「圏外」 のままになり電話がつかえなくなった iPhone
自宅に電話するために iPhone をポケットからとりだすと,「圏外」 の表示になっていました. 「圏外」 になるのはいつものことなので,電波がもっとつよい場所に移動すればよいとおもってそうしましたが,かわりません. 結局,リブートして,ことなきをえました. 最近は電話する以外の目的ではほとんどつかっていませんでしたが,それでもやはり,ときどきリブートしてやらなけいと疲労がたまってしまうようです.
自宅に電話するために iPhone をポケットからとりだすと,「圏外」 の表示になっていました. 「圏外」 になるのはいつものことなので,電波がもっとつよい場所に移動すればよいとおもってそうしましたが,かわりません. 結局,リブートして,ことなきをえました. 最近は電話する以外の目的ではほとんどつかっていませんでしたが,それでもやはり,ときどきリブートしてやらなけいと疲労がたまってしまうようです.
ウィキペディアのさまざまな問題点を教育現場を中心としてえがいている. それほどあたらしい視点があるわけではないが,「ウィキペディアは上下両院の全てのコンピュータから行われる修正をブロックすることにした」 など,知らなかった内容もいろいろあった.
本書でもウィキペディアと従来の百科事典との比較をしているが,ウィキペディアの混乱の原因はむしろウィキペディアが百科事典のふりをし,百科事典だとおもわれていることにあるとかんがえられる. しょっちゅう書きかえられるものがリファレンスとしての百科事典であるはずがない. 最後の章は 「ウィキペディアの賢い利用法」 にあてられているが,そのことに気づけば 「賢い利用」 ができるにちがいない.
この訳書にはちいさな活字で 41 ページにもわたる 「解説」 がつけられている. しかし,これは解説ではなくて独立の内容であり,なぜ本書の末尾につけられているのか,よくわからない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: ウィキペディア革命@ ,ウィキペディア革命@Amazon.co.jp.
この本にはいろいろなことが書いてある. サラリーマンや経営者なら,そのなかから自分にあったやりかたをみつけることができるだろう. 自分に関係ないことはわすれて,よい部分だけを読めばいい.
とはいえ,仕事の種類によって 「いい仕事の仕方」 はかわってくるだろう. しかし,この本がどんな仕事を対象としているかははっきりしない. それだけでなく,仕事とはなにか,趣味とはなにか,それがまず書いてない. そのため,仕事は生きがいになるが 「趣味そのものは,生きがいになりにくい」 と書きながら 「仕事を趣味にすればよい」 と書いているのは意味がわからない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: いい仕事の仕方@ ,いい仕事の仕方@Amazon.co.jp.
おおくのインタビューと豊富な統計によって,ミクロとマクロの両面からワーキングプアのすがたをとらえようとしている. 従来からよくある統計だけでなく,欠員率と完全失業率の統計から独自のグラフを書いて若年層ほど雇用のミスマッチつまり欠員はあるのに失業もおおいことをあきらかにしている. つまり,ワーキングプアの問題が 「失われた 10 年」 だけでない進行中の深刻な問題だということである.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ワーキングプア@ ,ワーキングプア@Amazon.co.jp.
ウィキペディアには 「ペディア」 つまり百科事典ということばがついている. それは百科事典を意図してつくられ,そのなまえもあって世間でも百科事典だとかんがえられている. しかし,「ウィキペディアをめぐる教育現場の混乱からの脱出のために ― ピエール・アスリーヌ 著 「ウィキペディア革命 ― そこで何が起きているのか?」」 という項目に書いたように,百科事典はリファレンスつまり常に同一のものが参照できるものであるのに対して,ウィキペディアはそうでない. つまりはウィキペディアは百科事典ではないのである. ここに誤解がなければウィキペディアをめぐる混乱のおおくは解消されるとかんがえられる.
著者は 「Google = アメリカ」 とみなし,それに対抗しうるヨーロッパの検索エンジンや図書データベースなどをつくることを主張している (アジアやアフリカはどうなるのだ?!). しかし,そこには Google に対抗しうるあたらしいものがあるようにはみえない.
