さびれた商店街については 「大型店が諸悪の根源 !?」,「商店街の御用聞きと配達」 などの項目で書いてきました. 三浦 展 をはじめとして,こういう商店街不活性化の原因を大型店進出にもとめてそれを攻撃する論者がおおい (たとえば 三浦 展 著 「ファスト風土化する日本 ― 郊外化とその病理」) のですが,それだけが原因とはいえないでしょう. ここでは他の原因とそこからうかびあがる対策案についてかんがえてみます.
私自身の行動をふりかえってみると,たしかに,ちかくの一般商店で買う機会は減少しています. しかし,私は大型店にもそれほど頻繁にいっているわけではありません. たしかに,ちかくにある川島商店街にいっても,オリンピックというスーパーマーケットで買うことがおおいのは事実です. しかし,この店は大型店ではありません. また,ほかにも何件か,よく買う店はあります. それは食品の安売り店です. オリンピックにせよ安売り店にせよ,買うもののおおくはバーゲン品です. バーゲンをしていない店ではあまり買っていません.
私のばあい,ちかくの店で買う機会がへっている最大の理由はネット通販をよくつかうようになったからだとおもいます. 一般の商品は楽天で買うことがおおく,また本はアマゾンや BK1 で買っています. 本に関していえば,40 年前にはちかくの書店をよく利用していましたが,20 ~ 30 年前は神田や新宿の書店をよく利用していたようにおもいます. いまはどちらもあまり利用していません.
上記の原因をもとにして,対策案をかんがえてみます. まず,バーゲンをしていない店にいかないことについてかんがえてみると,まずバーゲンをする,あるいはしているようにみせかけることは必須でしょう. これはたいていの店ではやっているはずです. しかし,バーゲンしていることがめだたなければ,その店にはいかないでしょう. ふだん行かない店のばあいは,行く店よりめだつやりかたでバーゲンしていなければ,目にはとまりません. そこをくふうすることがひとつの対策案です.
つぎに,ネット通販の利用というところから対策案をかんがえてみます. ネット通販のほうがおおくの商品のなかから選択できることが利点ですし,外出しなくても商品を入手することができるのが利点です. しかし,私のばあいは健康上の問題はないので,ちかくの店にでかけて入手できるもののばあいには,安価でなければネットで注文しないでしょう. ネットで問題になるのは送料がかかったり,とどくまでに時間がかかることです.
おおくの商品は宅配便でとどきます. ネットで注文することによって,従来は店にはらっていたカネの一部をヤマト運輸などの宅配便屋にはらうようになっています. つまり,宅配便屋にとっては近所で買うより通販で買ってもらったほうが,もうかるということです. しかし,かれらはたぶん,商店街衰退の元凶にはされたくないでしょう. そこで,かれらに商店街活性化のためのやくわりをになわせることがかんがえられるとおもいます. 「商店街の御用聞きと配達」 という項目には,商店街活性化のために “御用聞き” と配達のシステムをつくるとよいのではないかということを書きましたが,そこに宅配便屋をつかうことができるのではないでしょうか?
“御用聞き” のためにはもうひとくふう必要ですが,宅配便屋はいつも,まちなかをうごきまわっているので,商店街からすばやく配達するのにつかえるとかんがえられます. 近距離なので,通常よりはやすいコストで配達できるはずです. かれらは通常,トラックで巡回していますが,最近は場所によっては手押しくるまなどをつかっているようです. したがって,商店街のなかはくるまがとおれないとしても,こういう手段で解決できるでしょう.