籍端末 Kindle を売っている. これまで発売された類似品とくらべると,かなり売れているらしい. そこに,すくなくともかたちだけみれば似ている iPad を Apple が発表した. Apple は iPad が電子書籍端末だとはいっていないが,そううけとられてもいる. しかし,そううけとろうと,うけとるまいと,2 つの端末がめざす方向はまったくちがっている.
「縦長の印刷から横長の表示へ ― グーテンベルク以来の伝統の改革 ―」 という項目で,ディスプレイが横長なので文書ページも横長にするべきだということを書いた. Kindle も iPad も縦長の画面を採用している. はたしてこれは定着するのだろうか?
やっと iPad を入手した. もっとはやく手にいれることはできたはずだが,買ってもさわるひまがないとかんがえて,おさえてきた. 当然のことだが,期待以上のところと,がっかりするところとが共存している.
タイトルのとおり,iPad とキンドル (Kindle) がおもな話題だが,それらだけにとどまらず,ソニーの eBook やボイジャー・ジャパンの T-Time などもとりあげられている. eBook に関してどういう歴史があったのか,それらと iPad やキンドルはどうちがうのか,キンドルのビジネスモデルはどうなっているのか. そういうエピソードがおりこまれ,さまざまな知識をえることができる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: iPad vs. キンドル@ , iPad vs. キンドル@Amazon.co.jp.
iPad が発売されてまもなく買った. iPad はよく電子ブックの端末として,アマゾンの Kindle と比較されているが,読書のために買ったわけではない. Kindle より使用シーンがひろいことが特徴だが,いまのところは Web,YouTube,iPad などがおもな用途だ.
iPad で PDF ファイルをみるためのソフトとして iAnnotate PDF というのがある. 多機能なので 1200 円もするのだが,私にはつかえなかった. 1 GB くらいの PDF ファイルをよみこませてから iAnnotate PDF をたちあげようとしたが,たちあがらなかった.
iPhone は以前は iPad よりかなりピクセル数がすくなかった (解像度がひくかった) が,iPhone 4 になって,iPad に匹敵する解像度をもつようになった. それによって,いろいろなアプリケーションの表示がかなり改善された. たとえば,産経新聞の紙面の表示も,全体がみわたしやすくなった. しかし,iPhone と iPad の解像度がちかいと,ほかにも重要な利点が生じる.
iPad と他社製品とのちがい,iPad と iPhone の微妙なちがいなどについて,納得のいく説明をしている. タッチパネルでうまく絵がかけることが,あたりまえのようでいて,どれだけむずかしく,他社は実現できていないかというのがそのひとつだ. カートリッジをつかわずダウンロード販売していることの利点,課金のしかたなども,ユーザの立場にたったデザインの結果だという. Apple が Flash の導入を拒否している理由も説明されている.
こうして iPad の魅力がつぎからつぎへ書かれているこの本だが,これだけ利点ばかりがならべられると,警戒はなければという気にもなってくる. すこしは影の部分にもふれて,バランスをとったほうがよかったようにおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: iPadショック@ , iPadショック@Amazon.co.jp.
「機械音痴」 という著者にもちこまれた出版社の企画. 著者はこれを機に IT をとりいれた教育を取材し,iPad をつかった教育をみずからこころみて,その効果をたしかめている. いかにも底があさいが,それが日本の現状でもあるのだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: iPadで教育が変わる@ , iPadで教育が変わる@Amazon.co.jp.
Apple から iPad の新機種が登場したが,the New iPad というなまえなのだという. あたらしいなまえがきめられなくて,お茶をにごしているとしかおもえない. Jobs のいない Apple はもう,うまくいかなくなっているということだろうか.
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