ユーザおよびサービスの登録機能・発見機能に関する調査結果
ユーザの登録法,サービス提供者,サービスまたはアプリケーションサーバの登録法,通信相手および通信中継者の発見法に関する調査結果について記述する.
ユーザの登録法,サービス提供者,サービスまたはアプリケーションサーバの登録法,通信相手および通信中継者の発見法に関する調査結果について記述する.
DNS (Domain Name System, ドメイン名システム) はインターネットにおけるコンピュータのホスト名やドメイン名と IP アドレス等とのマッピングを管理するシステムである. ホスト名やドメイン名だけでなく,Web サーバ,SIP サーバや他のさまざまな資源の検索のためにも使用することができる.
Dynamic Delegation Discovery System (DDDS) は 2002 年 10 月に発行された IETF 標準 RFC 3401~RFC 3405 によって規定されている.RFC 3401 によれば,DDDS とは動的に検索された文字列変換規則 (書き換え規則) をアプリケーション固有の文字列に適用する抽象的なアルゴリズムである.しかしながら,この記述では DDDS の意味を理解するのは困難である.DDDS はインターネット上におけるサービスやオブジェクトのアドレス (名前) を指定してその場所 (IP アドレスなど) を求めるためのシステムであるが,そのために文字列書き換えの技術を使用している.
SIP およびプレゼンスに関する SIP 拡張である SIMPLE における登録と発見の機能についての調査結果を記述する.
Service Location Protocol (SLP) は IETF のドキュメント RFC 2165 (初版,J. Veizades, E. Guttman, C. Perkins, S. Kaplan: Service Location Protocol) および RFC 2608 (改訂版,E. Guttman, C. Perkins, J. Veizades, M. Day: Service Location Protocol, Version 2) によって標準化されたサービス発見のためのプロトコルである.
Jini (http://www.sun.com/jini/) は Sun Microsystems 社が Java の API として提供しているネットワークサービスのためのアーキテクチャである.
Salutation アーキテクチャは,Salutation コンソーシアム (http://www.salutation.org/) によって制定された,ネットワーク上で機器やサービスが自発的に設定をおこなうためのアーキテクチャである.
UCB (University of California Berkeley) における Ninja 研究プロジェクト (http://ninja.cs.berkeley.edu/) の成果の一部として,SSDS (Secure Service Discovery Service) がある.SSDS は,信頼性,スケーラビリティ,セキュリティなどの点において,先行する様々なサービス発見プロトコルを改良することによってえられたサービス・アーキテクチャである.
UPnP (Universal Plug and Play, ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ) は Microsoft 社と UPnP フォーラムから提案されたネットワーク上でのピア・トゥー・ピアのサービス共有のためのアーキテクチャである.
Bluetooth コンソーシアム (http://www.bluetooth.com/) によって 2001 年 6 月に規定された Bluetooth (Specification of the Bluetooth System Version 1.1) は数メートル程度の短距離無線通信のための技術である.Bluetooth の仕様は様々のプロトコルを含んでいるが,そのなかにサービス発見のためのプロトコル SDP (Service Discovery Protocol, サービス発見プロトコル) がある.
CORBA はネットワーク上に分散したオブジェクト間でメッセージを交換することによって分散的な計算をおこなうための基盤である.CORBA は OMG によって開発されたが,その核となる仕様書は Common Object Request Broker Architecture (CORBA/IIOP) であり,2003 年 9 月現在は 2002 年12 月に公開された版 3.0.2 (http://www.omg.org/technology/documents/formal/corba_iiop.htm) が最新版である.この CORBA/IIOP の周辺に様々な CORBA サービスが定義されているが,そのなかに名前づけサービスとトレーディング・オブジェクト・サービスがある.
UDDI (Universal Description, Discovery and Integration) は Web サービスを記述し,発見し,組み合わせるための仕様であり,IBM 社や Microsoft 社が中心となって構成された uddi.org によって規定された.
「セッション」という用語は未定義のまま使用されていることがおおく,調査において定義をみつけることは困難だった. ここでは,通信者間で通信状態を保管したままおこなう一連のメッセージ交換の全体を意味する用語としておく.
SIP (セッション確立プロトコル,Session Initiation Protocol) は IETF において標準化されたセッション制御のためのプロトコルである. ここでは SIP の概要からはじめて,ユーザなどの識別につかわれる URI,メッセージの構造や種類,標準的なシーケンス,SIP サーバの役割と標準的な構成,SIP におけるトランザクションと対話の概念,SIP の API,Cisco SIP Proxy Server について説明する.
