24 年ぶり (?!) の LaTeX による論文書き
1987 〜 88 年ごろ,LaTeX をつかって英語の論文を書いた. しかし,その後は Microsoft Word をつかうようになった. 私にとっては Word のほうが便利だったし,それでとくに問題もおこらなかった. しかし,最近,共著者の意向で LaTeX をつかうことになった.
1987 〜 88 年ごろ,LaTeX をつかって英語の論文を書いた. しかし,その後は Microsoft Word をつかうようになった. 私にとっては Word のほうが便利だったし,それでとくに問題もおこらなかった. しかし,最近,共著者の意向で LaTeX をつかうことになった.
LaTeX をつかって共著論文を書くことになった. 東大や他社をふくむ 5 者による共著論文なので,ひとつのファイルを何人もがアクセスすることになる. そのため,共著者の提案で SVN (Subversion) によってバージョン管理することになった. 東大にあるサーバにファイルをおいて,SSH と SVN をつかってそれにアクセスする. 企業につとめるものにはなかなかハードルがたかい環境であり,まだ完全にハードルがこえられていない.
このブログではしばしば文中にほかのページへのリンクをいれている. その理由としては,このブログのほかのページにもアクセスしてほしいということもあるし,読者の便宜をはかりたいということもある. しかし,文中にリンクをいれると理解をさまたげるという話もある. どうするのがよいか,本にまとめてあるとよいとおもうが,いまのところそんな本はないのだろう.
「自分探し」 にあまり関係がない自分にとっては,この本を読んでもよくわからない. この本のなかで一番 「わかる」 話は 土井 隆義 の本からの引用で 「自分が輝いていると感じられないのは,秘められた 「本当の自分」 をまだ発見していないからにすぎないのです. だから重要なことは,なんとかそれを見いだして,うまく開花させてやることだと思っているのです.」 という記述だ. もしそうであるなら,なぜ旅をすることが 「自分探し」 になるのか,そこからして説明されていない. この本ではおこっている現象はいろいろ書かれているが,著者がまえがきに書いてあるように 「掘り下げ」 られてはいない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 自分探しが止まらない@ , 自分探しが止まらない@Amazon.co.jp.
「情報を見せる」 ということばからは,言語情報のプレゼンテーションに関する本だという印象をうける. しかし,この本は言語情報にかぎらず,CG のようなほとんどが感覚的な表現までも対象にしているようだ. PowerPoint によるプレゼンテーションをつくる場合についても,その言語的内容ではなくて色や配置を話題にしている. 訓練をとおしてそういう感覚的な 「見せる」 技術を獲得することがこの本のめざすところだ. 視覚情報としても,とりあげられているのは絵や写真であり,「図」 のような論理的なものはとりあげられていない. 私がほしかったのはプレゼンテーションを 「見せる」 ための 「原則」 のような知識,図のかきかたなどだが,そういうものはここにはなかった.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 「情報を見せる」技術 @ , 「情報を見せる」技術 @Amazon.co.jp.
いまさら書評を書くような本でもないのだが,たまたま古本を買って見た. 80 人ほどの東京情報大学の教官が 2 ページずつ,自分の専門分野の魅力を書いている. たしかにおもしろそうなことがいろいろ書いてあるのだが,2 ページだけではよくわからない. また,文字ばかりなので直観的に理解できない. もうすこし,それぞれのページをふやして,表現にもくふうすればよかったようにおもえる.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 真・情報学@ , 真・情報学@Amazon.co.jp.
東日本大震災の被災地でどういうボランティアができるのか,なにを準備して,どうすれば参加できるのか,実際にボランティアをしているひとたちの声などが,コンパクトにまとめられている. もうすこしはやく出版できればもっとよかったし,行ってみればこの本当はいろいろちがう状況があるだろうが,この本がこの震災にせよ今後の災害にせよ,ボランティアのきっかけになればいい.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 災害ボランティア・ブック@ , 災害ボランティア・ブック@Amazon.co.jp.
Amazon.co.jp の本の分野をかぎって 「価格の安い順」 にならべて,1 円で売っている本をみてみた. 最上位のカテゴリー (たとえば 「コンピュータ・IT」) を指定すると膨大な数の本があるが,最初の 4800 冊しかみられないことがわかった. この最後の 1 冊も 1 円だ. 1 円本を全部みるにはもっとカテゴリーをしぼる必要がある.
