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2012-04 アーカイブ

2012-04-02

社会・経済:グローバル化, 社会・経済:日本の再生と針路, 書評:社会・経済

日本の風土が日本人を世界のなかでも特異な思考や感情をもつようにさせていると著者はいう. 西洋や中国などで歴史上おこった大量殺戮が日本ではなかったこと,それに対して大規模な自然災害による死者がおおかったことなどをあげて,日本の特殊性をしめそうとしている. そして,外国人とちがって日本人が装置インフラを軽視し,合理的になれないといった弱点を説明している.

しかし,外国人とのちがいを章ごとにタイトルをつけてまとめようとしているようだが,各章の内容はタイトルとあまり合っていない. 雑然とならべているようにしかみえない. だから,この議論がまだ,だれでも理解できるように説得力を獲得しているとはいえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本人はなぜ@ [bk1]日本人はなぜ@Amazon.co.jp

つづく…

書評:Web とインターネット, Web とインターネット, 書評:言語・コミュニケーションとネットワーキング, 言語・コミュニケーションとネットワーキング

この本にはいたるところに妥当性に疑問がつく議論がある. そのうちのいくつかをここにあげてみよう.

著者は,最近の 10 年くらいでうつ病・躁うつ病が急激にふえているのはここ 20 年くらいでネットが普及しコミュニケーションを変えたからではないかという. しかし,それらの直接的な関係はしめされていない.

著者はまた,インターネットの普及で 「言葉」 がつかわれなくなったと書いているが,それによって顔をつきあわせての会話がへったとしても,文字でチャットする機会はふえているだろう. チャットでは短文しかかかないというのだが,もともと会話では短文しかしゅべっていなかっただろう. 昔は長文を読んだり書いたりしていたというのだが,それは相当にむかしのことだろう.

そこで著者は突然,「精神」 と 「言葉」 について考察するために,哲学や生物学や人工知能 (フレーム問題など) までもちだしてくる. しかし,それがこの議論のどこにやくだつのかわからない.

これらはまだ比較的慎重な最初の部分の議論であり,あとのほうになるとますます疑問があるが,枚挙にいとまがない. とりあげているテーマはよいが,議論や結論は信頼できない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: インターネットが壊した@ [bk1]インターネットが壊した@Amazon.co.jp

つづく…

2012-04-04

社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

大正大学がどのように震災にかかわってきたか,対談,ボランティアやその他の学生が書いた短文など,さまざまな文章があつめられている. 雑多ではあるが,ボランティアがなにに感動したり影響されたりしたか,救援活動の実態はどうだったのか (避難所にとどいた衣類のうち 1 割しかつかわれなかったことなど),学生のマスコミに対するきびしい見方など,興味をひかれることが多数ふくまれている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 3.11大震災@ [bk1]3.11大震災@Amazon.co.jp

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文化・教育と学習:教育・大学・研究, 書評:文化・教育と学習, 社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

さまざまな大学人が 震災やそれと研究との関係などについて語っている. 文系の研究者が多いが,理系のひともいる. さまざまなかんがえを知ることができるのはよいが,1 人平均 6 〜 7 ページのインタビューでは十分な議論にならない. もっとじっくり議論すれば共感できるかもしれないが,断片的で,ひっかかる点のほうがめだつ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ポスト3・11 変わる学問@ [bk1]ポスト3・11 変わる学問@Amazon.co.jp

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2012-04-08

書評:政治・法律・憲法, 政治・法律・憲法:災害と政治, 社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

震災発生時にたまたま石巻にいた官僚の著者は,中央にもどらずそのまま 50 日間石巻でできる限りのことをして,そのレポートを霞ヶ関におくりつづける. それをもとに書かれたのが本書だ. 市役所の混乱した状況や役人たちの対応などが冷静にえがかれている. 興味ぶかく読むことができ,また貴重な資料でもある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 被災、石巻五十日@ [bk1]被災、石巻五十日@Amazon.co.jp

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2012-04-10

社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

震災時にさまざまなメディアがなにをしてきたかが,ひとつのおおきなテーマになっている. グーグルが震災後 2 時間以内でたちあげたという person finder について書いている. そしてヤフーやアマゾンなどもそれぞれが震災後やってきたことを書いている. これらは貴重な記録だ. ツイッターや他のネット・メディアがどのようにつかわれたか. またマスメディアとくに海外のマスメディアが日本の状況をどうつたえたか.

