これまで創発的計算のためのモデル CCM (化学的キャスティング・モデル), 軸づけ検索, 3 次元音声コミュニケーション・メディア voiscape などの研究を してきました. 上記の 3 つの研究に共通する “テーマ” は “デジタルとアナログの融合”,あるいは “記号と記号下のものの融合” だとおもいます.
CCM は,離散的な状態空間のなかを移動する記号的あるいは “デジタル” な計算を,局所秩序度という “アナログ” な量によって解にみちびく 計算モデルでした.
軸づけ検索は,語をあたえて記号的 (デジタル) なテキスト検索を するときに,年代軸であれば時間という 1 次元のアナログ量によって, また地理軸であれば地域/地図という 2 次元のアナログ空間によって 検索結果を組織化する検索でした. アナログ空間におくことによって, 検索結果を直観的に把握できるようにすることをねらっていました.
voiscape においては,そもそも音声というものが言語というデジタルな ものと音というアナログなものをあわせもっていますが,さらに, 音声を 3 次元のアナログ空間におくことによって,2 値的な世界から 人間が感覚的に把握しやすい遠近感のある世界に移行しようとしています.
すくなくとも現在進行中の voiscape をのぞけば,他の 2 つの研究テーマは ライフワークにはなっていませんが, これらをつらぬく “デジタルとアナログの融合”, “記号と記号下のものの融合” がライフワークになっているのではないかと おもいます. また,上記の順に研究対象を推移させてきたわけですが, しだいに “人間” にちかづいているということがいえるようにおもいます. 修士論文では “プログラミング言語学” を研究テーマにしましたが, そのとき以来,(CCM をのぞけば) 従来は人間の存在が無視あるいは捨象 されてきたところに人間を復権させようとしてきたともいえるのでは ないかとおもいます.
注: このエントリーは独立の Web ページに記述していたものをブログにとりこんだため,ブログ開始以前の日付がついています.