著者は 「論理的思考」 が重要だと強調し,自分は 「論理的」 に思考しているという. しかし,そうだとすると著者のいう 「論理」 とはなんだろうか. それについての説明はない. このことばを常識的に解釈してよみすすむと裏切られる.
あとがきに 「人生に習熟するとは,無数にある選択肢を,一瞬で,2 つ程度に絞り込めるようになる,ということなのです」 と書いている. この本のタイトルは 「選択の時代」 だから,これはきっと著者にとってこの本のエッセンスなのだろう. しかし,通常の意味の論理は逐次的なものだから,それによって一瞬で選択肢をしぼりこめるわけがない.
しかし,この文を読んでからふりかえると,1 章で通常の意味の論理展開なしに 「太平洋戦争当時を振り返れば,どこが間違ったか,おおよそのところはわかります.…」 と書いているのが著者が 「一瞬で」 判断したことなのだろうとかんがえると納得がいく. だが,やはり著者がいう 「論理的思考」 の意味はわからない.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: 選択の時代@ , 選択の時代@Amazon.co.jp.
パブリック・アクセスということばが意味するのはテレビだけではないはずだが,この本はほとんどテレビにしぼっている. ヨーロッパや韓国などでは地上放送の一部の枠が市民がつくる番組にあてられているというが,日本の例はケーブルテレビやインターネット放送にかぎられている. こういう放送はいまなら USTREAM でもっとかんたんにアクセスできるようにおもうが,それだけにもっと多数のひとが見る地上放送枠をわりあてることはさらに重要になっているのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: パブリック・アクセスを学ぶ人のために@ , パブリック・アクセスを学ぶ人のために@Amazon.co.jp.
著者が福島県知事だったころの,県と福島原発,東京電力,政府などのやりとりや,おかしな出来事の連続を淡々とえがいている. 原発事故や原発行政に関してはすでにいろいろおかしなことをきいてきたから,この本を読んであらたなことが書いてあっても,もはやおどろかない,あまり興味も感じない自分に気づく.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 福島原発の真実@ , 福島原発の真実@Amazon.co.jp.
自分はプログラマではないがプログラムを書くのが仕事の一部だ. この本はそういう自分のことが書かれているようだ. つまりは,プログラマだけのことを書いているのではなくて,理科系にはかなり共通する部分がある.
「本を読むのが仕事」,半分の時間は調べものをしていると書いてあるが,研究者のばあいはプログラミングより本,論文,Web などを読むのが本来の仕事. 自宅にかえっても趣味でプログラムを書くというのもあたっている. トイレにいくときについでになにかしてくるというのも,いいあてられている. バグで悩んでいるときは,社内を歩いているときでも原因を考えているというのもそうだ. つかったことのないソフトのつかいかたをきかれてもこたえられないのに…ということも書いてある. 読んだらやくにたつという本ではないが,共感してしまう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: プログラマのしくみ@ , プログラマのしくみ@Amazon.co.jp.
この本を書いたのはプログラマから SE を経て 「卒業」 したフリーライター. SE というと高級プログラマとおもっていたが,この本と,プログラマが書いた SE についての本などをみくらべると,SE とプログラマとのギャップ・対立がいかにおおきいかがわかる. やとったプログラマをついつい信じてうらぎられ,顧客をよみちがえる SE のすがたが,ここにはある.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: SEのフシギな生態(単行本)@ , SEのフシギな生態(文庫)@ , SEのフシギな生態(単行本)@Amazon.co.jp, SEのフシギな生態(文庫)@Amazon.co.jp.
かんたん・安価につくれる電子工作が 30 ちかくも紹介されている. かんたんにつくれるのはよいが,なぜ音や光がでるのかといった原理についてはほとんど説明されていない. 読者がむずかしい説明をもとめていないことはわかるし,IC はブラックボックスでしかないが,すこしは裏にあることも書いたほうがよいのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 新電子工作入門@ , 新電子工作入門@Amazon.co.jp.
