画期的な日本語入力機能をもつ iPhone,しかし月に 8000 円以上で躊躇する
「劇的な安値で登場する iPhone!」 とよろこんだ iPhone ですが,そんなにあまくはなかったようです. 月々 8000 円以上もかかるということなので,携帯であまりインターネットをやるつもりのない私は躊躇せざるをえません. しかし,日本語入力に関しては画期的な方法を搭載しているようです.
「劇的な安値で登場する iPhone!」 とよろこんだ iPhone ですが,そんなにあまくはなかったようです. 月々 8000 円以上もかかるということなので,携帯であまりインターネットをやるつもりのない私は躊躇せざるをえません. しかし,日本語入力に関しては画期的な方法を搭載しているようです.
おもしろい物理を一般向けに解説する本というと,むかしから寺田寅彦の本,「物理の散歩道」 などを読んできたが,これは 「渋滞学」 というあたらしい (人間の心理などもからんでいるので物理っぽくない) 物理の解説書である. くるまやひとの渋滞だけでなく,アリやインターネット,粉つぶのながれなど,いろいろな現象をあつかっている. 未解決の問題もいろいろ紹介されているので,それに挑戦するひとがでてくるとよいとおもう.
評価: ★★★★☆
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「土地の仲介手数料と司法書士の報酬額の幅」 という項目で,土地取引などで必要になる司法書士への報酬額について書きました. 2 人の司法書士からあいみつもりをとりました. その効果は絶大でした. 最初にもらったみつもりのまま依頼するのにくらべると 44% も節約することができました.
「知的生産法」 ときいておもいだすのは 梅棹 忠夫 の 「知的生産の技術」,川喜田 二郎 の 「発想法」,野口 悠紀雄 の 「「超」整理法」 などだが,この本はこれらと共通しているところもありながら,だいぶちがう. パソコンもデジカメもつかわない古典的なやりかたはこれらにちかいが,B6 カードなどをつかって整理することはやめて,B5, B6 のノートをつかっているという. これらのノートから,いきなり本を書くのだという.
この本におもに書いてあるのはそういう情報の整理のしかたではなくて,「現場」 つまりフィールドワークでのふるまいかた,ひととのつきあいかたなどが中心である. 梅棹や川喜田の本もフィールドワークの方法を書いていたはずだが,内容はずいぶんちがう. おなじフィールドワークをするのでも,外部からみるのと内部にとけこんでみるのとのちがいだろう.
評価: ★★★☆☆
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米国政府は北朝鮮のテロ支援国家指定解除への手続きをすすめている. それが実現すれば北朝鮮の拉致問題解決に関してつかえる重要なカードが 1 枚へってしまうといわれている. これに対して,北朝鮮につけこまれないためには 6 カ国協議の各国の政府が協調することが必要であり,日本の内閣にできることはかぎられているとかんがえられる. しかし,米国でも議会のなかには政府の決定に反対し,テロ支援国家指定解除を阻止しようとするうごきがある (「北朝鮮のテロ支援国家指定 解除停止狙い米下院に法案」 など). 日本でも内閣以外の機関がそれにしばられる必然性はない. 家族会とその支援者がこういうひとびとと協調していくことが,北朝鮮にさらなる圧力をかけていくことになるだろう.
著作権つきの動画が勝手に動画サイトに投稿されたとき,著作権者が要求すれば,動画サイトはその動画を削除せざるをえない. しかし,ニコニコ動画においては動画につけられたコメントはもとの動画の著作権者のものではない. したがって,もとの動画がけされてもコメントだけを再生することができる. コメントだけ再生しても,けっこう,おもしろいばあいがある.
現在の経済・社会がもとめているのはクリエイティビティであり,都市が成長するのに必要な 「3 つの T」 は技術 (technology),才能 (talent),寛容性 (tolerance,ゲイを許容する) だと著者はいう. これらをもつ都市,たとえばオースティン,サンフランシスコ,シアトル,ボストンなどにクリエイティブ・クラス (新たな経済階級) のひとびとがあつまって活性化する. シリコン・バレーはこれらの都市のモデルにはなりえないし,著者の大学があるピッツバーグもおくれをとっている.