H.323 はオーディオ,ビデオやその他のデータによる,IP ネットワークを含むパケット・ネットワークにおけるマルチメディア・リアルタイム通信に関する ITU-T の勧告 (標準) である. そのための要素,プロトコルおよび手続きを記述している. LAN から WAN までの様々なネットワークにおいて,オーディオだけ,オーディオとビデオ,オーディオとデータなど,様々なマルチメディア・データの組合せにおいて使用することができる.
リアルタイム・ストリーミング・プロトコル (Real Time Streaming Protocol, RTSP) は IETF において標準化されたリアルタイム性のあるデータの配布 (ストリーミング) を制御するためのプロトコルである. ここでは RTSP について説明したあと,RTSP がもたない巻き戻し,早送りの機能についても論じる.
HTTP (HyperText Transfer Protocol) は IETF において標準化された WWW (World Wide Web) におけるデータ転送のためのプロトコルである. HTTP は基本的にサーバが状態保持しない (stateless) プロトコルだが,データベースなどを使用する Web アプリケーションにおいては状態保持が必要だったため,そのためにいわゆる cookie とよばれる機構が Netscape 社によって導入された. Cookie を使用することによって状態を管理し,“セッション” を維持することが可能になる.
簡易メール転送プロトコル (Simple Mail Transfer Protocol, SMTP) は IETF において標準化されたメール転送のためのプロトコルである. ここでは,SMTP が最初に標準化された RFC 821 から約 20 年をへた改訂版 RFC 2821 の内容を中心として,SMTP に関する調査結果について記述する.
SMTP (簡易メール転送プロトコル) のセキュリティ機能の概要をしめし,関連する IETF の各ドキュメントの調査内容について述べる.
IntServ (Integrated Services, 統合サービス) アーキテクチャはオンデマンドで個別の通信フローごと (per-flow) にネットワーク資源を確保し QoS を保証するためのサービス・アーキテクチャである. IntServ においては RSVP (Resource ResSerVation Protocol, 資源予約プロトコル) を使用して通信帯域などのネットワーク資源を確保する.
SIP を使用した通信においては,SIP サーバがセッション確立を把握することができるし, SIP を使用してセッション条件が変更される際にもそれを把握できるが,接続がきれたときにそれを把握する機構がない. そこで,2003 年 10 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-ietf-sip-session-timer-12 (S. Donovan, J. Rosenberg: Session Timers in the Session Initiation Protocol (SIP)) においては,SIP に keep-alive 機能を導入することによってその把握をはかっている.
2003 年 2 月に発行された情報的 RFC である RFC 3487 (H. Schulzrinne: Requirements for Resource Priority Mechanisms for the Session Initiation Protocol (SIP)) においては,SIP を使用した緊急通信のために SIP メッセージにおいて優先度を指定する機構に関する要求が記述されている. これにもとづいて,2003 年 7 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-ietf-sip-resource-priority-01 (H. Schulzrinne, J. Polk: Communications Resource Priority for the Session Initiation Protocol (SIP)) においては,SIP メッセージに Resource-Priority: と Accept-Resource-Priority: という 2 種類のヘッダを新設することによって優先度の記述を可能にしている.
2003 年 10 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-sparks-sipping-load-00 (R. Sparks: SIP Load Management) においては,SIP メッセージのネットワーク負荷の管理に関するドラフトである. 高負荷のときにとるべき方法として,503 応答 (Retry-After) とリダイレクションとがあげられている. 前者はそのホップにおけるすべての要求をとめるが,後者は特定の URI だけに適用される. これらには満足できないので,あたらしい機構として,THROTTLE 要求を使用するものなどをかんがえているが,まだとじていない.
2003 年 10 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-ietf-sip-congestsafe-02 (D. Willis, B. Campbell: Session Initiation Protocol Extension to Assure Congestion Safety) においては,輻輳を避けるための SIP の拡張に関して論じている.
[以下は 2003 年の時点での記述である.]
ポリシーベース管理 (policy-based management) はポリシーによってコンピュータ・システムやネットワークを管理する技術である.
[以下は 2003 年の時点での記述である.]
