本書は Amazon や Google のさきをさぐろうとしているが,このテーマではおなじ著者が 「ネット未来地図」 という本を書いていて,そちらのほうがおもしろい. 本書はまだ Google のつぎにせまれていないようにおもわれる. むしろ,本書のおもしろいところは第 1 章,Web 2.0 ということばがまだなかった時代に Web 2.0 の世界にせまってきたさまざまなベンチャーについての記述である. これからベンチャーをおこそうとするひとにとっても価値のある記述だろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 次世代ウェブ@ , 次世代ウェブ@Amazon.co.jp.
不二家,石屋製菓,赤福と,菓子製造上の問題がつぎつぎに発覚しています. いずれも菓子の材料や製品の廃棄を避けようとしたことが原因です. 廃棄をさける動機はコストをさげたいということだったかもしれませんが,まだつかえるはずのものを単に期限がきれたからといって捨てるのはもったいないという自然な感情がこうした問題をひきおこしているのではないでしょうか? もしそうだとすると,ただ規則を厳格に適用することによって問題を解決するのがただしい解決策なのかどうか,疑問におもえてきます. また,食品に関しては,異物混入のために大量に回収して廃棄するという事件も多発しています. この場合も,ほんとうは廃棄しなくてよいものが廃棄されていて,もったいないと感じます. もっとまともな解決策はないのでしょうか?
他の入門書とちがって,本書は実際にコンピュータにコマンドをうちこみながら,IPv6 を IPsec を中心にまなんでいくことができる本である. さわってみてはじめてわかることもすくなくない. しかし,いま,さわりながらまなぶとしたら,Windows XP や Windows Vista をつかいたいひとが多数だろう. この本は KAME (カメ) プロジェクトの IPv6 実装を前提としているので,読者は Free BSD をのせたマシンを用意する必要がある. Linux に IPv6 を実装した USAGI (ウサギ) プロジェクトはこの本が出版される約 2 年前にはじまっているが,それへの配慮もない. したがって,かなり,つかいにくい本だということはいえるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 使って学ぶ IPv6@ , 使って学ぶ IPv6@Amazon.co.jp.
本書は入門書としてできるだけていねいな記述をこころがけているとおもわれる. IPv4 と IPv6 とのちがいもよく説明されている. 実験システムやコマンドの記述もあるので,読者もそれをためしてみることができるだろう. ルーターが必要なところでは Free BSD をのせた PC が必要だが,ほかは Windows XP でためすことができる. ただ,文章の完成度や記述の正確さではいささか疑問がある. また,本書は 2003 年に出版されているが,その後 IPv6 は改訂されているので,最新情報はほかの本などにたよる必要がある.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 入門 IPv6 ネット@ , 入門 IPv6 ネット@Amazon.co.jp.
世間では iPod (アイポッド) と iTune (アイチューン) に注目があつまっているが,この,すごくこまぎれで音楽を売買する世界は,どうやら私には無縁の世界である. むしろ,クラシックの世界ではやっている CD 数 10 枚組というまとめ売りの世界のほうが私にはずっと興味がある.
The Essential Sibelius (シベリウス選集) という 15 枚組の CD を買いました. シベリウスの交響曲,管弦楽曲,歌曲,室内楽曲などがはいっています. シベリウスの曲は交響曲でもたぶん,これまでに全曲はきいていません. このシリーズは演奏も録音もよく,シベリウスをききなおす,よいチャンスだとおもいます.
もう 10 年以上,WaterPik (ウォーターピック) のシャワーヘッドをつかってきました. 写真のものは 2 代めです. 最初に買ったものは本体の色はちがっていましたが,かたちはほとんどおなじでした. これがつかえなくなったので修理をこころみましたが,結局うまくいかず,アメリカの Web ショップから買ったのがこの 2 代めです. マッサージなど数種類のきりかえができますが,それよりも,シャワーの角度やひろがりぐあいが適当なので,これをつかっています.
欧米ではシャワーは基本的に壁にとりつけた器具から放水するものですが,日本では手にもってつかうことがおおいようです. 海外にいっても手にもてるシャワーをさがすひともいるようですが,私はアメリカでくらして以来,ふろにはいらずシャワーだけですますことがおおくなり,またシャワーを手にもつことは基本的になくなりました. 日本のホテルではシャワーへの配慮がたりないところがおおくて,こまります.