Google によって文化の多様性がうしなわれることへの危機感は理解できる. しかし,Google とのちがいをもっと明確にしなければ,対抗するものをつくったとしても多様性はえられないだろうし,したがって成功しないだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: Google との闘い@ ,Google との闘い@Amazon.co.jp.
最近,家の前の私道にプランターをならべて野菜をつくりはじめました. なぜ野菜をつくっているかに関しては 「庭の緑と温暖化 ― 自家農園が解 ?!」 という項目ですこしふれましたが,ここでは雨がよくふるからといって水やりをサボった結果,収量がへってしまったことについて書きます.
野菜などを家のちかくでつくれば,とおくからはこんでくるエネルギーを節約し CO2 排出量をへらせる可能性があります. とはいっても,あらゆる野菜や穀物をつくるような面積もないし時間もありません. まずつくりたいものはなにかというと,ちかくのみせで手にはいりにくい野菜やハーブ,たとえば辛い大根類,ハラペーニョ,コリアンダーなどです.
ひとが情報にアクセスするときの枠組みあるいは文脈を著者は 「情報共有圏 (インフォコモンズ)」 と呼んでいる. このことばじたいは 「場所」 とむすびついているが,著者はむしろひとのグループとむすびつけている. 情報検索における絞り込みも情報共有圏のひろさを制御するものだととらえている. いずれにしても,きわめてあいまいな概念である.
著者はユーザごとにこの情報共有圏を適切に選択するためのしかけが 「暗黙 (インプリシット) ウェブ」,たとえばフェースブック・ビーコンのようなしかけだという. そこでは情報共有圏を適切に設定するためにさまざまな技術がつかわれるが,困難がおおく,たとえばマイクロソフトはベイズ理論をつかったユーザ支援で失敗している. そこで著者は Web 3.0 を登場させ,さらに考察をかさねている.
いろいろな知識が動員されくみあわされているが,それで現在の状況になにがつけくわえられ,問題が解決されるのか,私には理解できない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: インフォコモンズ@ ,インフォコモンズ@Amazon.co.jp.
本書では日本語版のウィキペディアでおこった事件,管理者の仕事のたいへんさや管理者になるひとがすくない現状などが書かれている.事件に関しては部分的には知っていたが,10 件をこえる事件や 10 人をこえる問題ユーザの解説を読むことで全体像を把握することができた.
解決のむずかしい問題もあるが,いまのところはそれほど深刻な状態ではない. 日本語版に特有の問題もあり,他言語版とはちがう発展のみちをたどる可能性も示唆している. 末尾の 「ウィキペディアはどこに向かうのか」 では 「百科事典的だが,既存の百科事典の価値を超える何か」,「他に代用のきかない何か」 がうみだされると予想しているが,それははっきりとことばで表現されてはいないとしても,すでにあるように私にはおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: ウィキペディアで何が起こっているのか@ ,ウィキペディアで何が起こっているのか@Amazon.co.jp.
2 年くらいまえから Web 3.0 ということばをきくようになった. その意味はかならずしもさだまっていないようだが,とくに佐々木俊尚はロバート・オブライエン (Robert C. O'Brien) による定義をたびたびとりあげている. しかし,この定義はそもそも ReadWriteWeb という Web サイトがティム・オライリー (Tim O'Reilly) がつくった Web 2.0 ということばにワルノリした結果できたものであり,まじめにとりあげるべきことばではない.
「ウィキペディアは百科事典ではない!」 と書いた. Wikipedia (ウィキペディア) がはやると百科事典の売り上げがさがると書いた本などもあるが,私にとっては,ふりかえってみても百科事典と Wikipedia のつかいかたはまったくちがっていた.
最近では,ものかきのなかにも,本よりブログなど,Web 上のもののほうをよりおおくみているひとがふえているようだ. そういうひとが書く文章をみて違和感を感じることがある. その原因は,もしかすると Web と書物との性質のちがいからきている,つまり,Web 上の文章のほうが断片的であることがおおいというところからきているのではないかとおもう.
著者は Web 2.0 に否定的である. 「群衆の叡智」を信じず,価値あるものをつくるのはプロだという. この点でウィキペディアにも否定的である. タワーレコードの消滅がロングテールの終焉をもたらし,Amazon.com などが音楽の選択肢をへらしているという.
