読書法 アーカイブの説明
このカテゴリーには読書法などに関する話題をあつめています. 上位のカテゴリーは知的生産とリテラシーです.
なお,このページは 読書法 アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2008-09-11 01:11:45 です).
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ここでは,私が必要にせまられて速読するようになってきたということについて書きます. といっても,速読について書いている本や文章はやまほどあって,それにつけくわえることはあまりありません. また私自身は速読法をならったり,それに関する本を読んで,それにならっているというわけではありません. 読みたい本が山ほどあるので,必要にせまられて,自分で速読をこころみているようなわけです. それから,「論文コピーとりまくり」 に書いたように,論文のコピーもやまほどあって,これもできるだけはやく読む必要がありました.
古書をめったに買うことがなかった私は,ここ数年,買う本の半数以上を古書にたよるようになりました. この革命的なできごとをもたらしたのは,ほかでもない Amazon.com です. 新刊書も Amazon で買うことがおおいのですが,それゆえ,古書もここで買うことがおおいわけです.
むかしから,ちまたにはいろいろな速読法があります. 私も自分がどのように速読しているかを 「速読のための訓練」 に書きました. おおくの速読法においては 「一度に多くの文字を見る」 のが秘訣とされています. たとえば 徳永 基 は 「誰でもできる科学的速読法」 にそのことを書いています. それはたしかに納得のいく話ですが,あまりインパクトがありません. しかし,「SRS (Super Reading System) 速読法」 を開発した 栗田 昌裕 は通常の読書法が 「音の読書」 であるのに対して SRS 速読法は 「光の読書」 だと書いています (「1分間に1ページの読書しかできない理由」). 速読をこころがけているものにとっては音読しないことは当然ですが,一般人にうったえかけるには 「光の読書」 ということばはインパクトがあるようにおもいます.
私は新刊書を買うのにもほとんど Amazon.co.jp か BK1 をつかっています. ここ 10 年くらいのあいだに BK1 の周辺ではいろいろな変化がありましたが,それにどう対応して新刊書をえらび,買ってきたか,書いてみたいとおもいます.
私は,以前はいろいろ本を読んでもその内容をすぐわすれてしまうことがおおかったようにおもいます. しかし,最近はとくに印象的な本を中心として “書評” をブログに書き,それを Amazon (アマゾン) と BK1 (ビーケーワン) にものせています. こうすることで,ある程度記憶が定着するし,わすれたときには自分が書いた “書評” をみればさらにおもいだします. つまり,Web / ブログ を利用して読書を活性化しているわけです.
最近,頻繁に Amazon.co.jp と BK1 とに書評を投稿しています. 読んだ本すべての書評を書いているわけではないが,半分以上は書いているでしょう. いまそれをみて,ほとんどが日本人が書いた本だということに気づきました. 今年 5 月以降に書いた書評 48 のうち外国人が書いた本の書評は 3 つだけです. なぜそうなったのか,すこし理由をかんがえてみます.
いくつかの項目で速読のことを書きました (「速読のための訓練」,「「光の読書」 としての速読」). しかし,いつでもおもったように速読できるわけではありません. それどころか,文を何度くりかえし読んでも頭にはいってこないときというのもあります. そういうときは読書をあきらめるにかぎります.
経済評論家の 勝間 和代 は 「効率が 10 倍アップする新・知的生産術」 という本を書いていますが,そのなかで 「読書投資法」 の 1 項目として 「本を読む時は速読スキルを含め,スピード最優先. 線引きやまとめ書きなど面倒なことはしない」 というのをあげています. 私も速読はこころがけていますが,この項目の後半にはインパクトがありました.
「本を読む時は線引きやまとめ書きなどしないという徹底した読書術」 にも 勝間 和代 と私との本のよみかたのちがいについて書きましたが,もうひとつ,本のあつかいについても勝間と私との共通点と相違点が対比的でした.
本や雑誌を買うと,当然のことながら,捨てなければどんどんたまっていって,居住スペースを圧迫するようになります. その問題に対する解決策はひとによってちがいます. なるべく本を買わないようにするひと,どんどん買うけれども読みおわったらすてるひと,どんどん買って,たまっても気にしないひとなど,さまざまです.
「速読のための訓練」 という項目に,私の読書のはやさについて書きました. 「「光の読書」 としての速読」 という項目には,SRS 速読法という超高速 (光速 ?!) な読書法について書きました. この読書法では 1 分間に 1 万字くらいを目標としているようですが,私自身はそこまではやくしようとはおもいません. それは,よほど体調をととのえないとそんなにはやくはよめないということもありますが,より重要な理由は,そんなに高速に読むとかんがえるひまがなくなるということです.
速読法にしたがって本の内容をはやく吸収することより,自分の目的にあう部分だけを読むことをすすめている. また,「読書でいちばん大切なことは,「考えること」 なのです」 といいきっている. しかし,ひとりよがりな読書をすすめているわけではなくて,どんな本でも読むようにすること,ふだんは読まない本をよむことなどをすすめている. 私には共感する点がおおかった.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: インテリジェンス読書術@ ,インテリジェンス読書術@Amazon.co.jp.
