ユーザの操作に抵抗する ;-) Microsoft Word 2007
「箇条書きの番号ふりなおしに抵抗する ;-) Microsoft Word 2007」 という項目では,Word をつかうと箇条書きの番号がおもうようにならなくなることを書いた. しかし,Word がユーザにさからうのは,このときだけではない.
「箇条書きの番号ふりなおしに抵抗する ;-) Microsoft Word 2007」 という項目では,Word をつかうと箇条書きの番号がおもうようにならなくなることを書いた. しかし,Word がユーザにさからうのは,このときだけではない.
私は 「菅内閣の最大の問題点は方針が明確にされないことだ」 と不満を感じつつも,「震災復旧だけでなく日本の復興までかんがえれば菅内閣をささえる必要があるのではないか」 とかんがえてきた. しかし,ここ数日の茶番劇は予想外だった. 辞任をみずから口にした以上は,半年以上も続投するということはありえないだろう. しかも,この茶番劇で一番,信用をうしなったのは菅首相自身だ. それがなければ 2 ヶ月くらい続投することもありえただろうが,もはや,すみやかに辞任するほかはないだろう.
首相官邸の 「ご意見募集」 につぎのようなメッセージをおくりました.
数日前までは菅首相が当分,続投することが震災復旧・復興のためにはよいものとかんがえていました. しかし,首相はみずから辞任を口にせざるを得ないところまで,追いこまれました. それでも,復興構想会議の成果を政策にいかすために,まだ 2 ヶ月くらいは続投されるものとかんがえていました.
ところが,来年はじめまで続投される意思があるようにうかがいました. 辞任を口にされた以上,それはありえないことだとおもいます. それによって民主党内だけでなく国民の信頼もこれまで以上にうしなったものとおもいます. もはや,6 月末までといわず,一刻もはやく辞任されるのが,政治を混乱させず,被災地の復旧や日本の復興をすすめるためにもよいものとおもいます.
日本では首相がめまぐるしく,かわっていく. 首相の支持率は短期的にあがることはあっても,長期的にはずるずるとさがっていく. こうなってしまうのは,国のリーダーになる訓練ができていないからではないだろうか. 国会議員や大臣としての経験だけでは首相となるには十分ではないだろう. 首相になるために必要な訓練をシステマティックにする必要があるのではないだろうか.
東日本大震災ではおおくの犠牲者をだしたなかで,学校の児童・生徒はそのおおくがたすかった. そのなかで石巻の大川小学校はほとんどの児童と教師が死亡またはゆくえ不明になっている. そこでなにがおこり,なぜそのようなことがおこったのか,しだいにあきらかにされてきている. 津波はときとして 10 m 以上になるが,そうすると通常の避難場所は水没する危険がある. それをかんがえて,1 次の避難場所である大川小学校から 2 次の避難場所ににげる方法や手段を用意しておくべきだったが,その用意がまったくなかったことが最大の原因だろう.
東日本大震災発生以降,それまでも菅首相や政権を批判していた新聞や国会議員などは,さらに批判をつよめている. その理由は会議を乱立させたことや原発事故への対応をはじめ,さまざまだ. 計画停電への対応もそのひとつだ. 政権がさきまわりしてうまく対応していれば,計画停電がさけられたり,影響を最小限にすることができていたとしても,はたしてそうするのがよいことだっただろうか. それが実施され,関東地方の住民におおきな影響をあたえたことが,むしろ住民あるいは国民に事態の深刻さや対策の必要性を学習させたのではないだろうか.
「先のばし」 してしまう理由や問題点を自分で分析し,それを解決できる方法を紹介している. ステップを追ってそれを本当に実行していくことができれば,問題を解決することができるのかもしれない. しかし,それを読者が自分で実行できるのか,またそれでほんとうに効果があがるのかは,この本だけからはわからない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 「先のばし」がなくなる仕事術@ , 「先のばし」がなくなる仕事術@Amazon.co.jp.