「Web インターフェイス<で>学ぶ」 という副題からは Web だけでなく一般論につなげたいという意図があるのだろう. 実際,図形や色に関する理論は一般的なものだ. しかし,ユーザ・インターフェイスの一般論にまでは到達していない. また,Web インターフェイスを実際につくるにはツールや CSS などをあつかう必要があるが,そういうどろくさい部分にはいっさいふれていない. 大学の講義ではこのくらいまでしかあつかえないということだろう.
評価: ★★★☆☆
Web デザインの本はやたらにあるが,ほとんどはナビゲーションやビジュアル・デザイン中心の本だ. テキストのかきかたというと,本や論文のかきかたの本になってしまう. Web や電子書籍などのテキストのかきかたの本はほとんどない. それが,これから必要になるはずだ.
本の未来をハイパーテキストにもとめている. ブッシュのメメックスからはじめて,文章は連続だが思考は不連続であり文章中のあちらこちらの部分が複雑にからみあっている (リゾーム?!) ことを強調している. 図書館でよみきれない数の本をまえにすると,それを横断的に利用するのが当然だという. オーグメンテッド・リアリティなどをとりあげて,ハイパーリンクに仮想世界と実世界をむすぶものという機能をみている.
この本には電子書籍も登場するが,WWW についてはおどろくほど記述されていない. しかし,やはり本の未来は WWW と電子書籍とを外挿したところにあるようにおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 本の未来はどうなるか@ , 本の未来はどうなるか@Amazon.co.jp.
いまや,定年後が単なる余生だった時代ではない. 定年後しばらくは年金もないし,定年後のながい生活を計画的にのりきる必要がある. この本は定年後のイメージがまだつかめていないひとに,いろいろなアイデアを提供してくれるだろう. その一方で,すでにイメージをもっているひとには,ものたりないだろう.
評価: ★★★☆☆
この本は,日本の過去にとらわれない 「デジタル脳」 をもつネット時代の若者に,とくにその教育にもっと投資するべきだと主張している. ことばやコミュニケーション力などを強化する教育が重要だという. そこまでは同意するひとがおおいだろうが,著者はさらにデジタル革命の成果をもっと教育にいかすことを主張している. しかし,どういかせばよいかは十分明確にされていない. 慶応の塾長だった著者はこの教育改革を実践しようとしたのだろうが,塾長選挙でやぶれてしまった. 慶応ではこの主張がみとめられなかったということだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 『デジタル脳』が日本を救う@ , 『デジタル脳』が日本を救う@Amazon.co.jp.
リベリアのエレン・サーリーフ大統領,同国の平和運動家レイマ・ボウィ,イエメンのタワックル・カルマンの 3 人がノーベル平和賞を受賞した. これらのひとびとのことを私はまったく知らないといってよい. アフリカの女性というと,すぐにおもいつくのは先日死去したワンガリ・マータイくらいだ. いかにアフリカについて無知であるかを感じ,もっと知るべきだと感じる.
具体的なコンパイラづくりの本はほかにも何冊かあるが,この本は,だいたいふつうだがちょっとクセのある言語をつくっている. 比較的ページ数が多いのは,この手の本のなかではかなりアルゴリズムやデータ構造をくわしく説明しているからだ.
巻末にはソースリストがある. インターネットでダウンロードすればすむ時代にソースリストをのせる必要はないが,30 ページ弱だから,それほどじゃまになっているわけではない. もうちょっとみじかくてすむ言語仕様にすればもっとよかったとおもう. 基本はなるべくみじかくしておいて,この本の第 3 章のようにそれをいろいろ拡張してあそべるようにしておくのがよいようにおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: プログラムのしくみ@ , プログラムのしくみ@Amazon.co.jp.
金沢に 21 世紀美術館をはじめとする施設があるのは知っているが,中国各地や韓国,香港などにどういう娯楽施設があるかは知らない. こういう施設はあまりガイドブックに書いてないから,こどもづれでアジアに旅行するときには,こどもがよろこびそうな場所はないのだろうかとおもっていた. しかし,これだけゆたかになった中国などには,こどももおとなもたのしめる施設があることがこの本をみるとわかる. これからは,こどもの数も日本よりおおくて予算もある中国には,もっとたのしめる施設ができるのかもしれない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 創造するアジア都市@ , 創造するアジア都市@Amazon.co.jp.