東 浩紀 は 「日本はいま,江戸時代末期のように開国と攘夷に分かれつつある」 という. ここまで劇的な表現はみたことがなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: IT時代の震災と核被害@ [bk1]IT時代の震災と核被害@Amazon.co.jp

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書評:心理, 心理

「通勤電車で座る」 がテーマになっていて,実際にそれに関することが内容の大半だ. しかし,著者をみならうべきなのは,通勤電車のなかでぼーっとしていないで,まわりの人間を観察し,ありとあらゆる思考をめぐらしているというところだ. ぼーっとしているのと,これだけあたまをつかっているのとの差はきっとおおきいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 通勤電車で座る技術! (単行本)@ [bk1]通勤電車で座る技術! (単行本)@Amazon.co.jp通勤電車で座る技術! (文庫)@ [bk1]通勤電車で座る技術! (文庫)@Amazon.co.jp

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社会・経済:日本の再生と針路, 書評:社会・経済

タイトルにある 「大震災」 にひきつけられて買ってしまったが,実は震災にはあまり関係がない. 著者がいつも主張している 「日本の生きる道は製造業ではない」 という話であり,震災以前から日本がすすむべき道はかわらないということだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大震災からの出発@ [bk1]大震災からの出発@Amazon.co.jp

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2012-04-11

社会・経済:災害・地震, 書評:環境・エネルギー, 環境・温暖化・エネルギー, 書評:社会・経済

著者の計算によると,原発のかわりに化石燃料をつかうと大気汚染などで年に 3000 人くらいよけいに死亡するが,原発を運転してもそれほど死者はでないという. その真偽はともかくとして,原発か反原発かをきめるときにこういう冷静な思考をすることは必要だろう. 反原発を主張するなら,この本の挑戦をうけるべきだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「反原発」の不都合な真実@ [bk1]「反原発」の不都合な真実@Amazon.co.jp

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社会・経済:災害・地震

震災後,東京から近郊への帰宅困難者のための対策がとられてきている. 都心の会社や施設などで,いそいで帰宅しなくてもよいように備蓄食料や仮眠設備が整備され,一時避難の場所が整備されている. しかし,私は逆向きに帰宅する少数派だ. 私のような東京への帰宅困難者には対策はどれだけ,とられているのだろうか?

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2012-04-12

社会・経済:災害・地震, 書評:環境・エネルギー, 環境・温暖化・エネルギー, 書評:社会・経済

タイトルからして,あまのじゃく的だ. 書いていることにそれほどおおきなまちがいはないようにおもえるが,被災者への配慮はほとんど感じられない. 原発災害がもたらすのが精神的な被害であることは著者も書いているとおりだが,そうであるなら,著者も,また災害対策においてもそこに配慮する必要があるだろう. それを欠いた著者の主張はうけいれられないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 原発「危険神話」の崩壊@ [bk1]原発「危険神話」の崩壊@Amazon.co.jp

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書評:Web とインターネット, Web とインターネット

著者らが東大大学院でおこなった 「インターネット数理科学」 という講義をもとに書いたという. タイトルもそのままつかわれているが,実際の内容は暗号などの部分をのぞいて,大半が 「数理」 つまり数学的な内容ではない.

「数理科学」 ということばがついていると正確な内容を期待してしまうが,正確さにも問題がある. 1.2 節には,インターネットは完全分散型のネットワーク構成をとっていると書かれているが,ここではネットワークの構造を話題にしているから,この記述はただしくない. ルーティングなどの制御に関してならただしいのだが… また,1 章ではルーティングテーブルとフォワーディングテーブルを分離して記述しているのに,4 章では両方の内容が 「ルーティングテーブル」 ということばで参照されていて,一環していない. ことなる著者が書いているためだろうが,1 冊の本の一貫性くらい,チェックしてもらいたいものだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: インターネット数理科学@ [bk1]インターネット数理科学@Amazon.co.jp

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生活:食品・料理と嗜好

ブルックスは低価格で比較的品質のよいドリップ・コーヒーを売っている. だから,私はそれを愛用してきた. とくにすきだったのが (エチオピアン)「モカ」 だが,病気でやられたとかで,すっかりダメになってしまった. 比較的最近になって 「モカブレンド」 というのを売りだしたが,これはいただけなかった.