東日本大震災のわずかまえに出版された本だ. ここには,津波のメカニズムから避難のしかたまで,さまざまな知識がもりこまれている. 震災からの復興が議論されているなかで注意をひくのは,「高地移転は無理である」 という記述だ. いったんは高地移転がすすんでも,やがて低地にも家がたつようになる. 今度もおなじことがくりかえされるだろうから,それをかんがえておく必要がある. だから,この本では避難に関して重点をおいていて,知っておくべきことが多い.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 津波災害@ , 津波災害@Amazon.co.jp.
やはり TPP に反対する文章ばかりがならんでいる. 賛成派とぶつけてこそ,特集を組む意味があるのではないだろうか. おそまつな論旨の文章もあるが,それはさておき… TPP の議論だから表やグラフも登場するのだが,この雑誌にはあまり登場しないものであるせいか,レイアウトはまずいし,印刷もきたない. それが内容に影響するわけではないが,サボっているという印象はぬぐえない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 現代思想@ , 現代思想@Amazon.co.jp.
20 年間ちかく休刊していた朝日ジャーナルという雑誌が,不定期とはいえ,復活した. そして,原発反対派をあつめて特集を組んだ. 年齢がわかる 29 人の著者のうち,1940 年代うまれが 12 人でもっともおおい. つぎが 50 年代の 8 人. 60 年代は 3 人で,70 年代は 1 人,それ以降はいない. 原発を語るにふさわしい著者がえらばれているのかというと,たしかに西澤潤一のようなすぐれた工学者・科学者もふくまれているが,彼もふくめてほとんどは専門外であり,あやまった記述がおおい.
御用学者はこういう雑誌に顔をださないだろうから,やむをえない面もあるだろう. しかし,年齢構成といえ,専門・職業といえ,せまい世界のなかにとじこもっているとかんがえざるをえない. 復刊しても,もはやかつてのような意味をあたえることはできないだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 朝日ジャーナル@Amazon.co.jp.
一時,福島第一原発事故からくる風評被害が深刻な問題とされていた. いまでは市場もおちつきをとりもどして,福島や茨城の農作物が買いたたかれることもすくなくなっているようにみえる. おもいおこしてみれば,このような風評被害は決して国内の商品だけでおこっていたわけではない. 中国製の商品への不信がたかまって,中国だけでなく台湾など,他の国の商品にまでひろがっていたことをおもいだす. 他国のことだというので,あまりおおきくとりあげられなかったが,いわれのない風評で被害をうけていたことはかわらない. 海外への影響にも注意をはらっていく必要があるだろう.
おおくのひとが,東日本大震災をきっかけとして,日本全体がかわることを予感している. ところが,この本の著者たちは,かわるべきところもあるが,おおくの点でかわらなくてよい,いまのままでよいといっている.
原発は推進するべきであり,福島第一原発も廃炉にしなくてよいという. 欠陥だらけで痛みののひどい原発をどうやって再稼働させればよいというのだろうか (この本がもっとまえに出版されたのならわかるが,5 月に出版されているのだ).
これからインフレがおこることもないし,産業もこれまでどおりに復興させればよいという. 財政赤字もこれからさらに,つみあげていけばよいというのだろうか. 東日本大震災のショックはオイルショックのようなものだから,おなじようにのりこえていけるという. おこったことの質的なちがいも,日本の政治・経済などの状況のちがいも,おかまいなしだ.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 大局を読む!@ , 大局を読む!@Amazon.co.jp.
堺屋 太一 と 5 人のひとのテレビ対談をまとめた本のようだ. 6 人それぞれ意見にちがいはあるが,全体としては堺屋のかんがえをつよく反映した内容になっている.
復興資金の調達には電力などのエネルギーに課税することを提言している. また,原発に関しては日本やロシアの 「基準主義」 つまり基準をまもっていさえすればよいというかんがえかたはダメで,「確率論」 つまりリスクをきちんと管理する必要があることがくりかえしのべられている.
最後には菅政権への批判や,国の進路や体制に関する議論がない復興構想会議が批判されている. 東北の復旧だけでなく,官僚主導から脱却して地域の特性をいかした日本全体の復興をめざすべきだということだ. さまざまな提言がふくまれているが,それらをどうやって実現すればよいのかはこれからの課題だろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 日本を救う道@ , 日本を救う道@Amazon.co.jp.