私がどのようなシャワーヘッドをつかっているかについては 「シャワーヘッドの形状とつかいかた」 という項目に書きました. シャワーは節水のため,ぎりぎりしぼってつかうようにしています. これで冬場は問題ないのですが,夏になるとこまった問題がおこってきます. 水の温度が設定温度よりたかくなったり,逆にひくくなったりする (水がでる) のです. つぎに買うときはこういう問題がおこらない給湯器が買いたいとおもうのですが,以前しらべたかぎりでは,いまのガス給湯器にはこの点に配慮したものがほとんどないようです.
私は 1989 年ころに 1 年半,アメリカでくらしていましたが,このとき歯科医にすすめられてはじめたのが,プラークをおとすために InterPlak (インタープラーク) という電動歯ブラシをつかうことでした. いまでは電動歯ブラシの種類はかわりましたが,ジェット水流で歯間清掃する WaterPik (ウォーターピック) とくみあわせて,毎日かならずつかっています (WaterPik については,「WaterPik ― 歯間清掃のためのジェット水流」 という項目に書きました).
2007 年 10 月時点での日本語の本としては,IPv6 の最新仕様に関する唯一のものであり,また入門書には書いてないややくわしいことを知ろうとしたときにもほとんど唯一のものである.500 ページをこえる分量であるが,日本人が書いた筋肉質の本とくらべるとエピソード的な内容が随所にふくまれていて,刺激的である.
評価: ★★★★☆
関連リンク: IPv6 エッセンシャルズ@ , IPv6 エッセンシャルズ@Amazon.co.jp.
私が仕事をしていて腹のたつことのひとつは,私が一生懸命書いた文章をよむひとがすくないということです. 社内でも協業他社でも,もとめられるのは説明文ではなくてパワーポイントの資料です. 一生懸命,絵をかくことがもとめられます. たしかに図は短時間で把握するのにはよい. しかし,図をつかっても論理をきちんとかくことはできませんし,なによりも文章よりかくのに時間がかかります. 時間がかぎられているから,論理をきちんと記述する必要があるからといって文章でかいたものを,よまずにすませるなどということがあってよいのでしょうか. また,論理をはっきりさせるべきところを書かずにすませるなどということがあってもよいものでしょうか.
私がつとめている会社ではひとが書いた文章をよまずにすませようとする習慣があるということを 「日本の会社では文章をよまない・かかない悪習がある」 という項目で書きました. この悪習は私がみたところでは,すくなくとも業種がちかい他社でもあるようにみうけられます. しかし,私はそれとは文化のことなる 2 つの会社とつきあうなかで,ドキュメントに関するかんがえかたにあきらかにちがいがあることを発見してきました. そのことについて,もうすこしくわしく,書いてみることにしましょう.
私はこの日本語ブログのほかに英語のブログもたてています. しかし,英語のブログに書く頻度は日本語の 1/10 以下です. こういう 「とじこもり状態」 はのぞましいものではないとおもいます. これを反省して,この状態からぬけだす方法をかんがえようとおもいます. とはいっても,いまのところは名案があるわけではありません.
「シャワーヘッドの形状とつかいかた」 や 「WaterPik ― 歯間清掃のためのジェット水流」 という項目に書いたように,WaterPik (ウォーターピック) の歯間クリーナー (oral irrigator) やシャワーヘッドを Web ショップで買ってつかっています. 買った店は Goodman's です. この店は日本への送料は比較的たかいのですが,価格は比較的ひくいので,まとめ買いすればひきあいます.
現代は Web 2.0 (ウェブ 2.0) の時代だといわれます. Web 2.0 の代表として Google (グーグル) や Amazon.com (アマゾン・ドット・コム) があげられますが,これらはほんとうに Web 2.0 の代表なのでしょうか? いまはべつの意味では P2P (peer to peer,ピア・ツー・ピア) の時代ともいえます. P2P のサービスについていうと,最近はやっている Winny (ウィニー) などとくらべて,Google や Amazon は Napster (ナップスター) に似ています. そのうち Google や Amazon にかわる Winny のようななにかが登場するのでしょうか?
テレビ,ラジオ,インターネットなど,さまざまなメディアに広告 (CM) がのせられています. しかし,電話や会議システムに広告をのせるというのは,きいたことがありません. どうしてでしょうか? 電話ないしそれにちかいメディアに広告をのせる可能性はないのでしょうか?
本書の一番のテーマは,Web 2.0 によって社会は 「フラット化」 するといわれているが,Google や Amazon は一極集中している,「ロングテール」 といわれる現象も Amazon のように巨大な在庫をもつことによって実現されているということである. この論旨をささえるためにスケールフリー・ネットワークの理論まで,もちだされる. 著者は多様なものや異質なものをみとめることによって,こうした傾向に歯止めをかけたいとかんがえているが,そのためのみちすじはあきらかにされていない. この本の結末は悲観的にみえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: グーグル・アマゾン化する社会@ , グーグル・アマゾン化する社会@Amazon.co.jp.