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2012-04-14

メディア・アート・イベント・エンターテイメント:文学

私が大学の教養課程にいたのは,はるかにむかしのことだ. 当時の科目のなかでも,比較的インパクトがあった物理化学などとくらべると,英語はあまり記憶にのこっていない. それでも,ベケットの戯曲を読んだことだけは記憶にのこっている.

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2012-04-15

社会・経済:社会保険・高齢者対策・福祉サービス

年金の充実は福祉の必須項目だとかんがえられてきた. しかし,それをみなおすときがきているのではないだろうか? 福祉が必要なくなるわけではもちろんないが,年金を維持するために消費税を増税するなどということは,やめるべきなのではないだろうか?

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書評:メディア・アート・イベント・エンターテイメント, メディア・アート・イベント・エンターテイメント:建築・都市計画, 書評:社会・経済

東日本大震災後にひらかれたシンポジウムの記録であり,震災が建築やコミュニティのありかたをかえるきっかけになることを予想している. 東日本大震災の話題はあちらこちらに登場するが,あまり具体的ではない. 震災前からわかっていた 1 住宅 = 1 家族 の問題点などを追求していて,今度の震災の被災者のニーズとは無関係だという印象をうける.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 3・11後の建築と社会デザイン@ [bk1]3・11後の建築と社会デザイン@Amazon.co.jp

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社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

タイトルからして東日本大震災を意識していることはたしかだが,被災地の具体的な事情などはいっさい考慮していない抽象的な議論であるようにみえる. 復興ビジョンの試案のひとつとして考慮するとよい部分もあるだろうが,ビジョンをたてるまえに具体的な事情を考慮しなければ,ビジョンとしても絵に書いた餅になるだけだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大震災復興ビジョン@ [bk1]大震災復興ビジョン@Amazon.co.jp

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情報通信博物館:MacBook, 知的生産とリテラシー:プレゼンテーション・PowerPoint, 文化・教育と学習:教育・大学・研究

工学院大学の講義で Macbook Air をつかっている. PowerPoint を買ってつかってもよいのだが,とりあえず,Apple が提供している Keynote というソフトウェアをためしている. まだなれない点もいくつかあるが,しだいに解決されてきている.

つづく…

知的生産とリテラシー:プレゼンテーション・PowerPoint

Windows ではプレゼンテーションのために PowerPoint をつかっているが,Macintosh 上の PowerPoint との互換性はよくない. 文字と図がかさなったり,表がうまく読めなくなったりすることがよくある. それとくらべると,むしろ Mac の Keynote '09 (ver 5.5.1) のほうが Windows の PowerPoint との互換性はよいくらいだ.

つづく…

情報通信博物館:MacBook

家でつかうパソコンは MacBook Air にシフトしつつある…」 に書いたように,最近は家でもデスクトップより MacBook Air をつかうことがおおくなっている. ひらくとすぐつかえる便利さは,画面のせまさやキーボードのつかいにくさより,まさっている. しかし,印刷の不便さだけは,こまっている.

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2012-04-16

社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

東日本大震災がもたらした津波と原発事故をテーマとした本はすくなくないが,この本は震災後に著者が会ったひとりひとりの人間をえがいている. さらに,原発に関してはそれを推進してきた正力松太郎やさまざまな政治家や東電などの企業人をいきいきとえがいている. 石原慎太郎など現在の政治家には批判的だが,これらの過去のひとは冷静にえがいているところに好感がもてる. だが,「いま私たちに問われているのは,これまで日本人がたどってきた道とはまったく別の歴史を,私たち自身の手でつくれるかどうかである」と書きながら,これからどこにどうやってむかっていけばよいかについては,ほとんどふれないままになっている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 津波と原発@ [bk1]津波と原発@Amazon.co.jp