母がコーヒーにクリープをいれる習慣になっている. そのため,ときどきちかくの商店街でクリープを買っていたのだが,最近,ついに売っている店がなくなってしまった. スーパーマーケットで売っている商品は 100% 植物性だ. どうしてこんな,まずくて健康にもわるそうなものが売れるのだろうか?
最初だけネットワークを糸電話にたとえている本はほかにもあるが,この本はさまざまなネットワークの原理を最後まで糸電話で説明しようとしている. 非常にユニークな本だ. 糸電話とネットワークとのアナロジーはかなりうまくいっている.
しかし,著者はネットワークの専門家ではなくて,かならずしも理解が十分ではないようだ. 残念ながら,ほんもののネットワークに関する説明が適切でないところがある. たとえば,「「ネットワークのネットワーク」 方式では,最終的なあて先とは別に,次に渡す人のあて先が必要になる」 こと (それじたいはただしい) の説明に MAC アドレスが 「次に渡す人のあて先」 としてつかわれると書いているが,インターネットでは 「次に渡す人のあて先」 (ネクストホップ・アドレス) も IP アドレスだ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 世界一やさしいネットワークの本@ , 世界一やさしいネットワークの本@Amazon.co.jp.
かぎられたページ数のなかでネットワーク・トポロジー (ネットワークの構造) やルーティングが比較的くわしく書かれた本だ. だが,個々の事項がバラバラに説明されていて,なぜそれが必要か,それらがどういう関係にあるのかがわかりにくいようにおもえる. 初学者に説明するにはそちらのほうが重要なのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: コンピュータネットワーク@ , コンピュータネットワーク@Amazon.co.jp, コンピュータネットワーク@GoogleBooks.
インターネット・プロトコルからインターネットのアプリケーションまで,インターネットに関することがらをバランスよく説明している. しかし,LAN に関してはほとんどふれていない.
また,OSI などの層モデルについてはわずかにふれているだけなのに,あとの章では 「ネットワーク層」,「トランスポート層」 がタイトルにふくまれていて,ちょっと面くらう. OSI やリンク層以下については他の本 (講義) にゆずるということかもしれないが,もうすこしていねいに論理をくみたててほしいものだ.
それから,節をページのはじめからはじめるために,ページの下部が白紙になっているところがおおい. 意図はわかるがあまり賛成できない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: ネットワーク工学@ , ネットワーク工学@Amazon.co.jp, ネットワーク工学@GoogleBooks.
サンマ 1 匹 100 円以下で売られているが,さしみを買うとたかい. そこで,サンマ 3 匹まるごと買ってきて,妻と協力しつつ,自宅でさしみをつくってみた. 何年かまえにもやったことがあるのだが,すでに記憶の彼方であり,ほとんどゼロから再度,挑戦した. いささか時間はかかったが,まあ,よかったのではないかとおもう.
マルチタッチのインタフェースでは,ゆびを複数本トラックパッドや画面にのせたとたんにモードがかわる. ところが,その変化が表示に反映されない. これはこのインタフェースの未熟さをあらわしているのではないだろうか.
電子工作の本というと,どういう部品を買ってどうくみたてて…というのがつぎつぎと書いてあるという印象だが,この本はずいぶんちがう.
1 章は電子ブロックでつくれるいろいろな回路について書いている. かつて電子ブロックをつかったひとにとってはなつかしいだろうが,さわったことがないひと,もっていないひとには意味のない章だ. 逆に,電子ブロックを買ったひとは,この本をよまなくてもつくれるはずだ.
2 〜 5 章は電気・電子の基礎について書いている. こちらは電子工作を (つくるのでなくて) 理解するために必要な知識だが,電子工作そのものではない.
つまり,この本は電子工作をしたいひとにとって直接やくにたつ本ではない. しかし,つくりかたばかりの電子工作の本で理解できないことが,この本をあわせて読むと理解できるかもしれない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 電子工作物語@ , 電子工作物語@Amazon.co.jp.