Google が価値を創造していないと書いている. しかし,それはレコード販売に価値がないといっているようなものである. どちらも消費者がえらびやすいようにオリジナルなものをならべているわけだから.
YouTube のゴミのやまのなかからおもしろいものをほりだすことのたいへんさを強調している. しかし,かつては検索不能だった Web 上のテキストを Google が検索可能にしたことをかんがえれば,YouTube もそのうちもっとあつかいやすくなることを期待してもよいのではないだろうか.
MySpace におけるティーンエイジャーへの (静的な) 悪影響を論じているが,これは日本のケータイ・サイトの問題と共通している. 日本とはちがう点もあるが,比較する価値はあるだろう.
きくべき点はあるが,悲観的にすぎるようにおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: グーグルとウィキペディアとYouTube…@ ,グーグルとウィキペディアとYouTube…@Amazon.co.jp.
世界の経済や社会や技術やその他さまざまなものが 「急激にかわっている」 ということがよくいわれる. たしかに,電気製品にしろ,くるまにしろ,商品はめまぐるしくかわっている. また,最近では石油価格や穀物価格などが急激に上昇している. こういう急激な変化はたしかにあるのだが,その一方で人間や世界はそんなに急にはかわらないということを,最近ますます感じている.
書評はさまざまな新聞や雑誌にあらわれる. したがって,それらが目にふれる機会はすくなくない. しかし,いざある本を買おうとおもったときには,それらの書評はアクセスしにくい. そういう書評はみな沈んでしまって,やくにはたたず,実際に本を買うときに目にするのは Amazon や BK1 などの書評である.
ネットワーク上にさまざまな動画があふれ,IPTV もいろいろな機会にとりあげられるようになってきた. もともと映像にかかわる気がなかった私も,研究上で動画をつかう機会もでてきた. 研究上でまにあわせに著作権の帰属がはっきりしない動画をつかっていて,失敗した. 最初から著作権のことをもっとちゃんとかんがえておくべきだった.
最近,原油や工業原料などとともに,大豆,小麦などの穀物価格も急騰している. そのため,小売価格も上昇しているという. たしかに,値上げされたものはすくなくない. しかし,大豆,小麦などを原料とする製品のなかには,価格がすえおかれたり,むしろ実質的に値下げされているものもある. 牛乳やジュースもあいかわらず低価格なものが売られている. なぜだろうか?
本のタイトルにはウィニーはあらわれていないが,目次をみると 4 つの章のうちの 3 つにウィニーがあらわれている. それだけ,ネットにおける情報共有・セキュリティ・匿名性についてかんがえるとき,ウィニーの存在がおおきいということだろう.
第 1 章は完全にウィニーにあてられ,開発のいきかさつから著作権問題,情報漏洩問題,そして 47 氏の逮捕・判決までがかたられる. 第 2 章以降はもっと範囲をひろげて,P2P,インターネットの可能性,コモンズ,著作権,匿名性などの問題がかたられる.
ウィニーに関する本は,47 氏つまり金子氏本人のものもふくめて他に数冊あるが,そのおおくはハウツー本や一部の問題だけをあつかったものである. そのなかで,本書はウィニーが提起したさまざまな問題の全体像をとらえている貴重な本である.
評価: ★★★★☆
関連リンク: アウト・オブ・コントロール@ ,アウト・オブ・コントロール@Amazon.co.jp.
3 年くらいまえに 2 つの懐中電灯の電池を交換した. 単一の電池が 4 本はいった懐中電灯そのものも東芝のものだが,ブランド品の電池でやすいのは東芝のなので,交換した電池も東芝のものである. いずれも使用期限が 2006 年 10 月の電池がはいっているので,同時に交換したのだとおもうが,一方は 2 個くらいの電池が液もれしてまったくつかなくなっていたのに対して,他方はあかるく点灯する.あたりはずれがおおきかったといえるだろう.
数年前まで,あたらしい音声メディアをつくるという目標にむかっての研究を中心として仕事をしてきた. それによって研究としては成果をあげてきたが,実用になるものをつくることはいまのところできていない. その理由はいろいろあるとおもうが,そのなかでもおおきな理由は人間の耳をいかすメディアをつくることがむずかしいということだとおもう.