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2012-04-17

社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

「NHK 独り勝ち」 には,いろいろな意味がふくまれているようだ. 東日本大震災がおこったとき,NHK は唯一,仙台空港からヘリコプターをとばすことができたというのだが,そこには必然と偶然が両方,作用している. 震災報道を 1 日ごとに検証する第 1 章に対して,第 2 章以下は震災とは無関係であり,番組制作の方法,他社との関係,政官との関係,不祥事などをとりあげている. バランスのとれた構成ではないが,全体として NHK の問題点をしめすことには成功しているといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: NHK 独り勝ちの功罪@ [bk1]NHK 独り勝ちの功罪@Amazon.co.jp

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社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

この本は 茂木 健一郎 と 竹内 薫 という 2 人の科学者とサイエンス・ライターとの対話で構成されている. 東日本大震災では Twitter などのネットメディアが重要なやくわりをはたしたが,その反面,妥当でないことを執拗に主張するひとがいることがとりあげられている. そこでとりあげられているひとつの視点は 「パターナリズム」 つまり,こどものように受け身で国の対策をもとめる姿勢だ.

あとがきには,科学で一番重要なのは対話をすることであり,その際,ことなる意見を比較することが科学の方法論の神髄だと書かれている. そうかもしれないが,この本の内容は哲学的対話だとしても,科学的対話だとはとてもおもえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 3.11 以後@ [bk1]3.11 以後@Amazon.co.jp

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書評:思想・哲学・宗教, 思想・哲学・宗教

じっくり読むと疑問だらけの内容だが,文章にリズムがあり,読んでいるとひきこまれる. すんなり読めるのは,どこかできいたことがある内容が多いせいかもしれない. 「あなたが意識したことが実現する.意識しないことは実現しない」 とか,「ナンバーワンよりオンリーワン」 というように…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: いつでも、今がいちばん幸福@ [bk1]いつでも、今がいちばん幸福@Amazon.co.jp

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文化・教育と学習:教育・大学・研究, 書評:文化・教育と学習

小学校から高校までの授業方法に関する本は多数あるだろうが,大学に関してはすくない. 大学教員がこのような本を (読むべきなのにもかかわらず) 読もうとしないからなのだろう. あるいは,大学での講義のやりかたも高校とそれほど差がなくなっているから,専用の本はいらないということかもしれない.

第 1 章はシラバスの書き方にあてられているが,これは大学ならではだろう. ワークショップのような学生主体の授業のすすめかたに重点があるが,なかなかそこまでできない教員が多いだろう. もうすこし手間のかからない方法で学生をひきつけられないかとおもうが,そういうノウハウはあまりえることができなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 授業方法とデザイン@ [bk1]授業方法とデザイン@Amazon.co.jp

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2012-04-18

社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

安全性の議論に欠かせないのが確率であり,著者はそこに切りこもうとしている. そこにある程度はふみこむことができたが,十分だとはいえないだろう. また,この程度でも文科系のひとには理解困難なのではないだろうか.

大災害としてよくとりあげられるリスボン地震に関するカントの記述をはじめ,さまざまな引用が著者の主張をささえている. しかし,それにしても 「哲学叢書」 の 1 冊としては論理があますぎるといわざるをえないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 災害論@ [bk1]災害論@Amazon.co.jp

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2012-04-19

メディア・アート・イベント・エンターテイメント:音楽評

1 年前から気にかかっていた曲をようやく CD できいた. 作曲者は広島の被爆者のこどもであり,原因不明のまま全聾になりながらも作曲をつづけているという. その苦しみとともに,おおきなエネルギーがこの曲にはある. ロマン派的な曲想が中心であり,マーラーやショスタコービッチのあとをつぐ作曲家ともあわれているが,チャイコフスキーをおもわせる曲想や,ルネサンス的な部分や単線率的な部分もある. 解説書によると,曲の形式は第 1 楽章がややくずれたソナタ形式だが,後続の 2 つの楽章はあまりはっきりしない.

形式がはっきりしていないとはいえ,曲想や曲の展開にそれほど新鮮さはない. 旋律はマーラーやワグナーの旋律の展開と似ていて,つぎの音が予測からはずれない. むだな音がないということができるが,あたらしい発見はあまりない. それでいて,作曲者の経験があまりにふつうのひととはちがっているためもあるのだろうが,かならずしもストレートにはつたわってこない部分がある. 一度はきくに値する曲だとおもうが,マーラーのようにくりかえしききたいとまではおもえない.