最近,私は大半のテレビ番組をハードディスク・レコーダでとってからみています. NHK の番組がおおいのですが,民放で唯一,毎日録画しているのがテレビ東京のワールド・ビジネス・サテライト (WBS) です. これを 1.5 倍速で再生し,CM をとばすと,1 時間の番組を約 30 分でみるとができます. CM は基本的にはとばすのですが,最初の 1 ~ 2 秒はみています. 冒頭の部分で興味をひかれたときは,その CM はとばさないということもあるわけです. しかし,逆にいえば,最初の 1 ~ 2 秒でなにかがつかめなければアウトということです.
「いまは Napster の時代 (?)」 において,P2P (Peer to Peer,ピア・ツー・ピア) の世界では Napster (ナップスター) のように集中型のデータベースをもったアーキテクチャから分散型のアーキテクチャに移行したのと同様に,集中型の Google (グーグル) や Amazon (アマゾン) にかわるものが登場するとおもしろいということを書きました. 検索エンジンに関しては分散型のものもあらわれていますが,書店に関しては分散型の P2P アーキテクチャははたして可能でしょうか?
交響曲作家のおおくは 9 曲 (マジック・ナンバー !) くらいの交響曲をつくっています. それでは,一生のあいだにかいた交響曲がそれぞれもっとも個性的であり異質なものをふくんでいる作曲家はだれでしょうか? 私はそれはベートーベンだとおもいます.
近年とくに感じることは,あじつけされた惣菜を買うとかなり甘いことがおおい,その一方で菓子をたべてもあまり甘くないことがおおいということです. 料理が甘くないから菓子の甘みがひきたつのではないでしょうか? 日本のたべものはメリハリがすくなくなっているようにおもえます.
Sony BMG (ソニー ビーエムジー) による “Beethoven Complete Masterpieces” という 60 枚組の CD を買いました (2009 年 9 月現在までに廃盤になったようで,リンクは中古商品につながっています). まだわずかしかきいていませんが,デイヴィッド・ジンマン (David Zinman) という指揮者,Yefim Bronfman というピアニストによる交響曲とピアノ協奏曲の演奏は,ベートーベンのダイナミックさをちょっと強調しすぎているようにおもえます.
民主党代表の小沢一郎が福田康夫首相と 1 対 1 で会談して 自民-民主-公明 大連立の話をもちかえって否定され,会見して代表を辞任するといった 2 日後にはそれを撤回したという騒動. 理解できるとしたひとがおおいようにみえますが,理解できないという意見をもっているひともすくなくないようです. 理解できないのは,なぜ “大連立” なのかが理解できないか,挫折をあじわったことがない (あるいは政治が人間がつくるドラマだということが理解できない) か,いずれかであるようにおもえます.
しばらくまえにプレミアム・モルツの黒ビールをやすうりしている Web ショップがあったので,それを買いました. マイルドな味ですが,あわだちのよさではギネスにも匹敵しているようにおもえます. そのために,こまったことも発生しています.
ここ数年のあいだに,生活保護をうちきられて,ついには餓死にいたるという事件がときどき発生しています. 生活保護の予算が削減されていることが背景にありますが,はたしてそれだけの問題なのでしょうか? 「福祉」 というものの本質がみうしなわれた結果なのではないでしょうか?
このブログにはできるだけ写真をのせるようにしています. 写真はひとの目をひきつけるちからがあるからです. そのなかには,自分でとった写真もあり,借りものの写真もあります. ここでは,そういう写真のえらびかたとつくりかたについて書きます.
日華事変以来,日中の関係はよかったとはいいがたいのですが,小泉政権下で最悪になり,現在も十分回復したとはいえません. その原因としては中国の日本への (あるいは中国人の日本人への) 誤解もあるでしょう. しかし,日本人に欠けているもののひとつは,ながい歴史と文化をもつ中国への敬意ではないかとおもいます.
タイトルからして 「日はまた昇る」 の続編のようなつもりで買ったのだが,内容は日本だけでなくアメリカ,ヨーロッパ,中東にまで言及している. 日本を中心として世界全体をながめるのにちょうどよい本かもしれない. 日本ではジャーナリズムも近視眼的で,中東などのできごとが歴史的な考察までくわえながら論じられることはまれである. このうすい本からまなべることはかぎられているが,こういうインターナショナルな視点をまなぶべきだろう.