お金の流れが変わったから,これまでの政策は効果がないという. 日本企業などを魅力的な投資先にして 4000 兆円の海外の 「ホームレス・マネー」 をよびこみ,1400 兆円の国内の個人金融資産を使う気にさせる必要があるという. 個人金融資産をつかわせることができなければ,新紙幣の発行などの手をつかって国がそれを奪わなければならなくなるし,国債の金利がひくいのは,いざとなればそれができるとかんがえられているからだという. 疑問の点はあるが,他の本にはあまり書かれていない日本の経済・財政の危機的な状態へのするどい警告として,うけとるべきだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: お金の流れが変わった@ , お金の流れが変わった@Amazon.co.jp.
出版されてから 10 年以上たって,その後あきらかに著者がかんがえていたのとはちがう方向にすすんでいる面もある. 「コンピュータはコミュニケーションの道具にすぎない」 から 「そんなに大きな価値を生むはずがない」 というのは,それ以前のあきらかな誤解だ. しかし,「IT 革命」 が当初かんがえられていたのとはちがう方向にすすんでいることもたしかだろう. 「IT 革命というのは [中略] オールド・エコノミーが IT を導入して革新していくことをいうのだ」 ということばが引用されているが,そうではなくて 「IT 革命というのは IT 企業がオールド・エコノミーのしくみを導入して革新して」 いっていることだというのが真実にちかいのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: IT革命?@ , IT革命?@Amazon.co.jp.
横浜トリエンナーレ 2011 をみてきた. 横浜トリエンナーレ 2008 についてはこのブログで比較的こまかく書いてきたが,今回は前回より印象がうすかったので,もっとかんたんに書くことにする.
周到な準備をし,あるときは神経質なほど清潔さに気をくばりながらも,油断して体調をくずしてしまう. さまざまな魅力がありながらも,インドはこわいところだというのがよくわかる. たべものの話とエステ系の話が多い. たべものには興味があるが,それでもすこし興味がずれているので,これ 1 冊だけにしておこうかとおもう.
評価: ★★★☆☆
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著者は,アップルがアドビと対立し HTML5 を推進していることも冷静に分析している. 電子書籍やネット・テレビや,その他さまざまなメディアで HTML 風だがバラバラな言語がつかわれているが,著者はそれが HTML5 に修錬していくことを予想している. 日本メーカーの復活のカギも HTML5 だという. しかし,本の内容にも 「最終形」 というタイトルにも夢がない.
評価: ★★★☆☆
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資本主義が一神教にむすびつけられるのは普通のことだが,原発つまり核分裂によるエネルギーを核融合によるそれ,つまり太陽と同列において,一神教にむすびつけていくところは 「宗教学者」 ならではだろう. 原発にかわる第 8 次 (エネルギー) 革命が同時に一神教的な経済つまり資本主義をのりこえることにもつながるという. ひとつのかんがえかたとして理解することはできるが,妥当性があるかどうかはうたがわしい. この本は新書としてもうすいが,それは雑誌の連載を本にしたからというだけでなくて,きちんとした論理をあたえられない,よわさをあらわしているともいえるのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
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新聞連載をまとめた本だという. IT 革命と旧来の技術,著作権と引用,クローン,ロボットなど,さまざまな話題がとりあげられている. 副題にあるように著者は 「時代のテンポに翻弄され」 ているというが,ゆっくりのほうがいいノダなどといわない謙虚さがあらわれているようにおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: デジタルを哲学する@ , デジタルを哲学する@Amazon.co.jp.
著者自身の文章のあいだに勝間信者 (?!) のことばがはさまっているが,論旨とはあまり関係がないし読みたくもない. しかし,著者が書いた部分にあるおすすめの本は翻訳書が多いこととか,フォトリーディングのすすめとかは自分の読書法を反省するきっかけになった.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 読書進化論@ , 読書進化論@Amazon.co.jp.
速読の本が多数,出版されている. それに対して Web の速読をすすめる本や Web ページはあまり,みたことがない. Web のほうがあふれる情報があるのだから,速読法が発展してもよさそうなものだが,それにはいくつかの理由があるだろう.
著者はフロッグという工業デザインの会社でいろいろな会社とのコラボレーションをしてきた. そのなかでもとくにアップルのスティーブ・ジョブスとのすばらしい経験について書いている. その一方でまちがった方向に向かった会社についても書いている. ジョブスを追い出したアップルや,出井時代のソニーでおこったこと,デル,クライスラーなどなど. ジョブスとのコラボレーションをみても,フロッグという会社が現在の工業デザインの有力な方向を示しているといえるのだろう.