本を買うとき,Amazon.co.jp (アマゾン) と BK1 (ビーケーワン) とをつかわけている. あたらしい本を買うときはたいてい BK1 をつかい,古書を買うときは Amazon をつかっている. そうしている理由は,Amazon ではあたらしい本と古書とをほぼ同時に検索できること,あたらしい本は BK1 のほうが割引されることである. また,新刊書の検索にはおもに BK1 をつかい,それ以外の本をあれこれ検索するには Amazon をつかっている. Amazon と BK1 をくみあわせてつかうことによって,いろいろな利点がある. ここに書いたことはあらかた 「新刊書の買いかた ― ネット中心の 10 年の経験」 という項目に書いたのだが,その後かわった点もあるので,もうすこしくわしく書いてみたい.
「ひと月に 50 冊 本を読む方法」という副題がついている. 200 冊とかでなく 50 冊であるところが重要だ. つまり,ただはやく読むだけでなく,目的に応じてさまざまな読みかたができるように訓練する方法を紹介している. 視線移動の訓練法などが具体的に紹介されている.私自身はまだ,こころみていないが,よさそうにみえる.
ただ,速読のための例文としてとりあげられているのが夏目漱石の 「こころ」 だったり,寺田寅彦随筆集だったりするのだが,おおくのひとにとっては速読したい本はもっとあたらしい本なのではないかとおもう. いささか,違和感があった.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: すごい速読術@ ,すごい速読術@Amazon.co.jp.
奥野 宣之 の 「読書は 1 冊のノートにまとめなさい」 という本を読んだ. そもそもノートをつける気はなかったのだが,ブログや Amazon, BK1 をつかった自分の方法と比較したかったから読んだのである. すくなくとも自分にはいまつかっている方法があっていることを,あらためて確認した. この方法がほかのひとにどこまでつかえるかはわからないが,すくなくとも奥野の方法よりこのほうがあっているとおもうひとはいるだろうとおもう.
本を読んでえた情報も,読みたい本に関する情報も,みな 1 冊のノートにまとめることをすすめている. ひとつにまとめることで,あつかいやすくなるのはたしかだろう. しかし,著者もすべてをこのノートでまにあわせているわけではなく,書店で買いたい本は 「探書リスト」 というべつの紙に書き,検索にはアマゾンやセブンアンドワイをつかうという.
それなら,ブログやアマゾン,BK1 の書評欄を読書ノートとしてつかい,それらの保存用カートを 「探書リスト」 としてつかう私のやりかたでも,おなじようなことができる. このほうが読書ノートを検索しやすいし,とくに BK1 では書評にすばやくフィードバックがかえってくるので,書きがいがある. もちろん 「探書リスト」 の本をすぐに発注することができる.
評価: ★★☆☆☆
「ブログや Amazon を読書メモとしてつかう」 という項目に,本を読んだときに感想や要約を 「読書メモ」 としてブログや Amazon, BK1 の書評に書いているということを書いた. 以前は,本を読むときも漫然と読み,その内容をわすれてしまうことがおおかったが,書くようになってからは意識して読むようになり,「Web / ブログ で活性化される読書」 にも書いたように,記憶にものこるようになった.
いくつものミリオンセラーをだした編集者が,自身の 「読む技術」 を紹介している. 1 日 30 分の読書時間をつくることをすすめ,速読や精読でなく多読をすすめている. また,ペンやマーカーをもって本を読み,重要とおもった文章を書き写すことをすすめている. 「あなたは本当に読めているか?」という章では 「読解力」 をためす問題がならべられているが,この部分は疑問がおおい. 「次の文章で論理的に正しいものはどれか」 という問題では,そもそももとの文章が論理的でないので,正誤がこたえづらい. とはいえ,読者はこの本のなかのどこかで,自分にやくだつものをみつけることができるだろう.
評価: ★★★☆☆
内山 悟志 著 「名前だけの IT コンサルなんていらない」 という本には,「脳を活性化させる 「多読」 のススメ」 という,かこみがある (p. 82). そこには,つぎのようなことが書かれている. 本の著者は 「どんなに知識や経験を注ぎ込んでも,12 万文字 [1 冊分] が埋められない場合があります. そんなときは,一般的に著者は 「水増し」 をします. つまり,書籍のテーマとはある程度関連するが本題ではなく,参考程度の情報を付け加えるのです. 水増し部分を見極めることができたら,その部分を読み飛ばせるため,多読も容易になってきます.」 いわれてみればそのとおりだが,かんがえたことがなかったし,こういう話を読んだこともなかった. これは達見だといってよいだろう.
「ソフトシステム論」 にもとづく文章,図表,統計,百科事典,年表,Web など,さまざまなメディアの読みかたについての本である. MBA の授業をまとめた本ということであり,知識としてえられるものはすくなくない. しかし,この本からえられる知識だけで 「読む」 ための実践的な技術が身につくとはおもえない. A5 版 280 ページくらいの本だが,内容のひろさのわりにページ数はすくないので,「広く浅く」 という感はまぬがれない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 「読む」技術@ , 「読む」技術@Amazon.co.jp.