いろいろと刺激的な内容をふくむ本である. アメリカの都市を中心に論じていて,おなじ基準では日本の都市はひくい評価をうけることになるだろうが,たとえば東京は著者のいうクリエイティビティがゆたかな都市であるようにおもえる. 訳も基本的にはよみやすいが,重要なキーワードである social capital (ソーシャル・キャピタル) を 「社会資本」 と訳しているのは誤訳だろう.
評価: ★★★★☆
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「インテリジェンス」 という専門用語は国防・外交などにおける情報分析を意味している (らしい). タイトルには 「仕事に役立つ」 とあるが,民間の仕事のための情報分析の本としては他に適切なものがあるから,この本は政治における情報分析や 「仕事」 における分析とのちがいを知るためのものとかんがえるべきだろう.
民間の情報分析とくらべると,直観によるバイアスを軽減し 「当然の前提」 を再検討する必要がある (「サイエンス」 を重視する) ことは同様だが,「アート」 あるいは 「ヒューリスティクス」 におおきなやくわりをみとめている点にちがいがある.
ケーススタディのひとつとして看護師による殺人がうたがわれた事件がとりあげられている. ここではマトリクスをつかった分析を読者の演習問題としている. ここから感じたのは,これまで 「アート」 の世界だった裁判に 「アート」 を知らない裁判員がはいったときに,その不足をおぎない裁判をより客観的なものにしていくために 「サイエンス」 をとりいれることができるのではないかということである.
評価: ★★★★☆
川北 義則 の 「40 歳から伸びる人,40 歳で止まる人」 という本に,「明日に延ばせることを今日するな」 という 藤子 不二雄 A のことばを,常識的な 「今日できることを明日に延ばすな」 ということばと反対だと書いている. しかし,実はこれらは矛盾することばではないとおもう.
本書では目前の問題についてかんがえる方法を 「分析的思考」 と 「システム思考」 とに二分して,現代におけるシステム思考の重要性を強調し,システム思考がどういうものであるかを説明している. システム思考の基本ツールとして,時系列変化パターングラフやループ図を紹介し,基本的なかんがえかたを紹介している.
少数の概念にしぼって比較的ていねいに説明しているため,この本を読むだけでシステム思考をつかいこなすことはできないだろう. 興味をもった読者はより本格的なシステム思考の本をよむ必要がある. しかし,読者はシステム思考がなぜ必要かを理解することができるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 入門! システム思考@ ,入門! システム思考@Amazon.co.jp.
「大河ドラマの篤姫は副社長 ?!」 という項目で NHK の大河ドラマ 「篤姫」 が副社長のようだと書きました. その後,つづきをみて,原作を入手してみたところでは,このドラマは原作に,時代考証にしたがい,かつ現代にあわせた修正をくわえているようにおもえました.
NHK の大河ドラマ 「篤姫」 については 「大河ドラマの篤姫は副社長 ?!」,「原作を時代と現在にあわせて洗練した (?) 「篤姫」」 という項目で書いてきたが,もうひとつべつの視点からみてみたい. 大河ドラマにおいては武力によるたたかいがおおくえがかれてきたが,「篤姫」 におけるような武力によらないたたかいが現代においては必要とされている,そういう意味で価値があるのではないかということである.
「郊外化」 を都市計画や建築の問題としてとらえる 松原 隆一郎 のような論者と,それを人間や社会の問題としてとらえる 宮台 真司 のような論者がいるなかで,両者をつなぐ議論を展開し,郊外化を単に都市周辺の問題でなく日本全体の問題 (「総郊外化」) としてとらえているのが本書の著者である.
「街をつくらない」 ジャスコや他の大型店の地方進出によって享楽的・退廃的な消費社会がつくられたと主張する,その危機感には迫力がある. 一方で吉祥寺,下北沢,高円寺などの東京の都市には 「新たな原理」 をみている. 主張の根拠は十分ではないが,それは読者に課せられた課題とかんがえることができる.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ファスト風土化する日本@ ,ファスト風土化する日本@Amazon.co.jp.