これはおおきな問題なのでもっとしっかり論じるべきだが,ここではとりあえず,いまおもいつくことを書いてみたい.
露地栽培とくらべるとプランター栽培はどうしても面積がかぎられる. そのため収量もすくなくなりがちだが,この本にはプランターにおどろくほどぎっしりと野菜がつくられた写真にみちている. これならプランターでも常時たべられるだけの量が収穫できるだろう. ただ,うすい本のなかに数 10 種類の野菜のつくりかたがかいてあるので,それぞれについては記述がものたりない.
評価: ★★★★☆
関連リンク: プランター菜園@ ,プランター菜園@Amazon.co.jp.
本を買うとき,Amazon.co.jp (アマゾン) と BK1 (ビーケーワン) とをつかわけている. あたらしい本を買うときはたいてい BK1 をつかい,古書を買うときは Amazon をつかっている. そうしている理由は,Amazon ではあたらしい本と古書とをほぼ同時に検索できること,あたらしい本は BK1 のほうが割引されることである. また,新刊書の検索にはおもに BK1 をつかい,それ以外の本をあれこれ検索するには Amazon をつかっている. Amazon と BK1 をくみあわせてつかうことによって,いろいろな利点がある. ここに書いたことはあらかた 「新刊書の買いかた ― ネット中心の 10 年の経験」 という項目に書いたのだが,その後かわった点もあるので,もうすこしくわしく書いてみたい.
ホリエモンがテレビ局を買収したかったのはテレビの画面に URL (Web のアドレス) をながしつづけたかったからだとかたっているのをみた. テレビ CM などで URL を表示したり,よみあげたりしているのをときどき,みる. NHK などでも舌をかみそうな URL (http://www.nhk.or.jp/) をよみあげている. まったくばかげたことだとおもうが,とくに NHK では 「検索エンジンをつかって!」 といえないために,そうしているのだろう.
定年もそれぼとさきのことではなくなってきた私だが,それでもこれからの人生のほうがながい. 世界がおおきく変化するなかで,これまでのかんがえかたにとらわれず,貢献するみちをさぐっていく必要があるのではないかとかんがえている.
きのう,NHK スペシャル 「戦場 心の傷(1)兵士はどう戦わされてきたか」 という番組をみた. かつてはベトナム戦争をたたかい,いまはイラクでテロリストとたたかうアメリカの歩兵たち,その訓練の様子や PTSD (心的外傷後ストレス障害) などがえがかれていた. 今後もアフガニスタンのテロリストとたたかわなければならないとしたら,兵士をおくらないようにすることによってこの問題を解決するということはできないだろう. そして,日本にとってもこれは無関係なできごとではないはずである.
「整理」 の 3 つの段階つまり,それ自体を整理する段階,索引をつかう段階,電子的な手段でそれらの制約をとりはらった段階について書いている. 「インターネットはいかに…」 というタイトルは原書と関係なく訳書につけられたものである. 第 3 の段階に焦点があるが,それ以前の記述,たとえば百科事典においてアルファベット順とたたかったひと,デューイと 10 進分類に関するエピソードなどのほうがおもしろかった. これらだけでも読む価値は十分にあるとおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: デジタルの無秩序がもつ力@ ,デジタルの無秩序がもつ力@Amazon.co.jp.
自分の手でものをつくりプログラムを書くことをこれまで 30 年あるいは 40 年やってきました. 会社のなかでは,としをとるにつれて自分ではつくらずにドキュメントばかり書くひとがおおいのですが,私自身は自分で手をうごかすことにこだわってきました. これからの 30 年あるいは 40 年も,そうしていきたいとかんがえています.
殺人事件の裁判をあつかっている. 裁判員制度に関する本は多数出版されているが,そのなかで裁判のながれを裁判員選任から判決までとおしてえがいているのは,最高裁発行の 「裁判員制度ナビゲーション」 という冊子をのぞけば,いまのところこの本だけのようである. 最後の部分で公判前整理手続きの問題点などにもふれているが,最低限である. たぶん読みやすさのために記述は十分でなく食いたりないが,現時点では類書がないことをかんがえると貴重である.