評価: ★★★★☆
くだもののなかで,りんごは比較的すきなほうです. とはいっても,たべるのはほとんど紅玉にかぎられています. 最近は酸味がつよいことがきらわれていますが,りんごらしい香りとしっかりした味は最近の品種にはないものです. 最近はりんごジュースでも紅玉以外の品種がつかわれることがおおくなっているようですが,むかしはジュースには紅玉は不可欠といわれました.
1988 年の秋からしばらくアメリカでくらしていましたが,そのときに習慣づいたことのひとつは,毎朝オレンジ・ジュースをのむことです. これは日本にもどってからもつづいていますが,アメリカにいた当時から,安価な濃縮還元のジュースをのんできました. しかし,最近アメリカにいったときのたのしみのひとつは,ストレートのオレンジ・ジュースをのむことです. アメリカではもちろん,シンガポールなどでもこれは比較的安価に売っているのですが,日本ではあまり売っていません.
参議院議員選挙以来,衆議院とのあいだで 「ねじれ」 が発生しています. いま国会では法案がほとんどとおらない状況になっています. この状態を打開するために福田首相は民主党の小沢代表と 1 対 1 で会談して,自民-民主-公明 の大連立を提案しました. この提案はうけいれられず,小沢代表の民主党代表辞任表明,辞任撤回という騒動をまきおこしました (この顛末については 「人間くさい政治ドラマ ― 小沢民主党代表辞任騒動」 という項目でも書きました) が,これで 「ねじれ」 問題はふりだしにもどってしまいました. はたしてこの状況を打開するのに大連立以外にどのような方法があるのでしょうか?
小泉首相が辞任してから,もう 1 年以上がたちました. いまさらという感じはありますが,私の小泉首相に関するかんがえを書いてみようとおもいます. ひとことでいえば,小泉元首相はカリスマをもっていたが,自分でその危険もよく知っていたということです.
excite ニュース の 「消費期限切れ食品を食べる人はどれくらいいるのか?」 (2006-4-12) に,アンケートをとった結果,50 人のうち 18 人が消費期限をすぎた食品をたべるとこたえたということです. わたしもソーセージなどをおおきな袋で買って,期限ぎれしてもたべています. アンケートで yes とこたえたひともそうであるようですが,私も期限ぎれしていたら,それなりに注意をはらってから食べます. すてるのはもったいないので,気をつけながらであればそれでよいのではないでしょうか?
近年,RSS が普及しているようです. しかし,私はほとんどつかっていません. いささか時代にとりのこされたような気分でいましたが,よくかんがえると私にとって,これはいまにはじまったことではありません. 紙の時代からこういうプッシュ型のサービスはにがてなのでした.
最近,頻繁に Amazon.co.jp と BK1 とに書評を投稿しています. 読んだ本すべての書評を書いているわけではないが,半分以上は書いているでしょう. いまそれをみて,ほとんどが日本人が書いた本だということに気づきました. 今年 5 月以降に書いた書評 48 のうち外国人が書いた本の書評は 3 つだけです. なぜそうなったのか,すこし理由をかんがえてみます.
本書は,おおくのひとびとが Web などをつかって共同で創造していくさまざまなしかけをとりあげている. そのうちのいくつかは,ほかの本や Web などを通じて,すでにおなじみになっている. しかし,「サイエンス 2.0」 などについては,まだ日本ではあまり議論されていないようにおもわれる.
また,本書を読めばウィキノミクスの弱点もわかってくる. たとえば,「ピアリング」 が機能するための条件のひとつとして生産物が部分に分割できることがあげられているが,これは複雑系のように分割できないものはウィキノミクスでつくりにくいことを意味している. いろいろと興味ぶかい内容をふくんだ本である.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ウィキノミクス@ , ウィキノミクス@Amazon.co.jp.
アルファ・ブロガーらによる対談集である. 出版されてからすでに 2 年,そのあいだにブログは急速に普及して,本書の内容は現在の日本の状況にはあわなくなってしまった. また,対談中心であるために,いささか内容がうすいという印象がある. さらに,章のタイトルは対談の内容からははずれている. 対談を無理に 20 ページくらいずつ切ってタイトルをつけているという印象をうける.
タイトルはブログにフォーカスしているが,最初の何章かは新聞や新聞記者の批判が中心になっている. むしろ,この部分は現在でもふるくなっていないので,興味がもてる.