ベタベタにナレーションをいれる大河ドラマがおおいなかで,「篤姫」 はナレーションなしで複雑な心理描写や政治的なうごきを表現しようとしています. そのため,視聴者にわかりやすいセリフにたすけられているばあいもありますが,ときにはセリフすらなしでそれらを表現しなければならなくなっています. 役者とくに篤姫役の 宮崎 あおい にはむずかしい演技がもとめられています. その一方で,解釈にも幅が生じていて,このドラマをより表現上ふかいものにしています.
地方の 「総郊外化」,退廃化に危機感をもつ三浦らの著者たちは,それぞれの立場から解決への努力をはらっている. 三浦は解決のヒントを東京にもとめているが,「商店主自身が街に住み,街に愛着を持って店を開いていれば,自然と人口も増える」 というのはあまりに楽観的なかんがえだろう. 渡もニューアーバニズムに解決策をもとめ,「もう一度東京のよさを学ぶ」 ことをすすめている. 馬場は日本橋を拠点として,まちの再生をめざしている.
さまざまな分野の著者たちは 「ファスト風土化」 に危機感をもち,そこからぬけだすヒントが東京にあるという点で共通するかんがえかたをもっているようにみえる. しかし,それがなぜなのかが,はっきりとはみえてこない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 脱ファスト風土宣言@ ,脱ファスト風土宣言@Amazon.co.jp.
昔からスパゲティには好んでタバスコ (Tabasco) をかけてきましたが,ほかのホットソースをいろいろ買うようになったのは,10 数年前にニューオーリンズにいってからのことです. ヒスパニックのおおいアメリカ西部や南部にいくたびにホットソースを買ってきましたが,最近では楽天のみせで買うことがおおくなっています. 近所のみせではあまりおおくのホットソースを売ってはいませんが,それでも タバスコ ハバネロソース と ルイジアナ パーフェクト ハバネロソース (Louisiana The Perfect Habanero Hot Sauce) は買うことができました.
「ネットなどで買った,さまざまなホットソースたち」 という項目で数種類のホットソースについて書きましたが,ここではアンチョビーをつかったソースたちについて書きます.
「“20th Century Photography” にみる “工場萌え” の起源 (?)」 という項目に海外の “工場萌え” 写真を紹介しましたが,ここでは Artnet.com というサイトにある Mitch Epstein という写真家による工場萌え的,あるいは廃墟的な写真をとりあげます.
日本の建物は靴をぬいで内部にはいるというところから,西欧の建築や街並みとのおおきなちがいが生じていると著者はいう. また,日本の建築が柱でささえられるのに対して西欧の建築が壁でささえられてきたことも対比している. 靴をぬぐ習慣はいまもかわっていないが,日本の住宅もツーバイフォーのように壁でささえて厚い断熱材や二重窓などで外部から遮断するようになってきている. それをかんがえると,はたしてこのちがいが今後もうけつがれていくのかどうかは疑問におもえてくる.
著者はまた,ル・コルビュジエのような近代建築家が設計した都市は建築間の距離がとおいため徒歩には適さないことを指摘している. その例として,くるまをもたないひとがおおいインドのチャンディガールをあげている. 著者はコルビュジエが現場にいくことをあまりこのまなかったことを指摘しているが,そのために人々の生活にあわない都市空間がつくられたのだろう. それでいて 「今から数百年たった将来,もし今日の建築が存在するとしたら,おそらくコルビュジエの建築だけだろう」 とも書いているが,現場をみずに設計した建築が将来は生活にあうようになるとはかんがえられないから,なぜコルビュジエの建築がのこるのか,わからない.
いろいろ疑問の点はあるが,著者の指摘に興味はつきない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 街並みの美学@ ,街並みの美学@Amazon.co.jp.
著者の主張の基本線は正編とかわっていない. 西欧の建築が壁の建築であるのに対して日本の建築は床の建築であるという. 日本の建築が龍安寺石庭のように 「内から眺める景観」 をつくっているのに対して西欧の建築は 「外から眺める景観」 をつくっているという. 日本人がこれまでは外から眺める景観に無頓着だったために街並みの美しさがなおざりにされてきたが,いまこそそれをもとめるべきときだという. 本書には,前著にはなかった水辺の美しさやエッフェル塔と東京タワーなど,さまざまな景観が分析されている.
前著ほどの新鮮さはないが,あわせて読むことでさらに理解をふかめることができるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 続・街並みの美学@ ,続・街並みの美学@Amazon.co.jp.