CD: Denon COCQ-84901

評価: ★★★★☆

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社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

産経新聞に掲載された東日本大震災の被害者の話などをあつめている. ひとつひとつの記事はみじかいが,それだけに 200 ページほどの本のなかに 50 件ちかいさまざまなケースが 1 冊にあつめられている. 貴重な記録だといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: がれきの中で本当にあったこと@ [bk1]がれきの中で本当にあったこと@Amazon.co.jp

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2012-04-20

社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

著者が震災直後,収監をひかえた時期にリツイートしまくったこと,著者が理想とかんがえる東北のすがた,そして瀬戸内寂聴との対話などからなっている. 常識にしばられない自由な思考だが,いまひとつ魅力に欠ける.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 0311 再起動@ [bk1]0311 再起動@Amazon.co.jp

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社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

被災者向けの災害後の復旧マニュアルだ. 東日本大震災後に改訂されているが,この本のおもな対象は比較的軽い被害をうけた人,あるいはもっと小規模の災害だろう. その範囲では,いろいろ,きめこまかく書かれていて,やくにたつのではないかとかんがえられる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 災害のあと始末@ [bk1]災害のあと始末 (旧版)@ [bk1]災害のあと始末@Amazon.co.jp災害のあと始末 (旧版)@Amazon.co.jp

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2012-04-21

社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

ハードカバーの本ではあるが,2011 年 6 月に出版され,すでにほぼ役目をおえてしまっている. 東日本大震災でなにがおこり,経済にどういう影響をあたえたかが分析されているが,いまからみると,あやまった点もある.

一番価値がある部分は 4 章の 「復興へのロードマップ」 だろう. 出版の時点から短期および長期にわたって復興のために何をするべきか,さまざまな提言がなされている. いまみると,短期の提言のなかにはすでに実現されているものがおおい. この本がしめした時期よりはおくれたものがおおいようだが. しかし,たぶん政府のかんがえがちがったために実現していないこともある.

いま,なぜ実現されてないのかかんがえてみるのも,わるくないのではないかとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 岐路@ [bk1]岐路@Amazon.co.jp

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書評:政治・法律・憲法, 政治・法律・憲法

日本人の言うこと,書くことだけをきいていても,日本の政治,安全保障,東日本大震災の全体像はつかめない. 「ゆすり発言」 で更迭されながら震災対応にあたった著者の意見はその穴をうめるのに適切だろう. 日本人の著者が大半の新書のなかで,この本は貴重だ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 決断できない日本@ [bk1]決断できない日本@Amazon.co.jp

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2012-04-24

書評:社会・経済

17 人のひとがみた,それぞれの東日本大震災について書いている. そのなかには津波におそわれた直後の凄惨な現場の様子もある. 遺体にかぶせられたブルーシートをはずして写真をとるカメラマンもえがかれている. 震災関連のニュースを見聞きし,本も相当数読んできたが,この本のなかにはまだそのなかになかったことがいろいろとえがかれている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: わたしの 3.11@ [bk1]わたしの 3.11@Amazon.co.jp

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社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

高橋是清の財政を検証し肯定して,それと比較して東日本大震災後にとるべき政策として国債の日銀ひきうけを主張している. 高橋財政に対しても評価しない意見がすくなくないが,それ以上に,当時と現在との世界経済の差をかんがえると,「高橋財政の成功」 が,いまとるべき政策を支持する理由にはならないようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

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仕事と起業, 書評:仕事と起業, 書評:生活, 生活

この本をはじめ,「忙しい,忙しい」 と言うことをネガティブにとらえている本が多い. 時間をうまくつかえば,そんなことをいわなくてもすむということだろう. しかし,ほんとうにそうなのだろうか? そこに疑問をもちつつ読んでいくと,この本にはひとを説得する材料に欠けているようにおもえてくる. 付録の 「時間とお金を奪う! いらないモノリスト」 なんて,おおきなお世話だ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「忙しい」という人ほど…@ [bk1]「忙しい」という人ほど…@Amazon.co.jp

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社会・経済:日本の再生と針路, 社会・経済:災害・地震, 書評:社会・経済

13 人の専門家による提言集だ. 経済の専門家が多く,内容も経済と原子力に関するものが多い. 復興庁を東北につくり,いずれは東北州の州政府にするのがよいという意見もある. 私自身もそれがよいとかんがえていたが,復興庁はそうはならず,政治の改革もできなかった. これをふくめて,実現されていない,またこれからもされそうにない内容が多い.