東日本大震災の日,家にかえりつくまでのようすは 「大地震の日,戸塚から東京への徒歩での帰宅」 に書いた. しかし,そこに書かなかったこともある. その日,なぜ会社にとどまらずに家にかえったかというのも,そのひとつだ. おもいだせるうちに,書いておくことにしよう.
昨年にひきつづき,私がかかわっている 「仮想化ノード・プロジェクト」 の展示が Interop Tokyo 2011 の NICT (情報通信研究機構) のブースでおこなわれた. 担当したのは IPEC (IP-Ether-Chimera) という,Ethernet や Internet Protocol (IP) をおきかえるべきプロトコルのデモだ. 今年もフルタイムではないが 3 日間,幕張にかよった. いろいろときびしい点はあったが,デモと説明をつとめあげた.
佐渡裕がベルリンフィルを振った. そのようすが NHK BS で放送された. 曲目は武満の From me flows what you call time (カタカナで書くとなんのことやら,まったくわからない) とショスタコービッチの交響曲 5 番だ. 佐渡は自分の解釈をうまく楽団員につたえ,楽団員がそれを自分たちのものとして演奏できたようだ. 私はほかのことをしながらテレビをきいていたのだが,終楽章はいささか軽すぎるようにおもえた. かつて東西世界が向きあっていたベルリンのひとたちは,この演奏をどう聞いたのだろう.
メイルを読むのに Thunderbird をつかっている. よみおわったメイルは捨てずにとっておくのが私の流儀だ. ところが,最近こまったことがおこっている. メイルをためておくと Windows の起動がとてもおそくなるということだ. メイルを保存するのにデータベースをつかっていて,そのメンテナンスのために時間がかかるようだが,どうも矛盾している.
「東西世界が向きあっていたベルリンでの佐渡裕のショスタコービッチの演奏」 に書いたように,NHK BS で佐渡裕指揮によるベルリンフィルの演奏が放送された. ショスタコービッチとともに演奏されたのが武満徹の題記の曲だ. 武満はすきな作曲家だが,この曲は記憶にあるかぎり,聞いたことがなかった.
いい街とはどういうまちなのか,さまざまな観点から分析されている. そのなかには,目地のこまかい街であること,低層で同業種の店が複数あり若い店員がいる商店街があること,自転車をいかせることなど,さまざまなことがあげられている. 住宅が低層だとなにがよいのかも,くわしく書かれている. 住むまちをえらべるひとにとって,また,まちづくりに参加するひとにとって,参考になる点が多々あるだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 東京 いい街@ , 東京 いい街@Amazon.co.jp.
菅政権はハーグ条約加盟の準備をすすめてきた. その問題についてかんがえるためにこの本を買ったつもりだった. しかし,この本に書いてあるのはハーグ条約の問題というよりは,日本の司法の問題をするどく指摘するものだった. 日本の司法関係者もある程度わかっているだろうが,外国人だから気がつく,書ける部分があるとおもえる.
「連れ去り問題」 は司法の問題だけでなく,日本の社会・伝統などからきているものでもあり,ハーグ条約に加盟したからといって解決にはほどとおいが,それが 1 歩になるのではないだろうか.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 子どもの連れ去り問題@ , 子どもの連れ去り問題@Amazon.co.jp.
鈴木 謙介 らと 「ダメ情報の見分けかた」 という本を書いた著者は,震災後ブログで流言・デマのまとめを書いてきた. それをまとめたのがこの本だ. ネット上でさまざまな流言・デマがあり,それを信じさせ拡大させるしかけもあったが,それを否定するツイートや記事もあって,流言・デマがひろがらずにすんだことが分析されている. また,どうすればそれをくいとめることができるかも分析されている.
関東大震災のときには流言・デマが虐殺事件にまで発展したことをかんがえれば,日本人が冷静だったからひろがらなかったのではなくて,情報がうまく流通したからなのだろう. この震災ではツイッターなどが救援のためにうまくつかわれたが,流言・デマの防止という点においてもそれがうまくはたらいたということだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 東日本大震災の流言・デマ@ , 東日本大震災の流言・デマ@Amazon.co.jp.