Artnet.com というサイトで Marina Abramovic という女性写真家の作品が紹介されている. 自分の裸体を被写体とした作品がおおいようである. このサイトと “Out of the Red” (Damiani) という本には Chen Lingyang という女性写真家の作品が紹介されている. こちらは月経時の女性の性器が被写体とされている. だれのものかはもちろん書いてないが,このような状態がうつせるのは作家本人のものだからだろう. 男性でも自分のからだをうつすことはもちろんできるが,その意味はおおきくちがってくるようにおもえる.
日本の地方都市のなかには駅前通りが 「シャッター通り」 と化しているところがすくなくありませんが,ふつうはさすがに廃墟にまではなっていません. しかし,1980 年代にアメリカの自動車産業が没落してから,デトロイト (Detroit) のまちの中心部は廃墟となり,いまだに回復していないようです.
梅雨の時期になると,紙がしめっているために,レーザ・プリンタ (LBP) でジャム (かみづまり) が発生しやすくなります. ジャムになった紙をとりだして印刷しても,またジャムが発生します. こういうときには,どうすればよいのでしょうか?
アメリカでは近年,ウォルマートをはじめとする大型店が規制され,進出に反対してくいとめた例がおおいという. 日本では逆に自治体が大型店を誘致した結果,中心市街地がさびれて地価が低下し自治体の収入が減少する事態が多発している. 本書はアメリカの例を紹介して日本における規制や反対運動の参考になるようにしている.
しかし,本書ではの大型店のデメリットばかりを書いている. そこにはメリットもあるはずであり,両方をあわせてかんがえることで,より客観的な判断ができるものとおもう.
評価: ★★★☆☆
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「説得力のある,システム思考の必要性 ― 枝廣 淳子, 内藤 耕 著 「入門! システム思考」」 という項目で,システム思考の入門書の書評を書きました. 「システム思考」 に関しては有名なワインバーグの本 (「一般システム思考入門」 (紀伊國屋書店)) をはじめとして,多数の本が出版されています (たとえば,バウラー著 「応用一般システム思考」 (紀伊國屋書店),チェックランド著 「新しいシステムアプローチ」 (オーム社)). しかし,その大半はすくなくとも日本では品切れになっています. その理由はシステム思考が必要なくなったからではなくて,よみにくかったからではないか,それをよみやすくした上記の本にはそれだけの価値があるのではないかとおもいました.
最近,篤姫についていろいろ書いていますが,「大河ドラマの篤姫は副社長 ?!」 という項目では 「経営改革」 をすすめる篤姫を副社長になぞらえました. その後のドラマにおいては篤姫が信念にしたがって行動するさまがえがかれていますが,これもまた,経営者にかぎらず現代社会においても重要なことです. 「プレジデント」 など,経営者むけの雑誌ではよく徳川家康などの歴史上の人物がえがかれていますが,篤姫もとりあげられてしかるべきなのではないかとおもってみたところ,すでにとりあげられていました.
おおくのカフェテリア (食堂) ではひとつの列にならぶなかで,いくつかのアラカルトがとれるようになっています. ところが,私の会社のカフェテリアではいくつかのアラカルトは自分でよそう必要があるため,1 品ごとに列ができています. また,給茶機にも 1 個ずつにならぶようになっています. たいていのひとはほとんどなにもかんがえずに列にならんでいるようにみえますが,私のばあいはスケジューリングを最適化しようとしています. 仕事がネットワーク屋なので,その技術をつかおうとしている (?!) わけです. これによって時間は短縮されますが,少々つかれてしまいます.
本書は有名な KT 法の原典である.系統的な問題解決の方法を記述している. この方法は,状態把握,問題分析,決定分析,潜在的問題分析という 4 つの 「ラショナル・プロセス」 からなっている. 本書を読めば,これらのプロセスをどのように適用すればよいか,そのおおすじがわかる.
本書のもっとおもしろいところは,これらのプロセスの適用例として,おおくの実例がとりあげられていることである. これらの実例を理解することによって,KT 法をどう適用すればよいか,そのヒントをえることができる. 本書が書かれた時代のためだろうが,これらの例のおおくは生産現場や顧客への出荷にともなって発生した問題をとりあげている.
