Second Life (セカンドライフ) に関して,しばしば 「閑散としている」 という表現がつかわれています (「インタラクションの機会がかぎられる Second Life (?!)」 参照). これは参加している人数のわりに空間がひろすぎるからです. ひろすぎる空間という点ではインターネット上に展開されている他のメディアも同様です. たとえば,ブログにおいてはいったん炎上するとアクセス数は爆発的にふえますが,たいていのブログは,ふだんはわずかなひとしか,みていません.
Second Life (セカンドライフ) は Linden Lab (リンデンラボ) というひとつの組織が管理するメディアですが,それでも,まだそれほど使用者がおおくないこともあって,空間のひろさのわりに人数はすくなくなっています. そのため,その空間のなかをうごきまわっても,会えるひとの数はかぎられています.
ブログや掲示板のばあいは,もともとひろい Web の空間のなかにちらばっています. そのため,とくに日本語でかかれたブログについていえば,一部の有名なブログをのぞくと,スパム以外のコメントやトラックバックはわずかしかつきません. ただし,英語のブログをみると,もっとコメントやトラックバックがついているものがおおいので,日本あるいは日本人に固有の問題もあるとかんがえられるのですが…
秋葉原事件の犯人は自分の行動を携帯電話から掲示板にリアルタイムで書きつづけていましたが,反応はまったくなかったようです. 空間がひろいためにだれも読んでいなかったのか,読むひとはいるが反応しなかったのかは,はっきりしていませんが…
場所がかぎられていて制約がおおきい実世界とくらべると,制約のすくない仮想世界においては空間が必要以上にひろくとられてしまうのは,ある程度,やむをえないことなのでしょう. しかし,空間がひろすぎると,おこるべき会話や議論がおこらなくなり,孤独感の原因にもなるとかんがえられます. 空間のひろさを制御する (制約する) ことも必要なのではないかとおもいます. すでに Second Life においては空間に価格をつけることである程度は制御されているのでしょうが,十分でないのかもしれません.