妹尾 堅一郎 の 「「読む」 技術」 には,文章や通常の図表の読み方ももちろん論じられているが,特徴的なのは百科事典と年表の読み方が論じられていることである. 私はちょうど Wikipedia の年代軸検索のプログラムを開発したところなので,とくにここに興味をひかれた.
テレビ,本,携帯電話など,さまざまなメディアにおける議論の問題点を具体例でしめしている. 本としては 「ゲーム脳の恐怖」 がとりあげられ,「論述が誤りを多く含んでいるということと,主張が誤りだということは直結しない」 とことわりながら,そこにふくまれるさまざまな 「虚偽論法」 を分析している. アマゾンにおける批判的な書評も具体例があげられている. 著者にとってみれば格好の材料だったのだろうし,ゲームがすきな多くのひとをよろこばせることになっているようだが,この本からばかり例をあげるのが適切だったのかどうか,疑問を感じる.
携帯電話に関してはペースメーカーなどの医療機器に影響をあたえるかどうかという問題がとりあげられている. 総務省の 「平成 14 年度報告」 がとりあげられて,その 「矛盾」 が指摘されている. しかし,実はここには論理的な矛盾があるわけではなく,「安心」 (引用されたことばとしては 「不安」 の解消) をめざした調査を 「安全」 とよみかえて延々と議論しているのはいささか珍妙だ.
このように疑問点もいろいろあるとはいえ,えるところが多々ある本であることもたしかだ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 議論のウソ@ , 議論のウソ@Amazon.co.jp.
書評をこのブログに書くとともに,Amazon.co.jp と BK1 とにのせてきた. 最初は 1 冊 3 行,書く時間は 15 分を目標にしてきたが,最近では 1 冊 6 行,時間は 20 分くらいになっている.
速読訓練のための実践的な本である. 本のなかに 15 ページにわたって同一のパターンが印刷された 「トレーニング・シート」 まで,はいっている. あらかじめ印刷されていれば便利ということなのだろうが,コピーをとるなり,Web から印刷したりするほうがよさそうにおもえる.
不満な点としては,それぞれのトレーニングがどれだけ効果があるかわからないことがある. もっとも,効果を評価する方法はあたえられているので,やってみて効果をたしかめればよいのではあるが…
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 新書1冊を15分で読む技術@ , 新書1冊を15分で読む技術@Amazon.co.jp.
会社が国分寺から戸塚に移転した. ひっこしたひとももちろんいるが,私自身はこれまで何度も自宅から戸塚にかよったことがあるので,おどろくこともなかった. しかし,そうはいっても通勤時間はのびるし,新宿,渋谷という混雑する場所をとおらなければならない. 混雑する電車のなかでは文庫や新書をひろげるのがやっとであり,読める本の種類がかぎられることが一番のデメリットかもしれない.
最近は 「自炊」 つまり断裁機とスキャナをつかって自分の蔵書を電子化するひとがふえていて,アンケートをとると 「自炊」 した経験があるひとが 20% 前後いたというが,著者は 9 年前からそれを実行してきたという. だから,この本には 「自炊」 のしかたはもちろんだが,紙ではできなかったいろいろな利用法や,iPad などに多数の本を収容したときのつかいかたや課題など,他の著者では書けないことがいろいろある.
評価: ★★★★☆
著者自身の文章のあいだに勝間信者 (?!) のことばがはさまっているが,論旨とはあまり関係がないし読みたくもない. しかし,著者が書いた部分にあるおすすめの本は翻訳書が多いこととか,フォトリーディングのすすめとかは自分の読書法を反省するきっかけになった.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 読書進化論@ , 読書進化論@Amazon.co.jp.
速読の本が多数,出版されている. それに対して Web の速読をすすめる本や Web ページはあまり,みたことがない. Web のほうがあふれる情報があるのだから,速読法が発展してもよさそうなものだが,それにはいくつかの理由があるだろう.
会社のかえりには湘南新宿ラインに戸塚から新宿までのっているが,きょうは京浜東北線の人身事故のために電車に約 1 時間,かんづめにされた. そこで iPhone をとりだしたのだが,App Store はうまくつかえないし,Kindle には本をダウンロードしていなかった. これからはここに Kindle 本をいれておくこにしよう.
文章からそれを構成している論理をよみとる訓練をするための入門書だ. 諸外国では重視され学校でも訓練されているが,日本ではなおざりにされている種類の訓練だ. この本 1 冊では十分な訓練ができるとはいえないが,まず読むにはよいだろう. 帯には 「なぜ読解力がつかないのか?」 とあるが,日本でいう読解力はむしろ論理をよみとることではないとかんがえられるから,誤解をまねく表現だろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: クリティカル・リーディング@Amazon.co.jp.
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