しかし,これらの実例をみると,それらにおいては KT 法によって必然的に問題が解決できたわけではなく,おおくのばあいにひらめきや常識にとらわれない判断などがきっかけとなって問題が解決されていることがわかる. 系統的に問題を詰めたことがこれらのひらめきや判断につながったのだろうが,KT 法以外のやりかたをとったときにくらべてよかったのか,わるかったのかは,これだけでは判断できない.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 新・管理者の判断力@ ,新・管理者の判断力@Amazon.co.jp.
きょう iPhone 3G が発売された. WBS (ワールド・ビジネス・サテライト) では iPhone のことを “パソコン” と表現していた. “PDA” (Personal Digital Assistant) ということばがあったはずではないか? WBS の視聴者には “PDA” なんていうことばはなじみがないだろうということで,“パソコン” ということばをつかったのだろう. iPhone を PDA と,あるいは Newton とさえ,いっしょに論じている Web ページはすくないようである.
おなじ編著者による 「ファスト風土化する日本」,「脱ファスト風土化宣言」 などの続編とみなせる本である. 「ファスト風土化」 とは日本中が画一化された 「郊外」 になることを意味しているが,アメリカでもこうした現象がおこり,その元凶がウォルマートだとされている. 日本ではそれにちかいのがイオンである.
本書ではアメリカでも日本でも 「ファスト風土化」 と格差社会とが関係していることが指摘されている. また,ヨーロッパにおける 「ファスト風土化」 に対する規制について記述されている. もっとこまかいが注意をひく点として,これまでの日本が生産者中心だったのが消費者中心にするべきだといわれてきたのに対して,三浦は疑問を呈している (p. 16) こと,「ファスト風土化」 を 「再魔術化」 という概念とむすびつけていることなどがある.
評価: ★★★☆☆
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三浦 展 や共著者たちは 「ファスト風土化する日本」,「下流同盟」 などの本において,アメリカではウォルマートがまちをこわし,あちらこちらでその出店につよい反対運動がおこっているとのべている. ウォルマートの出店が地元の商店街をだめにし,非正規雇用をふやして低賃金ではたらかせ,まち全体をだめにしてしまうという. また,生産者への徹底的な値下げ要求によって,工業などにも影響をあたえている. 日本ではジャスコがウォルマートにちかいやくわりをはたしている.
こどもが夏休みにはいったとたんの 7 月 17 日から 19 日にかけて,長瀞と秩父に 2 泊 3 日でいってきました. 秩父くらいなら,ひがえりでもいけるわけですが,いろいろあそべる場所はあるだろうということで,2 泊することにしました. 長瀞にいけばもちろんラインくだりもしたのですが,それはおいておいて,いくつか,ほかのエピソードについて書くことにします.
旅行のたのしみはガイドブックなどには書いてない発見にあるといってもいいでしょう. そういう発見のひとつについて書きます.
長瀞・秩父に 2 泊 3 日の旅行をしましたが,ちょっとしたきっかけで宝登山にのぼることになりました. 宝登山の山頂ちかくにある動物園で,おもわず,かわいいミニブタのこどもたちをみることになりました.
長瀞・秩父への 2 泊 3 日の旅の 2 日めには,川やみずうみをみるつもりだったのですが,あいにく雨になりました. そのため,鍾乳洞 (橋立鍾乳洞, その Web サイト) や浦山ダム (Web サイト) をみて様子をみました. しかし,最大のエピソードは予定していなかったハス園でのできごとになったようです.
長瀞・秩父へ 2 泊 3 日の旅の 3 日めには天気が回復し,秩父高原牧場をめざしました. そこには 「ふれあい牧場」 があり,ヤギやウサギなどにふれることができますが,ウマはいないのでこの種の牧場によくある乗馬体験の場はありません. そのかわり (というわけでもありませんが),アイスクリームをつくる実習ができるようになっていました.
長瀞・秩父へ 2 泊 3 日の旅の 3 日め,高原牧場をあとにして,秩父駅前で昼食をとってから,浦山渓谷という渓谷をめざしました. ここで川遊びができればよいとかんがえていましたが,「フィッシング・センター」 ののぼりをみて,そこにいくことにしました. 最近,こどもが釣りづいていて,川遊びなんかより釣り堀のほうに興味をひかれるので,両方できる場所をえらぼうとかんがえたわけです.