評価: ★★★☆☆
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インターネットに関する本で 5 年前に書かれたものといえば,通常はもう陳腐化している. しかし,本書は 5 年たったいまでも示唆に富んでいる. 3 章では “現在” の若者の労働観が 「遊ぶように働く」 スタイルだと指摘し,それとハッカーの労働観とむすびつけている. 最近,仕事と遊びを区別しない,公私をはっきり区別しない生き方を肯定するひとがふえているとおもわれるが,そのルーツがハッカーにあるという指摘は,私自身をかんがえても納得がいく. 本書のなかには最近の 「環境管理型アーキテクチャ」 論につながる内容もあり,これも興味ぶかい. 興味をひかれる点はほかにもいろいろある.
評価: ★★★★★
関連リンク: 暴走するインターネット@ , 暴走するインターネット@Amazon.co.jp.
「プログラミングの小石・大石」 というなまえで,あたらしい “ブログ” をオープンしました. この “ブログ” の目的は,私がもっているプログラミングに関する,いろいろな,ちょっとした知識を紹介することです. すでに 10 項目くらい書きましたが,まだかきかけの項目もあります.
このブログから研究テーマや研究トピックスのページにしばしばリンクしています. これらもこのブログとおなじ Movable Type というソフトウェアをつかって,おなじやりかたで管理しているものです. ここでは,これらの “ブログ” をかんたんに紹介します.
オーディオ・ケーブルのさきについたプラグには金メッキがほどこされていることがおおい. 金をつかう利点はさびないので接触不良がおこりにくいということです. ところが,最近,家にあるケーブルで,金メッキのはずのプラグのさきがさびているのをみつけました. 実は金メッキでないのか,メッキがうすすぎて合金になっているからなのか? いずれにしても,これでは金メッキとはいえません.
みじかい本ではあるが,著者の日本経済・社会についての理解から示唆される点がおおい. 1990~2005 年の分析としては,たとえば 「基本的な景気対策,たとえば公共投資によって一部の圧力団体と政治家の懐がさらに豊かになり,改革への抵抗がますます強くなった」 こと,「不満や疎外感は存在するが,多くのヨーロッパ諸国やアメリカなら起こったはずの秩序崩壊や暴力沙汰は見られなかった」 ことなどが指摘されている. また,A 級戦犯の合祀が 「欧州の人間にとっては,これはアドルフ・ヒトラーや他のナチ高官を祀り上げるのに等しく」 ということばは,そこに誤解があるかどうかはともかくとして,日本人が理解すべき点だとおもわれる. また,靖国神社のありかたについても読むべき内容がある.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 日はまた昇る@ , 日はまた昇る@Amazon.co.jp.
私がどのようにブログを書いているかについては,「鍛錬としてのブログ書きと京大型カードのおもいで」,「アイデア・メモ的ブログのかきかた」,「ブログにおける ping と推敲」,「ブログにのせる写真のえらびかた・つくりかた」 などの項目にも書いてきました. ここではオンライン,オフラインでの,ブログのネタのたくわえかたについて書いてみます.
日本では牛肉といえば,しもふりがこのまれます. 高価なしもふりの肉といえば,白くて,ほとんどあぶらみです. そんな肉は私は基本的にたべません. 脂肪がからだにわるいからというのもひとつの理由だが,しもふりばかりがよい牛肉というわけではないからです.
最近,確定拠出年金に関するセミナーをうけました. 保険などと同様に,金融商品に関してきちんと説明しなさいという政府方針にもとづいて,いわば強制にちかいかたちで受講させられています. このセミナーのなかでは,ある程度リスクをとる運用をしなければ目標の利率が確保できないという点とともに,リスクをへらすために株式,債券などの商品をくみあわせて (ポートフォリオを組んで) 運用するのがよいという点が強調されていました. 私自身は自分のポリシーにもとづいて単独商品で運用していて変更するつもりもないのですが,ポートフォリオをくむことでリスクがへらせるという説明にも,いささか疑問を感じています. つまり,最近さわがれているサブプライム・ローン問題は不透明なポートフォリオが原因になっているとかんがえられるからです.
私がつくった “ブログ” への最近のスパム数を記録しておきます. このブログだけでなく,Movable Type をつかって管理しているほかの “ブログ” もふくみます. コメントもトラックバックも 2 週間まえまでのスパムが保存されています. きょうまでの 2 週間にとどいた 「迷惑コメント」 数は 2413,「迷惑トラックバック」 数が 7138 でした. Movable Type が適切な処理をしているため,このうち手動でとりのぞかなければならないものは,コメントが 100 件程度,トラックバックが 10 件程度 (こちらは 2 週間分をかぞえていないので,正確な数は不明) です.