評価: ★★★★☆
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タイトルからは概説書であるような感じをうけるが,内容はかなりしぼられている. 1 章,2 章では日本人や日本のマスコミがアフリカを誤解している,ただしくつたえていないと主張している. これだけで半分以上のページをつかっている. 誤解していることを知るのは重要だが,だからといって不適切な内容のテレビ番組をつるしあげるのに何 10 ページもつかう必要があるともおもえない.
3 章はアフリカの政治・経済について書いていて,この本のなかで一番,情報がある. 小泉元首相がアフリカ外交にちからをいれていたこと,しかしそれを日本の常任理事国いりにつなげることができなかったことなどが書かれている. 4章は日本がアフリカからまなぶものがあるかどうかがテーマだが,これはむしろ不毛なテーマだとおもえる. この章もあまり情報がない.
結局,興味をひかれる部分はあるものの,全体としては不毛な本だと結論せざるをえない.
評価: ★★☆☆☆
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「図で考えよう」 という本が多いなかで,この本は考えるときは図でなく 「言葉にする」,理解するときは 「絵」 にすることをすすめている. 考えるときは文字を書くだけでも思考がさまたげられることもあるが,さらに手間がかかる図や絵はすくなくとも自分には向かないとかんがえてきた. だから,この本には納得する. 理解する,あるいはまとめるときには,箇条書きだけでまにあうこともあるが,絵というか図にするのはひとつの方法だ. 他人に理解させるにも図が必要になる.
この本では考えるときどうすればよいか,理解するときや他人を説得するときにどういう図や絵を書くのがよいかをまとめている. うまくまとめているので,ひととおり読むにも時間がかからないし,必要なときにこの本のなかから必要な情報をすぐにさがしだせるだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 思考ツールの教科書@ , 思考ツールの教科書@Amazon.co.jp.
2 〜 3 のコワ〜い話なら,あちこちにころがっているが,「よくこれだけ」 というくらいの数の話をあつめている. 大半は実名やくわしい状況などが書いてないから,ホントの話かどうかもよくわからないが,ひっかからないためには知っておくとよいだろう. とくに,うっかりプライベート情報を書いてしまうと,どれだけこわいことがおこりうるかがわかる.
評価: ★★★☆☆
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タイトルは魅力的だ,夢のある話がいろいろ書いてあるにちがいない,そうおもって読んだのだが… しかし,内容のおおくは現在すでに実現可能なものや,まだないが延長線上のものがおおい. 魅力を感じるような建築のイメージはみあたらない. iPhone でもいじっているほうが,あたらしい発見があるだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: ユビキタスは建築をどう変えるか@ , ユビキタスは建築をどう変えるか@Amazon.co.jp.
家をたてるときの,おとしあなの数々. 極端な話があつめられているともいえるが,これから家を買おう,たてようというひとは,ゼネコンの作戦にだまされないためにも,知っておくとよいだろう. しかし,この本には悪い話,ひっかかりやすい話はたくさん書いてあるが,それではどうすればほんとうに 「いい家」 がたてられるのかはあまり書いてない. それを知るにはほかの本をさがす必要があるだろう.
評価: ★★★☆☆
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NHK スペシャル 3 回分の内容を出版したものだ. 最近アフリカでおこっていることのスナップショットであり,話題はかぎられているが,アフリカにふるいイメージをもっているひとにはインパクトがあるだろう. 番組をみたひとはこの本を読むことによって短時間でその内容をおもいだすことができる. 写真も何枚かあるが,やはりビデオでみるのにくらべるとかぎられた情報しかつたえられない. みていないひとはビデオがみられればそのほうがよいだろう.
評価: ★★★☆☆
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「既存の商店街にはプライバシーがなくて,うっとうしい. だから 「コミュニティ」 はいらない」 と著者はいう. 商店街の側あるいはそれを支援する議員などは 「コミュニティ」 をつくりたがるが,顧客はそれをもとめていないという. そうかもしれないが,根拠はほとんどしめされていない. あげられている例はやくにたつかもしれないが,説得力はとぼしい.
評価: ★★★☆☆
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