被災地の地図をあつめて 1000 円という比較的やすい値段で提供している. それだけで意味のあることだろう.
しかし,浸水域がかきこまれている以外は,あらたにかきくわえられている情報はわずかだ. 福島第一原発がどこにあるのかも,よくみないとわからない. まだ出版されたばかりだが,電車の運休区間も現在とはちがっている. 石巻線は石巻まで運行しているが,この地図では前谷地までになっている. 結局,オンラインの地図でなければ電車の運休区間を書いてもあまり意味がないということだろう.
復旧はどんどんすすんでいる. どういう情報をかきこめばやくにたつのか,もうすこし検討が必要だったようにおもう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 復興支援地図@ , 復興支援地図@Amazon.co.jp.
タイトルをみると,バブル崩壊以来露呈した日本の問題点の原因を近代史のなかにさぐろうとしているという印象をうける. 実際,そうしたかったのだろう. しかし,読んでみるとほとんどは最近の日本の問題点とは関係のない通史の記述にあてられていることがわかる. その内容はむしろステレオタイプ的であり,そこから現代日本の問題を解決するためのヒントがえられるようにはおもえない. もしこういうタイトルをつけるのなら,もっと現代の問題点につながることがらをえぐりだす必要があっただろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 日本の迷走@ , 日本の迷走@Amazon.co.jp.
メイルを読むのに Thunderbird をつかっている. ここ数年こまっているのは,起動して 30 分くらいは作業できないことだ. メイルをすてずにとっておくからいけないのだが,基本的にはすてないことにしているから,こうなってしまう. 電源をおとしていると,つかいたいときにすぐつかえくなるから,最近はそれをさけるためにシャットダウンせずに休止するようにしている. 休止していればスイッチをいれてから比較的短時間でつかえるようになるからだ.
週に 1 回は母の注文をうけて,自分がほしいものとともにちかくの商店街 (川島商店街) に買いにいくようにしている. 週 1 回しかいけないが,すこしでも地元の商店街の活性化につながればとおもっている.
買うものはジュース,牛乳,肉,野菜がおもだが,くだものもときどき買う. 安売りしているイチゴも買ってくる. なぜ,やすいイチゴを買うのか. ただやすいからという理由ではない.
ウィキリークスとそれをつくったアサンジという人物,それに対してアメリカをはじめとする各国はするどく反応した. その一方で日本政府や日本のマスコミはその重大性を理解せず,非常識な反応をしたと著者はいう. マスコミの無理解をあらわすのが,そこでつかわれていた 「暴露サイト」 ということばだという. また,日本の大手メディアがリークサイトとアライアンスを組むのは絶望的だという.
しかし,ほんとうにそうだろうか? ウィキリークスに対してさわぎたてるのが日本のとる道ではないだろう. 朝日新聞はウィキリークスから情報をえて分析し,記事にしていた. すくなくともネットのちからを知っている国民は,ウィキリークスの能力も限界も知っているだろう. この本のなかには記者クラブの問題点やジャスミン革命の話もでてくるが,それらはウィキリークスとは直接関係ない. 冷静さと判断力をうしなっているのは著者のほうだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: ウィキリークス以後の日本@ , ウィキリークス以後の日本@Amazon.co.jp.
ゼロ年代の 17 人の論客について,かけあしで論じている. そこにはネットやオタクがたびたび登場してくるが,それらをのぞけば,ここでとりあげられいる問題も拡散的だ. もうすこししぼって,じっくり論じたほうが,ゼロ年代という時代をうまくとらえられたのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: ゼロ年代の論点@ , ゼロ年代の論点@Amazon.co.jp.
副題に TPP という文字がみえたので買ってしまったが,基本的には TPP に関する本ではない. JA グループのさまざまな組織の問題点や,対立点がふえている農家との関係などについて書いている. ときどき統計も登場するが,著者の意見をうらづけるには十分ではない. 農協やその支持者に対して戦闘的な態度をとっているが,もうすこし冷静に対処するほうが支持者をふやすことになるのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 農協の陰謀@ , 農協の陰謀@Amazon.co.jp.