評価: ★★★☆☆

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2012-04-27

Web とインターネット:eコマース (ネット通販)

くすりをネットなどで通信販売することが 2009 年の薬事法改正を機に禁じられた. しかし,ケンコーコムとウェルネットの訴訟に対して 26 日に東京高裁はネット販売をみとめる判決をだした. ネット販売だけでなく,ながらくみとめられてきた郵便による通信販売も禁止した厚労省の省令は不当であり,高裁判決をつよく支持したい.

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政治・法律・憲法:政治家, 言語・コミュニケーションとネットワーキング:新聞・マスコミ・ジャーナリズム

最近,原発に関する枝野経産相の発言がブレていると,朝日新聞などがさかんに書きたてている. 26 日の朝日新聞の天声人語でもそうだ. しかし,発言の内容も検証しないままブレていると書きたてることは,いわれなき悪質な非難といわざるをえない.

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書評:メディア・アート・イベント・エンターテイメント, メディア・アート・イベント・エンターテイメント

前衛芸術家としての自身と,これまでおこなってきた 「ハプニング」 などのパーフォーマンスにつよい自信をもっていることがわかる. 著者を評価するおおくの評論が引用されていて,それが自信につながっているようだ. この本における自身に関するいいまわしは,驕りともうけとれる. しかし,驕ってつぶれていく作家とはちがうことは,これまでの著者の活動からわかる.

この本では,ひとを裸にする 「ハプニング」 や特異な創作物が著者の少女時代の経験に由来していることもしめされている. これまで不可解だった部分が,この本によってわかってくる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 無限の網 (文庫)@ [bk1]無限の網@ [bk1]無限の網 (文庫)@Amazon.co.jp無限の網@Amazon.co.jp

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書評:生活, 生活

時間のつかいかたに関して,さまざまな提案をしている. いろいろなことを同時並行でやることで時間を有効につかえるというのは,ほかのひともいっていることだ. しかし,「気が散る先を,自分にとってプラスになるものにする」 というのはオリジナルなのではないだろうか. この本のなかには,ほかにもいろいろヒントがある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 夢をかなえる時間術 (文庫)@ [bk1]夢をかなえる時間術@ [bk1]夢をかなえる時間術 (文庫)@Amazon.co.jp夢をかなえる時間術@Amazon.co.jp

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政治・法律・憲法:小泉純一郎内閣, 書評:社会・経済, 社会・経済

この本は小泉政権のころのものであり,田中 真紀子 外相更迭にがっかりしたことなどが書かれている. 庶民的な感覚だ. 昭和天皇を評価するひとは多いが,この本で吉本も 「昭和天皇というのは天智天皇と並ぶ大皇帝であったとおもう」 と書いている. 著者は過去に書いたまちがいをすなおにみとめつつ,現在 (2002 年) については他人に影響されず大胆に,しかしたぶん慎重に,発言している. そのなかには 「脳死は人の死ではない」 という発言もある. メディアはもちろん,「常識的な」 ことしか書かないおおくの評論家などとは一線を画している.

評価: ★★★★☆

関連リンク: メディアを疑え@ [bk1]メディアを疑え@Amazon.co.jp

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書評:メディア・アート・イベント・エンターテイメント, 書評:思想・哲学・宗教, 歴史:戦争, 書評:政治・法律・憲法, 政治・法律・憲法:政治家, 書評:歴史

3 月 16 日に 吉本 隆明 が死んだ. なまえは知っていたが,いままで著書を読んだことはなかったし,吉本が書くような雑誌はめったに読まないので,文章を読んだこともほとんどなかった. しかし,これを機に何冊か読んでみて,これまでかんがえていたのとはだいぶちがう印象をもった.

