NHK の大河ドラマにおける篤姫は,当時の日本においては自分ですすむ道をきりひらくことはできず男にしたがうしかないということをみとめつつも,できる範囲で自発的にかつ積極的にふるまっています. いわば,社長にはしたがわざるをえないが自分の権限の範囲ではおおなたをふるえる “副社長” として,最大限の努力をしているようにみえます. それはあたかも現代の企業における経営者 (副社長) のようにえがかれているように私にはみえます.
篤姫は孫会社 (島津分家) から子会社 (島津本家),子会社から親会社 (将軍家) へと,くりかえし抜擢されていきます. そして大奥にはいった篤姫は,大奥担当副社長として,さっそく経営改革にのぞんでいます. 朝の髪のすきかた,ゆいかたなどに関して,非効率なやりかたをつぎつぎにあらためさせていきます (写真はサウンドトラック版の CD から). 現在では抜本的な経営改革をすすめる “女社長” や “女副社長” はたくさんいます (最近ではホッピーの副社長 石渡 美奈 があたまにうかびます) が,現代日本においてもこういうやりかたは最近まで女にはふさわしくないとみなされていたようにおもいます. まして江戸時代にはそういうやりかたはうけいれがたかったのではないでしょうか? このドラマはかなり現代風につくられているので,さらにそういう印象をあたえるのでしょうが…
NHK の大河ドラマ 「篤姫」 の原作は 宮尾 登美子 著 「天璋院篤姫」 です. 私は読んでいませんが,原作にはどこまでこういう雰囲気があったのか,知りたいとおもいます.
関連項目 (2008-7-10 追記):