菅内閣が最近うちだす政策は唐突な印象をあたえる. 浜岡原発の停止要請もそうだし,サミットに行った際の OECD の演説では自然エネルギー比率を 20% にするという「公約」をしたという. 震災の直後には計画停電をうけて節電をよびかけたが,政府がすばやいうごきをすれば計画停電はさけられたのではないかという指摘もある. 計画停電をさける対応をとらず浜岡原発を停止させて電力をさらに逼迫させる,それは危機を演出してエネルギー政策の改革を成功させようということなのではないか?
戦前の日本の体制をファシズムときめてかかっている議論がいまだに,あまりにめだつ. しかし,日本の体制がファシズムだったということは全然あきらかなことではないのだ. 日本がドイツ,イタリアと三国同盟をむすんでいたことが,こういう短絡的なかんがえかたを生む背景にあるのだろう. しかし,すくなくとも,それがファシズムではなかったとかんがえているひとに配慮した議論をしてもらいたいものだ.
海外のメディアや個人が東日本大震災時の日本人の行動をどうみたか,それをおもに日本人の著者が書いている. 震災時の日本人は冷静でたがいにたすけあい,他人に迷惑をかけず,整然と列をつくっていた. そういう評価はこれまでもきいてきたし,この本でとりあげているアメリカ,中国,台湾,韓国ほかの見方もそれと一致している. そして,この本で論じられていることではないが,それは日本人の特質というよりは災害時にアメリカなどでも出現した 「ユートピア」 なのだというかんがえもあった.
1 冊のなかで,おなじことを何回もよまされるだけではつまらない. もうすこし国によるちがいがうきぼりになるようなかきかたができれば,もっとよかっただろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 世界が感嘆する日本人@ , 世界が感嘆する日本人@Amazon.co.jp.
被災者や国内の有名人,海外などからの震災に関するさまざまなメッセージがあつめられている. いちはやく支援にのりだした企業も紹介されている. そのなかには例によってツイッターのメッセージもある. おおくのメッセージはもっと長いが,ツイッターのメッセージはより凝縮されている. そのなかには災害時でなければみのがしてしまうようなふつうのできごとが多く書かれているが,震災が日常生活をそして日本を見直すきっかけになっているようにおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 3.11@ , 3.11@Amazon.co.jp.
ネットワーク機器やネットワーク機能をもつ LSI などの構成要素のひとつに 「スイッチ・ファブリック」 がある. これまでこのことばを無反省につかってきたが,このことばをつかうべきかどうかを検討する必要にせまられて定義をしらべたところ,あまり明確に定義されていないらしいこと,そしてとくに Web 上での日本語による定義が不適当であることがわかった. しらべたことをここに書いておくことにする.
ちかごろ,駅の入口やホームの表示がみづらくて,しかたがない. とくに東京メトロの駅はそうだ. 看板内部の蛍光灯がけしてあるからだ. 電灯がけしてあれば夜はみづらくてもしかたがないが,昼間からみづらいのは設計上の問題だう. いますぐなおすことはできないのだろうが,つぎに表示を変更するときにはあんどん型の表示はやめてもらいたいものだ.
東日本大震災復興構想会議が提言をまとめて内閣に提出した. 十分な議論がおこなわれたとはいえないだろうが,3 カ月強のあいだに本会議は 12 回,作業部会は 8 回の会議をかさねて,えられた結論だ. 回数はおおいとはいえないが,ときには 4 時間以上の時間をかけて議論している. 提言の内容をみると,その議論の結果が十分に反映されているようにはみえず,ほとんど抽象的な内容に終始している,あるいは意図的にぼかされているようにみえる. 復興への道は地域ごとにおおきくちがっているはずなのに,提言ではいくつかの類型をしめしているだけだ. しかも,提言にもりこまれたかぎられた内容も,たとえば増税や特区の設置に関してはすでに反対のこえがあがっている. この会議の成果を復興にいかしていくには,どうすればよいのだろうか?