ポリシーの相互運用性を確保するには,それをデータベースに格納する際の情報モデルの標準化が重要である. DMTF (Distributed Management Task Force) や IETF (Internet Engineering Task Force) のポリシー・フレームワーク・ワーキンググループ (以下ポリシー WG とよぶ. 現在は活動停止中) を中心として標準化がおこなわれてきた.
[以下は 2003 年の時点での記述である.]
QoS に関する情報モデルとスキーマは IETF のポリシー・フレームワーク・ワーキンググループ (以下ポリシー WG とよぶ) において標準化がすすめられてきた. すなわち,QoS ポリシーの情報モデルに関しては,その高水準のモデルが QPIM (Policy QoS Information Model) として,2003 年 11 月に発行された RFC 3644 (Y. Snir, Y. Ramberg, J. Strassner, R. Cohen, B. Moore: Policy Quality of Service (QoS) Information Model) において標準化された.
[以下は 2003 年の時点での記述である.]
IPsec ポリシーに関しては,以下に示す内容の標準化作業が,IETF の IP Security Policy WG (IPSP WG) を中心として行われている.
[以下は 2003 年の時点での記述である.]
アクセス制御は研究もさかんにおこなわれ,ファイアウォール,データベースや WWW の利用者や利用範囲の限定などという実用的な目的でも広く使用されている. それにともなって,ポリシーに基づくアクセス制御も様々のアプリケーションにおいて試みられている.
ネットワークの運用に関するポリシーにもとづく決定の要求や配布の方法に関して,そのためのプロトコルである COPS を中心としてのべる.
2003 年 4 月に発行された情報的 RFC である RFC 3521 (L-N. Hamer, B. Gage, H. Shie: Framework for Session Set-up with Media Authorization) においては,SIP を使用したセッションにおける資源の管理 (認可など) をポリシーに基づいて行う方法について記述されている.
ここでは通信セッションを確立する際に必要なユーザの登録,サービス提供者,サービスまたはアプリケーションサーバの登録,および通信相手や中継者の発見などの際の DNS (Domain Name System, ドメイン名システム) や DDDS (Dynamic Delegation Discovery System) の使用に関して検討する.
NGN (Next Generation Network, 次世代ネットワーク) とは,通信キャリアが従来の電話網にかわるものとして構築しようとしている,インターネット・プロトコル (IP) にもとづくネットワークである. ここではその背景を中心として NGN について説明する.
NGN (次世代ネットワーク)に関連する標準化組織とその活動状況についてのべる. NGN の標準化をおこなっているのは ETSI, ITU-T であるが,関連するプロトコル等の標準化のながれは基本的にはまず IETF がもとになる標準をさだめ,それをうけて 3GPP,ETSI (TISPAN),ITU-T がほぼこの順で標準化をすすめるという順序になっている. ただし,個々の標準のなかにはこれとことなるものがある.
NGN (次世代ネットワーク) は従来の電話網やインターネットにないおおくの特徴をもつあたらしいネットワークである. これらの特徴すなわちパケットベースであること,端点間 QoS 保証をおこなうこと,固定網と移動網の融合 (FMC) をはかること,中心的なプロトコルとして SIP を採用していること,3GPP の IMS を基本としていることについて,それぞれかんたんに説明する.
NGN (次世代ネットワーク) が提供する代表的なサービス,すなわち PSTN / ISDN エミュレーション,PSTN / ISDN シミュレーション,マルチメディアサービス,ストリーミングサービス,ユビキタスサービス,インターネットアクセスなどについてかんたんにのべる.
ここではまず従来の意味での QoS すなわち客観的に測定できる遅延,ジッターなどの通信品質についてのべ,つぎにその本来あるべき意味すなわち人間の主観的な評価をとりいれた品質について検討する.
(次世代) インターネットにおいてなぜ QoS 保証が必要か,その最大の理由を輻輳にもとめて,電話網と比較しながら,また,あたらしいニーズとの関係においてのべる.
IntServ と RSVP においてのべたように,RSVP (Resource ReSerVation Protocol, 資源予約プロトコル) にはスケーラブルでないことなど,いくつか問題点がある. そのため,RSVP にかわるべきいくつかのプロトコルが提案されてきた. ここではそれらのプロトコルについて説明する.
NGN (次世代ネットワーク) のアーキテクチャの概要については ETSI [ETS 05] などに記述されている. ITU-T においてしめされた NGN のアーキテクチャを図 1 に図示する. この図にしたがって,以下このアーキテクチャを説明する.
