スティーブ・ジョブス (Steve Jobs) は今年 1 月 9 日の Macworld San Francisco (マックワールド・サン・フランシスコ) において,iPhone (アイフォーン) に関して 「電話を再発明する」 という表現をつかったということです. しかし,voiscape (ヴォイスケープ) というあたらしいメディアによって電話のインタフェースを根本的にかえることをめざした私からすれば,iPhone ははるかに保守的であり,「電話を再発明する」 ということばをつかうのが適当だとはおもわれません.
iPhone がやっていることは,マルチタッチなどのあたらしいユーザインタフェース技術をとりいれることによって,従来の電話のユーザインタフェースをちょっと便利にしているだけのことです. アップルのセンスがそこにいかされていて,他社にはまねのできないものをつくっていることはたしかですが,遠隔通話ができなかった状態から Graham Bell (グラハム・ベル) らがそれを可能にしてまったくあたらしいユーザインタフェースをきずいていった電話の発明にくらべれば,とるにたりない出来事といってよいでしょう. すでに開発した voiscape プロトタイプのインタフェースが解だとはいいませんが,電話を “再発明” するには,iPhone とはちがった根本的な改革が必要だとおもいます.
関連項目 (2008-7-27 追記):