Linux 上でプログラムを開発するようになってから,ほぼ 10 年になります. 最初のころに,まず Perl と CGI (Common Gateway Interface) をおぼえて,それをずっとつかってきました. そのころはディストリビューションとして Slackware をつかっていましたが,Linux のインストールもいまよりずっと手がかかり,トラブルも多発していました. また,カスタマイズにももっと手をかけていました. いまは Fedora Core (まだ Fedora 7 ではない) をつかっていますが,手がかからなくなり,それとともにカスタマイズにも時間をかけなくなりました. 今年 3 月には 20 台くらいの Linux マシンをならべて,ほとんどひとりで設定して実験しましたが,PC に関してはおおきなトラブルもなく完了することができました. つかいかたはずいぶんかわりましたが,Linux がプログラミングと実験のプラットフォームとして手ばなせないということでは,10 年前もいまもかわりません.
WBS (ワールド・ビジネス・サテライト) で,最近は 2 月でも暖房のきいたへやで冷やし中華をたべるひとがいるといっていました. しかし,私だったら 8 月に冷房のきいたへやでラーメンをたべるほうがいいとおもいます. 中華はあついほうが味がひきたつ. 冷やし中華は夏でもあまりたべたいとはおもいません.
20 年くらいまえには,外国人から話しかけられるとにげてしまうというひとがけっこういました. いまではそういうひとはすくなくなっているとおもいますが,観光客にはぜひ親切にするとよいとおもいます.
この本には民放,携帯電話会社などの話題もあるが,政治ネタが一番おもしろい.郵政大臣だったときの田中角栄,島,海老沢をはじめとする歴代の NHK 会長の政治とのかかわりなど,功罪両面をとらえている.ハイビジョンが時間をかけすぎたために失敗したという指摘など,納得させられる.
評価: ★★★☆☆
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あたらしいパソコンを買ったとき,ふるいパソコンにはいっているすべての財産をうつすことができれば,ふるいパソコンはすてることができます. しかし,なかなかそうはいきません. ふるいパソコンでしかうごかないプログラムがあったりすると,すてることができません. かくして,すてられない,ふるいパソコンがどんどんたまっていっています.
つかいこんだマウスの数はそんなにおおくありませんが,家でつかってきたパソコンの数がおおいので,買ったマウスの数もすくなくありません. ねずみが来年の干支なので,年賀状につかおうとかんがえて,いまつくえのうえにあるものだけかきあつめて写真にとりました.
1988 年に家をたてるとき,照明にはだいぶくふうしました. リビングのダウンライトや階段室のペンダントについてはすでに書きましたが,ここではレールにつけられたスポットライトと,最近そこに蛍光管を使用するようになったことについて書きます.
母のためにえらんだオリンパス FE-150 というデジカメの電池がすぐなくなるというので,しらべました. デジカメじたいの問題ではないようですが,しらべるついでに家のなかや周囲の写真をとってみました. 500 万画素のカメラですが,使用目的がほとんどメイルで写真をおくるためなので,640×480 つまり 30 万画素でつかっています.
岩村暢子の 「普通の家族がいちばん怖い」 (新潮社) という本に,最近の親はこどもが中学生になっても高校生になってもサンタクロースからのプレゼントをつづけるという話が書いてありました. 今年もクリスマスがちかづいてきましたが,この話を読んで,昨年のクリスマスのころに小学生のこどもからサンタクロースについてきかれたことをおもいだしました. こういう質問をうけたとき,私はサンタクロースを生物学的な存在としてではなく,文化論的な存在としてこたえるようにしています.
本書のタイトルからは日常の食卓の問題点を指摘した本のようにみえたが,実際はクリスマスと正月の祝いかたや料理についてのアンケートをもとにした分析が大半をしめている. つまり,むしろハレの食卓についての本である.
最近の日本では正月はしだいにハレの座からひきずりおろされ,かわってクリスマスにハレのやくわりがあたえられている. このハレの場をもりあげるために,中学生・高校生にまでもサンタクロースのプレゼントがおくられる. とはいっても,ハレの場をつくるのに家族が共同作業をするわけではなくて,それぞれバラバラに自分のやりたいことをやり,たべたいものをたべる.
アンケートにこたえた主婦のおおくは,おせち料理など日本の伝統を継承していくべきだし自分もそうしたいと書きながら,それとはまったく反する行動をしているという. 著者はそこにするどい危機感を感じている. これだけの情報から結果をどう解釈したらよいのか私にはよくわからないが,現代の家庭・食卓への警鐘として,読むべき本だとおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 普通の家族がいちばん怖い@ , 普通の家族がいちばん怖い@Amazon.co.jp.
