ビジネス・コミュニケーションを中心とする人間のコミュニケーションに関いて調査し,独自の視点をいれて整理した. この調査と整理のおもな目的は,さまざまな種類のコミュニケーションにあたらしいコミュニケーション・メディア (Kanada [Kan 03] [Kan 05] や Yasumoto ら [Yas 05] においてしめされているような音響仮想空間メディア) がつかえるかどうかを検討することである (ただし,その検討はこの項目の範囲外である).
この調査と整理の結果をつぎの項目にまとめている.
- ビジネス・コミュニケーションの分類 -- いくつかの分類をしめしているが,閉鎖型,開放型,半開放型という 3 つが主要な分類項目である.
- 閉鎖型コミュニケーションの分析 -- 上記の分類項目のうち,会議のような閉鎖型コミュニケーションに関して分析している.
- 開放型・半開放型コミュニケーションの分析 -- 上記の分類項目のうち,開放型および半開放型コミュニケーションに関して分析している.
- オフィスワークに関するトレンド -- ビジネス・コミュニケーションの検討にはオフィスワークに関する検討が欠かせないため,そのトレンドを調査・検討している.
- ソーシャル・キャピタル -- あたらしいメディアについてかんがえる際には欠かせないとかんがえられるソーシャル・キャピタルに関する検討を Cohen の本を中心としておこなっている.
- 対人距離 -- Hall や西出による社会学的なモデルを紹介している.
- サイバースペースの原理 -- Benedikt による仮想現実的な原理を紹介している.
- DIVE と MASSIVE における相互作用のモデル -- 視覚的な仮想環境 DIVE と MASSIVE におけるインタラクションのモデルを説明している.
- 情報通信技術によるオフィス・コミュニケーションの課題解決, あたらしいオフィスワークをささえる方法・手段とその課題 -- 上記の検討にもとづいて,ビジネス・コミュニケーションへのあたらしいメディアなどの導入について検討している.
- ほかにもつぎのような関連項目がある: "仮想の組織" を支援するツールやミドルウェアに関する研究, 会議室におけるメディア, 遠隔会議メディアの種類, ワークプレイス.
参考文献
- [Kan 03] 金田 泰, “仮想の ‘音の部屋’ によるコミュニケーション・メディア Voiscape”,電子情報通信学会 技術研究報告 (MVE / VR 学会 EVR 研究会),2003-10-7.
- [Kan 05] Kanada, Y., “Multi-Context Voice Communication In A SIP/SIMPLE-Based Shared Virtual Sound Room With Early Reflections”, NOSSDAV 2005, pp. 45–50, June 2005.
- [Yas 05] Yasumoto, K. and Nahrstedt, K., “Ravitas: Realistic Voice Chat Framework for Cooperative Virtual Spaces”, IEEE International Conference on Multimedia and Expo. (ICME 2005), pp. 1046-1049, July 2005.