長瀞・秩父へ 2 泊 3 日の旅の 3 日めには,秩父のミューズ・パークというひろい公園のなかで花火がうちあげられました. これは 「川瀬祭」 というまつりの一部だということです. それを秩父公園橋という橋のうえでみました. どこでみるかはあらかじめきめていませんでしたが,花火があることは事前に知っていて,それをみにいくことはきめていました.
著者が設立したカルチャースタディーズ研究所が企画した 3 つの統計調査の結果を再利用して 「階層格差」 を追究している. 団塊ジュニアが 「下流化」 しているとし,所得がひくいだけでなく意欲や能力がひくいのが 「下流」 だとしている. サンプル数がすくないことを著者も気にしているが,この結果がみちびかれたのはそのためではなくて,著者が統計数値に大胆な解釈をくわえているからだろう. 話としてはおもしろいし,あたっているところもあるだろうが,ダマされないようにする必要もあるだろう.
本書には統計数値の表やグラフが多数のせられているが,そのためによみにくくなっているのは否定できない. どうせ大胆な解釈をくわえるのであれば,表やグラフを多数のせて客観的なフリをする必要もなかったのではないだろうか. 写真についてもそれとキャプションがあっているかどうかは疑問である.
評価: ★★★☆☆
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裁判員制度に批判的な本がおおいなかで,この本はむしろ積極的である. 著者は陪審制度推進派であり,あとがきに 「投書の理念を失い,国民の司法参加の理想からどんどん後退していくこの制度の制度設計の現実に落胆し」 と書きながらも,陪審制度と裁判員制度のちがいや日本における戦前の陪審制度の歴史と裁判員制度導入の経緯などを冷静に分析し,将来の陪審制度確立への一里塚として裁判員制度をみとめている. 2004 年に出版された本だが,批判本からはえられない貴重な情報をふくんでいる.
評価: ★★★★☆
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日本のおおくの銀行は,合併によってめまぐるしくなまえをかえてきた. 三菱東京 UFJ 銀行もそのひとつである. ひとつまえのなまえは東京三菱銀行だったのに,「東京」 と 「三菱」 とがいつのまにか,ひっくりかえっている. しかし,英語名はいまも Bank of Tokyo ではじまり,あまりかわっていない. いっそ,日本名も 「東京銀行」 にすればよいのではないだろうか?
2 つの最高裁判決と 1 つの地裁判決をとりあげて司法の範囲を越権していると指摘し,さらに裁判員制度が廃止するべきものだと論じている. 最初にとりあげられているのは尊属殺重罰規定違反判決であり,ひろくみとめられた判決に異論をとなえている. 裁判は訴えられたことを判断するものであり,一般論すなわち尊属殺が平等原則に違反するかどうかを論じるのは越権だという. しかし,判決において本件に尊属殺の規定を適用しないときめたならその理由をのべるべきであり,理由がその一般論にもとづいているのなら,それを論じるのをさけるのはむしろ不自然だとおもえる.
尊属殺の問題にかぎらず著者の論調は独善的であり,説得力がない. 著者は 10 年間,地裁の判事をしていたということである. 裁判の被告の立場にたったならもちろんだが,裁判員になってもこういう判事にはあたりたくないものである.
評価: ★☆☆☆☆
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本のタイトルは 「裁判員制度」 だが,内容はほとんど米国における冤罪事件やそれへの対策などである. 最後の章だけが裁判員制度にあてられている. 米国の法律は日本よりは被疑者を保護するようになっているが,この本からすると日本より冤罪事件はおおいようである. 陪審制が原因になっているばあいもあるだろうが,この本でとくにそういう件がとりあげられているわけではない. 米国の犯罪捜査や裁判の紹介としてはすぐれているが,大半の内容は裁判員制度ととくに関係はない.