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2012-04-28

歴史:戦争, 書評:歴史, 政治・法律・憲法:民主主義

この本の内容はおもに小林よしのりの 「戦争論」 に対する批判だが,小林よしのりや新しい歴史教科書をつくる会に対する批判だけでなく,戦後民主主義や共産党もあわせて批判している. 「従軍慰安婦」 に関しては日本が謝罪し賠償すべきだといっているが,それに関しては十分に納得できる理由がしめされているとはいえない. 憲法 9 条に関しては護憲派であり,それをなしくずしにした 吉田 茂 を批判している. 日航機ハイジャックで福田首相が 「生命は地球よりも重い」 といって人質を解放したことを 「自民党のやった 「一番いいこと」」 だといっているが,これは理解できない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 私の「戦争論」 (文庫)@ [bk1]私の「戦争論」@ [bk1]私の「戦争論」 (文庫)@Amazon.co.jp私の「戦争論」@Amazon.co.jp

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書評:メディア・アート・イベント・エンターテイメント, メディア・アート・イベント・エンターテイメント:写真・ビデオ・映画・テレビ, 政治・法律・憲法:政治家, 書評:社会・経済, 社会・経済

この本は,テレビタレントやテレビ番組などに関する評論集だ. 美空ひばりなどを評価し,筑紫 哲也,田原 総一朗 などの 「進歩派」 を批判している. スポーツの話題もあり,昭和天皇の死やその後のメディア等でのあつかいなどもとりあげられている. 著者の視点や完成は庶民的だが,評論に書くためにテレビをみながらいろいろメモをとっていたらしい. そういう努力のたまものなのだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 状況としての画像 (文庫)@Amazon.co.jp状況としての画像@Amazon.co.jp

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2012-04-30

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

2008 年に大門駅から根津方面までの散歩を企画したが,東京駅まででおわってしまった. それ以来,東京駅発の散歩をいつかしたいとおもっていたが,それをようやく実現させた.

つづく…

政治・法律・憲法:政治家, 観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,東京駅と同時にみたものが駅前の郵便局だ. この郵便局は 4 年前にみたときから予定されていたように高層ビルにたてかえられたが,この間に鳩山邦夫のいやがらせをうけて,工事の内容も変更されている. つまり,もとのビルの一部だけがのこされている.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,丸の内から日本銀行をめざして,あるきはじめた. その途中で地下鉄の出口を何度もみるが,まだ東京駅のそばであるにもかかわらず,どれも駅名は 「大手町」 だ.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,日本銀行をめざして東京駅北のガードをくぐり,北へむかうと,そこには JX ビルがある. その周辺にもいくつか,おもしろいものがある.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,常盤橋をわたって日本銀行にちかづくと,まずみえるのは貨幣博物館だ. さきをいそがないなら,はいってみてもよいのだが,きょうはやめておこう.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で日本橋あたりをあるいていると,ビルのはざまのあちこちに神社や地蔵などがある. もうすこしさきにいくと,そこには水天宮がある. それから,装飾のあるトイレもあるが,これはなにを意図しているのだろう.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,水天宮からすこし浜町公園方面にいくと,道の中央が公園になっているところがある. これが浜町緑道だ. 日本橋といえば都心だが,くるまもほとんどとおらず,細いがゆったりしていてよい. そして,そこから明治座の横をとおっていくと,浜町公園にでる. ここも隅田川に面していて,いろいろなものがあり,発見がある.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,両国橋をわたってから北へむかうと国技館がある. 国技館のとなりが江戸東京博物館であり,いまは塔に関する特別展がひらかれているが,それはみずに常設展だけをみた.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,両国と深川をあるきまわった. ここには,あちこちに関東大震災の記念碑などがある. 東日本大震災を経たいま,これらをたどってみるのも,わるくないのではないだろうか?

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観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,両国南部をあるきまわった. ここには相撲部屋があつまっている. また,寺も多数ある.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,両国南部をあるきまわった. 地図でみると道の方向が周囲とはちがう,ちょっと不思議な地域があり,ちょっと気になった. そこでその近辺をあるいてみたが,そうなっている理由もある程度わかった.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,両国南部をあるきまわった. すもうや吉良に関すること,それからちょっと不思議な地域に関してはほかの項目に書いたので,ここにはそれ以外のおもしろいこと,つまり,ちょっとおもしろい建物や記念碑などについて書くことにする.

つづく…

観光・旅行・出張:散歩・まちあるき

東京駅丸の内からの散歩で,29 日の最後にたちよったのは清澄庭園だ. 150 円の入園料でかなりたのしめる.

つづく…

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