東日本大震災復興構想会議では,水産業の復興のために特区を創設して民間資金を活用するという宮城県知事が推進してきた案がとりいれられている. これに対して,漁業者などが署名をあつめて反対しているという. かれらは,東北だけでない日本の水産業復興のために自分たちがなにをすればよいのか,まったくわかっていないのではないだろうか?
東日本大震災復興構想会議が 6 月 25 日に提言をまとめた. そこで議論されてきた重要な内容はすべてとりこまれたということで,委員である宮城県知事も満足している様子だ. しかし,「具体的な内容がもりこまれなかった復興構想会議の提言」 に書いたように,その内容は具体性にとぼしい. 内容を具体的にうらづけるのは検討部会の仕事のはずだが,そのうごきがよくみえない. 検討部会がうまく機能していなかったから,提言に具体性がないままになったのではないだろうか.
6 月 21 日に東日本大震災復興基本法が国会で成立した. 24 日に公布されたはずだ. この法律の内容はどこに書いてあるのか? Google でさがしても容易にみつからなかった. こういう重要な法律の内容がすぐにしらべられないのは,おかしいのではないか.
打ち水で気温がさがるからといって,みんなで打ち水しようという行事がおこなわれてきた. たしかにそれで気温はさがるが,湿度があがるのはたえられない. 今年はとくに節電がもとめられるから,局所的に温度をさげるだけならいいが,みんなで打ち水しようといううごきがでてくるだろう. 湿度がひくいときはいいが,湿度が 60% くらいもあるときには,ぜひ打ち水なんかやめてもらいたい. 気温がたかくても湿度がひくいほうがいい.
東日本大震災をどう経験し,どうとらえ,どう復興すればよいとかんがえるかは,この 9 人の著者もひとそれぞれだ. 自分は被災しなかったにもかかわらず,これまでとはすっかりかんがえかたがかわってしまったひともいる. また,これまでとかわらない,つまりある意味で震災に対する準備がすでにできていたひともいるようだ.
読者 (としての私) からみれば,共感をおぼえる意見もあれば,嫌悪を感じる意見もあるだろう. 自分にちかい意見にちからづけられることもあれば,自分とはちがう意見からまなぶこともあるだろう. しかし,ひとびとはすくなくともこれだけの幅のあるかんがえをもっているということを知るべきだ. 東北をそして日本を復興させるためには,そういうかんがえをまとめていく必要があるということになるのだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 復興の精神@ , 復興の精神@Amazon.co.jp.
「現代思想」 2011 年 5 月号には,2 人ほどの思想家らが東京からの脱出について書いている. それに対して私は 「狂った雑誌 ?! ― 「現代思想 2011 年 5 月号 特集 = 東日本大震災 危機を生きる思想」」のなかで 「このひとたち,この雑誌,くるっているのではないだろうか?」 と書いた. ところが,日経ビジネス 臨時増刊 「徹底予測 日本の復興」 (日経ビジネス アソシエ 6 月 27 日号) には 東 浩紀 が 「東京を離れた理由」 を書いている. これで,この問題についてもう一度かんがえてみる必要があると感じた.
東北の復興そして日本の復興がかかっているだいじなときに,政治家たちは目先のことであらそっているといわれている. 復興のために,原発や自衛隊など,現場のひとたちが最大限の努力をはらっているときに,政治家は無能ぶりを発揮しているともいわれる. だが,もうすこしながい目でみるとき,復興をおくらせる要因は政局や政治家の無能ではなくて,日本の針路に関する対立なのではないかとおもえる. 「復興の精神」 という共著本を読み,東京脱出に関するかんがえかたのちがいをみるにつけて,いまや,あらゆる点で国民のなかに対立があり,それを解消することの必要性と困難とを感じざるをえない.
会社で買った HP ProBook 4520s というラップトップ PC をつかっている. HP (ヒューレット・パッカード) 独自のセキュリティ機能などがいろいろついているのだが,かならずしもつかいやすくない. 一番こまるのは,パスワードが自由にかえられないことだ. パスワードなしのユーザ ID はつくることができるのに,それに弱いパスワードをつけるのがむずかしいのだ. 通常のやりかたでパスワードをつけようとすると,もっと強いパスワードにしろといわれて,つけられない. つまりはパスワードなしでつかうことを強制される. これではむしろ危険だ.
