「郊外化」 を都市計画や建築の問題としてとらえる 松原 隆一郎 のような論者と,それを人間や社会の問題としてとらえる 宮台 真司 のような論者がいるなかで,両者をつなぐ議論を展開し,郊外化を単に都市周辺の問題でなく日本全体の問題 (「総郊外化」) としてとらえているのが本書の著者である.
「街をつくらない」 ジャスコや他の大型店の地方進出によって享楽的・退廃的な消費社会がつくられたと主張する,その危機感には迫力がある. 一方で吉祥寺,下北沢,高円寺などの東京の都市には 「新たな原理」 をみている. 主張の根拠は十分ではないが,それは読者に課せられた課題とかんがえることができる.
評価: ★★★★☆
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