voiscape アーカイブの説明
このカテゴリーには voiscape という開発中のあたらしいコミュニケーション・メディアに関する話題をあつめています. 上位のカテゴリーは言語・コミュニケーションとネットワーキングです.
なお,このページは voiscape アーカイブ の先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2008-10-21 22:24:50 です).
このカテゴリーには voiscape という開発中のあたらしいコミュニケーション・メディアに関する話題をあつめています. 上位のカテゴリーは言語・コミュニケーションとネットワーキングです.
なお,このページは voiscape アーカイブ の先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2008-10-21 22:24:50 です).
90 年代にはいくつかの会社がパソコンのために 3D 機能つきのサウンドシステムを開発しました. しかし,A3D という 3D サウンド API を開発した Aureal Semiconductor 社をはじめとして,そのおおくは解散するか,あるいは現在のこっていても規模はちいさいままです. ゲームなどで 3D グラフィクスはさかんにつかわれてきましたが,3D 音響はほとんど注目されないままです.
「失敗談を書く場所」 や 「プログラム部品化の失敗例」 で失敗談を書いてきましたが,ここでは信号処理に関する失敗談を 2 つ書きます.
あふれる情報のなかから,ほしいもの,必要なものをどうやって選択するかということは,情報化がすすんだ現代におけるおおきな課題です. 情報の選択のしかたとして,「情報源の選択 -- “ひと” の選択を中心として」 に書いたように情報源を単位として選択するやりかたがあります. 情報源というのは,特定のひと,特定の新聞・雑誌・放送局などです. ここでは情報源を 1 次元空間や 2 次元空間に配置して,その空間内を移動しながら情報源を選択するやりかたについてかんがえてみたいとおもいます.
濱野 智史 は 「情報環境研究ノート」 というブログのなかで Linden Lab (リンデン・ラボ) の Second Life (セカンドライフ) についてつぎのように書いています (第11回 セカンドライフ考察編(4)).
Second Life は
1) 「真性同期型アーキテクチャ」 であるがゆえに,(非同期型に比べて相対的に) ユーザー間の非接触機会が高い,
2) セカンドライフの仮想空間 「メタバース」 は,「場所」 という概念はそこそこ 《現実的》 に設計されているのに対し,「距離」 の概念は 《非現実的》 に設計されている (= テレポーテーションができてしまう),
3) ひとつの 「島」 (プライベート SIM) に共在できるユーザー数が数十人程度に制限されている」
これらの点を voiscape (ヴォイスケープ) に関して検証してみようとおもいます.
音声による自然な遠隔コミュニケーションのためには,従来の電話の受話器のように片耳できくのではなく,両耳をつかう必要があると私はかんがえてきました (「仮想の “音の部屋” によるコミュニケーション・メディア voiscape」 (PDF ファイル)). いまのところ,両耳をつかって遠隔会話をする環境はととのっていませんが,最近,携帯電話にはそこにつながっていくと期待される変化がいろいろおこっています.
テレビ,ラジオ,インターネットなど,さまざまなメディアに広告 (CM) がのせられています. しかし,電話や会議システムに広告をのせるというのは,きいたことがありません. どうしてでしょうか? 電話ないしそれにちかいメディアに広告をのせる可能性はないのでしょうか?
通常の使用法ではなにも問題がおこっていないデジタル音声再生機器をちょっとちがう方法でつかうと,急に音質が劣化したりすることがあります. 音声固有の問題ではなくてリアルタイム処理にはありがちなことだとはおもいますが,いわば 「デジタル音声再生はひとすじなわではいかない」 ということです. 私は USB ヘッドセットを VoIP 通信 (IP デジタル音声通信) でつかって,こういうことを経験しました.
3 月にネットワーク QoS 保証法に関する主観評価をおこないましたが,その結果を利用して,私が研究してきた 3D 音響を使用した遠隔会話のためのメディア voiscape (ヴォイスケープ) の評価をこころみました. その結果は応用音響研究会で発表しました (「仮想の “音の部屋” によるコミュニケーション・メディア voiscape の主観評価」) が,いまだに,この結果をどう解釈したらよいか,まだよくわかっていません. ここでは,この問題について書きます.
仕事上,おなじヘッドセットないしヘッドフォンを数台同時につかう必要が生じます. こうした機器をどんどん買うわけにもいかないので,すでに買ったものをつかうことになりますが,そのために毎回おなじ弱点に泣かされることになります. 「デジタル音声再生は,ひとすじなわではいかない」 でも Sony DR-260 USB という USB ヘッドセットのことを書きましたが,そこには書かなかった弱点でいささか,くるしむことになりました.
数年前まで,あたらしい音声メディアをつくるという目標にむかっての研究を中心として仕事をしてきた. それによって研究としては成果をあげてきたが,実用になるものをつくることはいまのところできていない. その理由はいろいろあるとおもうが,そのなかでもおおきな理由は人間の耳をいかすメディアをつくることがむずかしいということだとおもう.
これはおおきな問題なのでもっとしっかり論じるべきだが,ここではとりあえず,いまおもいつくことを書いてみたい.
この本のなかにはしばしば作曲家のなまえも登場してくるが,序章がこの本のテーマの提示部,終章が再現部であり,そのあいだはながい展開部とかんがえることができる. こうしてソナタ形式の音楽のように織りあげられた本のなかで,蓄音機や電話などの音声メディアが,現在かんがえられているのとはちがって,歴史的には 1920〜1930 年以前にはもっとさまざまなやくわりをあたえられてきたことが語られる. それは図式的には線状 (つまり 1 対 1) ないしツリー状 (放送) とはちがって,「複数の声の輻輳的な重なりあい」,あるいはセミラティス状のコミュニケーションだったという. このような主張はカクテルパーティをおもいださせる.
しかし,こういう結論をみちびくために,ときにはいささか短絡的ないし強引な議論もあるようにみえる. たとえば,冒頭では永井荷風が隣人によるおおきなラジオの音になやまされたことが書かれている. それを著者は自然の音と再生された音とを対比させるためにもちだしている. しかし,実はそれは自然の音か再生された音かということではなくて,現代のピアノ殺人などにつながる近隣騒音とおなじなのではないかともおもえる.
評価: ★★★★☆
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