岩村暢子の 「普通の家族がいちばん怖い」 (新潮社) という本には,アンケートの結果をもとに,現代の主婦から正月はきらわれクリスマスが好かれていることがえがかれています. クリスマスはたのしいが,正月はたのしくない. クリスマスにはケーキなどのおいしいものがたべられるが,おせち料理はこどもがおいしくないという. あと何 10 年かしたら正月をいわう伝統はすたれてしまうのでしょうか?
かつて,原子爆弾の出現におどろいた科学者たちは反対運動を組織しました. しかし,すでに完成され軍拡のながれにのった核兵器開発をとめることはできませんでした. それと同様のことが,いまわれわれの時代におこっているのではないでしょうか? それは原子爆弾のような物理的な兵器ではありません. われわれのこころをむしばみ,われわれを洗脳してしまう種類のものです. もしかしたら,インターネットも携帯電話もそういうもののひとつであるのかもしれません.
かつての日本には国のまとまりをつくるものとして武士道や天皇の存在があったといえるでしょう. 欧米においてはいまでもキリスト教がそのやくわりをはたしうるのかもしれません. しかし,現代の日本においてはどうでしょうか? もっとべつのしかけにたよらざるをえないのではないでしょうか?
クセナキス (Xénakis) というギリシャの作曲家は数学的な理論をつかって作曲したことで有名です. 数学をつかうということは,アルゴリズムによる作曲 (algorithmic composition) をおもいおこさせます. しかし,アルゴリズムによって音がきめられてしまうような音楽が人間のこころにひびくとはおもえません. クセナキスの曲にはたしかに,アルゴリズムできめたのではないものが感じられます. それは,おそらく,数学的な理論をつかいながらも彼自身がえらびとった音だとかんがえられます.
これまで,さまざまな最適化の技術が開発されてきました. それによって,たとえば工業製品をつくるのに,かつては試行錯誤をくりかえして最適なものをつくりあげていたのが,コンピュータをつかうことによってむずかしい最適化問題についても最適にちかい解がもとめられるようになり,ほとんど試行錯誤なしに最適なものがつくれるようになりました. しかし,現状をパラメタ化してそれに対して最適化すると,その結果としてつくられるものは現状維持を指向することになります. ほんとうは現状が適切でないときには,これによって 「最適化の罠」 にはまってしまうことになるとかんがえられます.
「ベートーベン主要作品集におけるデイヴィッド・ジンマンの指揮」 に書いた 60 枚組 CD のなかの,デイヴィッド・ジンマン (David Zinman) 指揮によるベートーベンの交響曲 9 番をききました. それほど違和感がある部分はなく,バランスのとれた演奏だとおもいました.
1990 年代のはじめに夫婦でヨーロッパ縦断旅行をしました. 日本からウィーンにはいり,ザルツブルクをとおって,ドイツをとおりながらスイスを横断し,パリまでいきました. ヨーロッパを旅するには宿の予約はいらないと書いた本があったので,それを信じて宿の予約をとらずにいって,右往左往したことが何回かあり,それ以来,旅行するときは国内でも海外でもかならず宿を予約してからいくようになりました.
「宿を予約しない旅は危険 ?!」 で 1992 年のヨーロッパ旅行にふれたついでに,当時のおもいでをいくつか書いてみようとおもいます. この旅行でスイスのルツェルンにいきましたが,このまちの名所のひとつは,カペル橋 (Kapellbrücke) という,14 世紀につくられた屋根つきの木造橋です. 当時,この橋はつくられた当時のままでした. 橋をわたってもそれほどつよい印象をうけたわけではありませんが,その約 1 年後,1993 年にこの橋は火災で焼失してしまいました. それをテレビのニュースできいたときには,やはり特別なおもいがしたものです.
本書は序奏とコーダとして対話があり,そのあいだに金によるベートーベンの 9 個の交響曲についての解説 (変奏曲?) がある構成になっている. 他の作曲家の交響曲とくらべて非常に特徴的なのは,1 曲 1 曲のすべてが完全に独立していて,構造や作風やつたえようとしたメッセージもすべてちがうと書いている. また,交響曲第 5 番が古典派としての頂点としての完璧な作品であり,同時に作曲された第 6 番がロマン派への入口だという. ここまではだいたい私自身がかんがえていたことと一致している. やや意外だったのは,交響曲のなかにあるダサいところや,よわいところが指摘されている点である. 演奏するときに,なるべくはやくとおりすぎたい部分もあるという. いろいろとおもしろい本である.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ベートーヴェンの交響曲@ , ベートーヴェンの交響曲@Amazon.co.jp.