大阪府の橋下知事が君が代起立条例案をだしている. 学校で君が代を斉唱する際に教師などが起立することを強制しようとしている. 私自身は学生時代に君が代をうたうことを強制されたおぼえもないし,そういうときに起立することを強制されたおぼえもない. 会社にはいってからは君が代斉唱の機会があったが,そのときになにかを強制されたということもなかった. 現在では会社でそういう機会もない. 君が代起立条例案はやはり異様だ.
まえの版は著者が厚生大臣をやめてまもない 1998 年に出版され,それを民主党の鳩山首相時代の 2009 年に改訂したものが現在は出版されている. 厚生大臣として内閣の一員になったときにわかった自民党中心の内閣における官僚と政治家との関係や,厚生省での官僚との対決のようす,視察でわかったイギリスの政治制度などに関する経験などが,その成果をとりこんだ民主党政権のうごきとともに,かたられている.
いま首相となった著者がなにをかんがえ,これからなにをしようとしているのかは,十分にはつたわってこない. しかし,そのてがかりはここにあるということができるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 大臣 増補版@ , 大臣 増補版@Amazon.co.jp.
災害による観光業の被害や銀行の取り付け騒ぎなど,さまざまな風評被害が分析されている. そのなかには放射能に関するものもあるが,おもに東日本大震災よりまえの事件がとりあげられている. 最後の 2 章はこの震災における風評被害にあてられているが,のびのびになっていたこの本の出版が震災を機会に加速されたということだ. 立場によっておなじ 「事件」 が風評被害とみなされることもあり,そうでないこともあるというあやうさも,とりあげられている.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 風評被害@ , 風評被害@Amazon.co.jp.
東日本大震災をうけて再刊された本だが,おもな部分は戦前に書かれたようだ. 前半はタイトルになっている流言蜚語について書いているが,抽象的なのと,インターネットがある現在とはことなる状況のものなので,途中で読むのをやめようかとおもった.
しかし,後半は著者の関東大震災の経験をつづった文章をあつめていて,具体的かつ印象的な文章だ. そこではしばしば 「天譴 (てんけん)」 ということばがあらわれる. 「天罰」 にちかい意味だ. 石原慎太郎のことばがおもいだされる. 過去の震災が書かれている本として鴨長明の 「方丈記」 とヴォルテールの 「カンディード」 があげられている. 後者はヨーロッパに広範な被害をだしたリスボン地震について書いているという. 「カンディード」 との比較で日本の 「天譴」 ということばの軽さが指摘されている.
著者は 「東京が消失しても,300 万の日本人が死んでも,涙を流す外国人は 1 人もいないでしょう」 と書いているが,東日本大震災でわかったことはそれとはまったく逆だった. そして,著者はまた大威張りで朝鮮人を殺して銃剣の血を洗っている兵隊と出会っておどろいているが,東日本大震災では日本人みなが献身的にはたらく自衛隊員のすがたを見た. このコントラストは現代の日本人の希望であり自信につながるものだ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 流言蜚語@ , 流言蜚語@Amazon.co.jp.
経済理論を現在の日本にあてはめるとどうなるか. 世間の常識にとらわれた結論とはまったくちがう結論がえられることをしめしている. そのポイントは震災で電力不足がおこり,ケインズ的経済がなりたたず古典派的経済がなりたつ世界になったということだ.
いま,復興財源として税金をつかうか国債をつかうかがおおきな争点になっている. これに対して著者は両方の選択肢が可能であることをしめしている. 国債を日銀にひきうけさせるのは可能だが,この方法ではインフレが生じて,低所得者にきびしい. 税のほうが公平になるという. だが,はたしてそうだろうか. もし声がおおきい者がよりすくなく税負担することになると,かならずしも税金のほうが公平とはいえないのではないか.
ほかにも,疑問の点がいろいろある. たとえば,電力不足に対処するのに輪番というような統制的な方法でなく電力価格値上げで対処するべきだという主張にはそれほどの説得力があるとはおもえない.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 大震災後の日本経済@ , 大震災後の日本経済@Amazon.co.jp.