評価: ★★★☆☆
このタイトルからすると無責任に会社をやめることをすすめる本のようにみえる. しかし,実は著者は 「会社を辞めるのは慎重に」 というか 「会社を辞めるのは怖い」 とかんがえている. やめる決心をすることをすすめているが,そのときにどう判断したらよいかを真剣にかんがえ,つたえようとしている.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 会社を辞めるのは怖くない@ ,会社を辞めるのは怖くない@Amazon.co.jp.
iPhone を 90° 回転させると画面も回転します. 便利ですがそのために加速度センサーをつけるほどの価値があるのか疑問におもっていました. まだ iPhone を手にとってはいないのですが,写真をとってそれをすぐにつかうときなど,加速度センサーがあるのとないのとではおおちがいであることに,やっと気づきました.
第 1 章では裁判員制度への反発がつよいことをえがいているが,誇張されているようにおもえる. 第 2 章では裁判員制度が憲法違反だと主張しているが,それほどつよい根拠があるとはおもえない. 第 3 章では裁判員制度がなぜ必要か,どのように実施されるべきなのかがはっきりしないということをのべている.必要性をもっとはっきりさせる必要があるだろうが,あたらしい制度なのでやってみなければわからないことがあるのはやむをえないだろう. 第 4 章では裁判員制度の陪審制度とのちがい,陪審制度の理想をうけついでいないことなどが書かれている. 裁判員制度は妥協の産物だが,妥協の産物でしか制度改革ができないのが日本の実情だから,やむをえないとおもえる. 第 5 章では裁判員に対する強制や守秘義務,処罰などを問題にし,第 6 章では裁判員制度が人権や民主主義をふみにじるものだとしている. 全体として本書の論理やいいまわしは社民党的なステレオタイプや誇張にみちていて,うんざりしてくる.
評価: ★★☆☆☆
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このブログのアクセスに関する統計をかんたんに分析してみた結果,Google などの検索で各ページがアクセスされるのは月に 40 回以下らしいこと,オーディオ関係のページのアクセス頻度が比較的たかいこと,カテゴリーのページのアクセス頻度は比較的ひくいことなどがわかりました. これを参考にして,もっとブログをみてもらえるようにしようとかんがえています.
最近,国内でおこるいろいろな刺殺事件・通り魔事件などがマスコミをにぎわせています. 秋葉原 で 6 月 8 日におこされた無差別殺傷事件,7 月 19 日に埼玉県川口市で中学 3 年の長女が 46 歳の男性会社員を刺殺された事件,7 月 22 日に京王八王子の書店で女性 2 人が刺された事件をはじめ,他にも多数ありました. このような事件がおこる背景に,親族やなかまとのコミュニケーションがうまくいっていないことがあるようにおもいます. 日本でも欧米的な個人主義がひろがっているなかで,コミュニケーションに関してももっと欧米のやりかたをとりいれるべきなのではないでしょうか?
Movable Type がもともともっているしかけだけではスパムをふせぎきれなくなったので 「Movable Type のプログラム変更をともなうスパム対策の第 1 歩」 を実施したが,ここ数日,この方法ではふせげないスパムが大量におくられてきた. やむなく,Keystrokes for Movable Type に書かれた方法を第 2 歩として実施することにした. この方法も完璧とはおもえないが,とりあえずはスパムは完全にとめられている.
著者は 「サラリーマンであれば … 上司の命令や指図に従って毎日の仕事をしている」 ので裁判における 「独立」 つまりだれからの命令も指図もうけずに決断することは想像がつかないと書いている. また,裁判員は法律の素養がないから,「法令の要件ひとつとっても … まともな議論を期待するのは,無理なように思います」 と書いている. つまりは国民はバカだから裁判など担当させられないといっているのにひとしい. 裁判に困難が多々あることはまちがいないだろうが,それを国民にちかづける努力をせずに裁判官の特権的な地位をまもろうという,うけいれがたい主張だとおもう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: つぶせ!裁判員制度@ ,つぶせ!裁判員制度@Amazon.co.jp.
著者は 2007 年に最高裁で同日に判決がだされた 5 件の中国人による戦争被害賠償請求において,独立に判決をだすべき裁判官が談合したのではないかというネタを執拗に論じている. 談合が問題なのかどうかもよくわからないが,明白な証拠がない問題を執拗に追求してみてもはじまらない. さらに著者はさらに判決の理由欄に理由以外の蛇足を書くことを越権行為として非難している. しかし,理由以外につたえたいことがあれば書いてもよいのではないだろうか. それを禁止する法律はないようだから… こうしたことをとって最高裁が法を犯しているとか暴走しているというが,誇張された表現である. 重箱の隅をつつく議論だとおもえる.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 最高裁が法を犯している!@ ,最高裁が法を犯している!@Amazon.co.jp.