NGN (次世代ネットワーク) における QoS 保証について,とくに端点間 (end-to-end) で保証することなど,インターネットにおけるそれとのちがいに重点をおきながら説明する.
NGN (次世代ネットワーク) に関係する通信フローのいくつかの QoS クラスへの分類法についてのべる. 3GPP における分類,ITU-T Y.1541 における分類,IETF TSVWG における分類をとりあげる.また,関連する研究についてものべる.
NGN (次世代ネットワーク) において呼がバックボーン網を経由するときの端点間 QoS 保証法についてのべる.
NGN (次世代ネットワーク) におけるセッション確立時にどのようにして QoS に関する要求をあつかうかについて説明する.
ある音源が発する音が人に方向感をおこさせるおもな要因はつぎの 2 つだといわれている.
頭部伝達関数の概要とそれによる IID, ILD の「前後・上下のくべつができない」という問題の解決,頭部伝達関数を使用した 3D 化のさまざまな計算法,頭部伝達関数の測定についてのべる.
3D オーディオにおける音源の距離を表現する方法についてのべる.
残響 (reverberation) の計算法についてのべる. 残響のシミュレーションは音楽をよりよくきかせたり,部屋の雰囲気をだすためにおこなわれることがおおい. しかし,頭内定位を解消して音に距離感をあたえるためにも残響が有用である.
被験者の頭のうごきは方向感・距離感に影響をあたえうる. 頭を固定したままでは前後や上下の方向はまちがえやすいが,頭をうごかすことによってそれらを明確に区別することができる. また,被験者がうごかなくても,音源が移動することによって方向を確認できるばあいがある [Beg 00].
M. Benedikt によるサイバースペースの原理についてのべる.
Benford らによる共同作業などのための仮想環境 DIVE と,Greenhalgh らによる共同作業などのための会議システム MASSIVE における相互作用 (インタラクション) のモデルについてのべる.
さまざまなビジネスコミュニケーションの分類をこころみる.
オフィスワークに関するさまざまなトレンドを分析し,そこから発生する課題やそれに対する従来の解決策についてのべる.
開放型コミュニケーションについての考察において欠かせない概念としてソーシャル・キャピタルがある. Put-num は 「ソーシャル・キャピタルとは,社会組織における社交ネットワークや規範,社会的信頼といった特徴で,互いの利益にむけた調整や協力を促進するもの」 だと説明している [Coh 01]. この項目においては Cohen ら [Coh 01] によるソーシャル・キャピタルとそれをはぐくむコミュニケーションや交流に関して紹介し分析する. なお,Cohen らによるソーシャル・キャピタルの分析は多岐にわたっているが,本文ではオフィスワーク向け情報通信技術により関係がふかい部分を中心にとりあげ,他の部分については付録においてのべる.
この項目においては,オフィスワークに関するトレンドの項目 でのべたような変化したオフィスワークを支援するための方法や手段を,オフィス・コミュニケーション,そのなかでもとくに音声コミュニケーションに関するものを中心としてしめすとともに,それらに関する課題を分析する.
あたらしいオフィスワークをささえる方法・手段とその課題においてのべた課題を情報通信技術 (ICT) によって解決する方法についてのべる.
物理的なオフィスや法律的な会社組織にしばられない “仮想の組織” を支援するツールやミドルウェアなどに関する従来の研究についてのべる.
閉鎖型コミュニケーションについて,とくに (広義の) 会議について,おもに文献にもとづいて分析する. 会議をとくにとりあげる理由は,それがビジネスコミュニケーションのなかで非常に重要なものだと認識されているからである.
会議室内で使用されるメディアをリストアップし,それらについて論じる. [未完]
遠隔会議メディアを分類し,分析する.
ビジネス・コミュニケーションの分類の項目で定義した開放型コミュニケーションを中心とし,半開放型までふくめたコミュニケーションについて分析する.
この “ブログ” には情報通信技術を中心とする各種のみじかい調査結果や解説をとりあげる. ここには基本的にオリジナルな研究開発成果はふくまない (したがって,私が所属する組織の秘密情報を漏洩しているようなことはないはずである) が,定説にはなっていない著者などの意見や見解をふくむばあいもある. この点で百科事典のような (Wikipedia のような) 出版物とはちがいがある.