最近,オペラの DVD をいくつか買ったこともあり,「つんどく 」していた音楽関係の本のなかから,この 1 冊をひろいだした.
モンテベルディからショスタコービッチまで,70 ちかいオペラ作品の DVD や CD が紹介されている.
最近の本だけあって紹介されたメディアの半数は DVD であることが,ありがたい.DVD であれば歌手や舞台がみられるだけでなく,字幕がみられることがおおきい.
ただし,字幕がないものや日本語がないものも紹介されているようだ.
バロック時代からとりあげられてはいるが,モンテベルディにしても,解説はみじかく,それらの文章はあまり魅力的でない.
それとくらべると,ベルディなど,近代イタリア・オペラの紹介には熱がはいっていて,買いたくなる.
ショスタコービッチまでとりあげてはいるが,プッチーニよりあとのオペラはすくない.
ベルクについてもヴォツェックはとりあげているが,ルルはとりあげていない.
日本の作曲家もいろいろオペラを書いているが,それもとりあげていない.
新書としてはすでに 300 ページもあって,これ以上ふやせないのだろうが,もっとあたらしい作品もとりあげてほしかったとおもう.
モーツァルトについてもみじかい解説がおおいが,アーノンクールの演奏をつよくすすめている.
半世紀くらいまえの演奏もすくなからずとりあげられているが,モーツァルトだけでなく,このようなあたらしい演奏をおおくとりあげている.
あとがきには,いま,あたらしい演出への変化がおこりつつあり,それを紹介することが目的のひとつだったように書かれている.
ふだんはあまりオペラに親しんでいない私にとっては,オペラの現在を知るうえで,とてもよかった.
評価: ★★★★☆
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