裁判員制度をわかりやすくひろめようというのはよいが,裁判員制度そのものについてはわずか 20 ページくらいしか書いていない. そのあとは判例を 60 個ならべているが,ひとつあたり 2~4 ページくらいなので,ほんのさわりしかわからない. もうすこししぼってくわしく解説したほうがよいのではないだろうか. そもそもなぜ判例を 60 個ならべたのか,その理由が書いてない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: みんなの裁判@ ,みんなの裁判@Amazon.co.jp.
Misty Keasler の写真集 “Love Hotels” (Chronicle Books) は,外国人には (ラブホテルをしらない日本人にも) とても奇異なラブホテルのへやなどの写真をあつめている. ほとんどの写真は大阪のラブホテルのものであり,ほかのおおくも関西である. 東京のものはひとつだけである. たまたま Keasler が大阪を中心に調査したからそうなったのか,この種のデザインが大阪中心なのか,ちょっと興味をひかれる.
逮捕歴 4 回の札付きのワルだった著者は改心したが,脅迫事件によってふたたび逮捕され,裁判で最高裁まで争い,さらに再審まで請求するが主張がみとめられていない. 裁判員制度に希望をつないでいるから 「裁判員に選ばれるあなたへ」 というタイトルをつけたのだろうが,この本の内容は裁判員制度とは無関係であり,だまされて買ってしまった. 意図がよくわからないまま長い文章をよまされるのは,いささか苦痛である. 残念ながら裁判員制度は著者をすくうのにはやくにたたないだろう.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: 裁判員に選ばれるあなたへ@ ,裁判員に選ばれるあなたへ@Amazon.co.jp.
100 枚以上のラブホテルの室内の写真をならべた写真集である. この本の最初の版は 2001 年に出版されているが,その後,アメリカでは Misty Keasler の写真集 “Love Hotels” (Chronicle Books) が出版されている. 大阪中心にラブホテルの写真をあつめている点では共通しているが,いくつかちがいもある.
Keasler の写真からはテレビや灰皿のようなフツーのものが排除されているのに対して,都築はテレビを積極的に写真にいれている. その結果,Keasler の写真にくらべると都築の写真のほうに日常性が感じられる. 対象となっているラブホテルも都築のほうがおとなしいところがおおいようである.
Keasler のほうがインパクトはあるようにおもうが,都築のほうが日常と非日常が交錯する,よりラブホテルらしい空間をえがいているといえるのかもしれない.
評価: ★★★☆☆
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裁判員制度に関する本は多々あるが,本書はそれをその問題点を中心としてもっとも詳細に紹介している. 現在の刑事裁判は問題がないからかえる必要がないという意見もあるが,本書ではそこにおおきな問題があり,しかもそれが裁判員制度によってかえって悪化させられると主張している. しかし,著者らがめざすのは陪審制であり,裁判員制度を廃止してもとにもどせばよいとはかんがえていない. 陪審制がほんとうによいのかどうかは私にはわからないが,制度改革の一過程としての裁判員制度をよりよく理解するのに本書がやくにたつだろう.
評価: ★★★★☆
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ラブホテルを卒論のテーマにえらんでしまった女子大生が,指導教官のすすめもあって博士課程でまでラブホテルの研究をすることになった.この本がその集大成というわけである.研究なので地の文は基本的にまじめである.ラブホテルやその経営者に取材した情報が中心である.しかし 1970 年代にはやった回転ベッドなどの派手なしかけはいまはなく,当時の週刊誌・月刊誌からの引用にたよっている.それに影響されている部分は地の文もおもしろい.
ラブホテルは衰退しつつあるというが,女子大生が研究テーマにとりあげるのも秋葉原文化にちかいところがあるからではないのだろうか.写真集も日本でもアメリカでも出版されている.この本でも欧米のわかい旅行者がこのんでラブホテルにとまっていることが紹介されている.チャンスはあるのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
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