これまでたぶん 10 年以上,プラスティック製のコーヒー・ドリッパーをつかってきましたが,ひびわれ,よごれがひどくなってきたので,あたらしいものを買いました. 陶器製のにしましたが,これは予想以上におもくて,あつかいにくいとおもいました.
著者は産業デザインを批判し,ポストモダンを否定するようなことばを書いている. そして,この本のなかにあらわれるデザインたちは,iPod などよりはるかに以前のものから,白を中心とするモノトーンな世界である. この本じたいが,デザインの本にありがちなカラーページのおおいものではなく,白と黒だけのデザインである. それは,著者が担当している無印良品の思想にもつながっている.
著者はつぎのように書いている. 「僕の専門領域はコミュニケーションであるが,その理想は力強いヴィジュアルで人々の目を奪うことではなく,五感にしみ込むように浸透していくことであると考えるようになった.」 このことばの後半は納得のいくものだが,私にとってはこの本に何回か出現する 「コミュニケーション」 ということばが,まだひっかかったままである.
評価: ★★★★☆
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私は B 級グルメを自認してきました (実はグルメであるかどうかもうたがわしいのですが…). 自分でよく確認できない料理の味やみかけのちがいのためにカネをよけいにはらうことは,基本的にはありません. つまり,明確な理由がないかぎりはより低価格のものを買うということです. それは料理に対してだけでなく,ファッションやオーディオや,その他もろもろのものに対してもおなじです.
IPv6 (インターネット・プロトコル・バージョン 6) に関係したプロトコルとして “Neighbor Discovery Protocol (NDP)” というのがあります. これを日本語に訳すとき 「近隣探索プロトコル」 と訳しているひとがおおい (WIDE IPv6 WG の訳語としてもこれがつかわれている (2007-12-9 追記)) のですが,“neighbor” を 「近隣」 と訳すのも,“discovery” を 「探索」 と訳すのも,へんだとおもいます. 「近隣者発見プロトコル」 と訳したほうがよいのではないでしょうか? 私は 「近隣者発見プロトコル (Neighbor Discovery Protocol)」 において,そのように訳しました.
小池 百合子 前防衛大臣が,やめるときに 「女子の本懐」 ということばを語っていました. これが,狙撃されたのちに死亡した 濱口 雄幸 首相の 「男子の本懐」 を意識して語られたのはあきらかですが,なぜこれほどおもいことばをつかうのか,そのときはわかりませんでした. しかし,最近,毎日のようにマスコミをさわがせている守屋事件によって,ようやくその意味がわかりました.
本体が安価なエアコンは効率がひくくてエネルギー浪費・温暖化につながります. しかし,省エネルギー・温暖化防止につながるエアコンは本体が高価です. どうやってエアコンを選択するべきなのでしょうか? 私はエアコンを使用する頻度によってきめています.
東京工科大学の 星 徹 先生の話をきく機会がありました. いろいろな話をききましたが,そのなかに,スイカ (Suica) などにはいっている FeliCa (フェリカ) をつかった行先表示システムがありました. 部屋にはいるとき,でるときにスイカなどをつかってチェックイン,チェックアウトすれば,どの部屋にいるかがみんなにわかるというシステムです. ひとにしらせたくないときはチェックインしなければよいので,プライバシーがまもれるわけです. 携帯電話の GPS などをつかった行先 (あるいは通過場所) 検出システムにおいては自動的に場所を検出するのでプライバシーをまもるのが困難です. ひとにしらせてよいときでもチェックアウトをわすれたりしてシステムを混乱させることがあるのが欠点ですが,こういうプライバシーに配慮した方法が普及するとよいとおもいます.
通常の使用法ではなにも問題がおこっていないデジタル音声再生機器をちょっとちがう方法でつかうと,急に音質が劣化したりすることがあります. 音声固有の問題ではなくてリアルタイム処理にはありがちなことだとはおもいますが,いわば 「デジタル音声再生はひとすじなわではいかない」 ということです. 私は USB ヘッドセットを VoIP 通信 (IP デジタル音声通信) でつかって,こういうことを経験しました.
私のてもとにある Linux PC (会社のと家のとをあわせると 8 台くらいあります) のほとんどには Fedora Core 4 以降の Linux がインストールされています. しかし,いまでも 1 台だけ Red Hat Enterprise Linux の初期の版が動作している PC があります. この PC 上の Perl には私にとって致命的なバグがあり,それに 2 回つかまってしまいました.