裁判官が理想的な対応をみせればこの本のように裁判はうまくいくかもしれないが,実際にはなかなかこうはいかないのではないかとおもえる部分もある. これほど理想化されていないストーリーもほかの本で読めるとよい.
争点が表にまとめられているが,実際の裁判でもこのような図表がうまくつかわれるとよいだろう.
評価: ★★★☆☆
私が子供のころには,21 世紀になると人間はきつい仕事をしなくてすむようになり,もっと便利になるという夢がよく,かたられていた. すわったままで部屋の内外のいろいろなものをボタンひとつで操作することができるので,あまりうごかなくてもよくなる. そうじ,洗濯などもロボットなどがやってくれるので,人間はしなくてもよくなる,などなど. たしかに,洗濯機は乾燥までしてくれるようになったなど,そういう世界にちかづいた部分はある. しかし,すべてをコンピュータやロボットがやってくれるというような環境は実現していない. そういう環境は人間を怠惰にし,バカにする,ありえないものだ.
中学生のときからバスをつかって通学・通勤してきました. バスはいろいろな原因でおくれますが,おくれるとたいてい,2 ~ 3 台のバスがダンゴになって (つならって) くるようになります. 中高生のころから,そうなったら,あるいはそうなるまえに,バスの間隔を調整すればよいのに,とおもってきました. 間隔の調整はその後もずっと実現されずにきました. しかし,まず電車の間隔調整が積極的におこなわれるようになり,数年前からやっと,バスでも間隔調整がおこなわれるようになりました.
このブログのなかにあらゆるテーマの項目を書いています. どうしてブログをわけずに書いているのか,ブログのなかをどうわけているのかなどについて書いてみたいとおもいます.
プランターによる野菜づくりの本は何冊かあるが,そのなかで 「かんたん! プランター菜園 コツのコツ」 (上岡 誉富 著) が実用性重視であるのに対して,この本は室内においてもよい見栄え,あるいは緑のある生活を重視している. ひとつの鉢にいろいろなハーブをうえたり,ガラス容器をつかったりといったくふうによって,それを実現している.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: コンテナで野菜づくり@ ,コンテナで野菜づくり@Amazon.co.jp.
「ひとつのブログにあらゆるテーマで書いている理由と記事の分類について」 という項目に書いたように,私はあらゆるテーマの項目をこのブログのなかに書いています. このブログはいわば私の思考のひきだしというやくわりをになっています. つまり,これまでにかんがえたなかで重要なことはみなこのブログのどこかにしまってあるというようにしたいとおもっています.
「冷水用ではおいしい麦茶はいれられない!」 という項目で,麦茶をおいしくするくふうをはじめたことを書きました. まだどういう方法が最善かというところまではわかっていませんが,中間報告を書くことにします.
これまで,しばしば 「グローバル化」 がすすんでいることが指摘されてきた. いまでもそれは,すくなくとも部分的には進行しつつある. しかし,グローバル化の反対すなわちローカル化がおこっているようにみえる部分もある. こうした兆候をシリーズとしてとりあげてみたい.
しばしば,グローバル化とはアメリカ化を意味するといわれる. 強大な経済力,軍事力を背景として,アメリカは世界におおきな影響をおよぼしてきた. しかし,アメリカ化としてのグローバル化はアメリカが強大であるがゆえにおこっていたのであり,アメリカが没落すればグローバル化も終焉する.
エネルギー価格の高騰は物流コストを増大させる. そのため,物資が必要以上に遠距離をはこばれることは現在より減少するだろう. 従来は世界人口の 20% 未満の先進国のひとびとが開発途上国からどんどん物資を奪取してきたが,中国,インドをはじめとする人口大国が経済的にゆたかになり,消費をふやすことによって,物資は従来の先進国にはまわりにくくなる. それによって,物流が世界をかけめぐることによってささえられてきたグローバル化は終焉する. 物資の流通がおさえられることは,同時にそれに関する情報の流通をおさえることにもなる. 情報の流通コストは現在とくらべて大幅に増加することはないだろうが,必要がかぎられることによって,情報のグローバル化もおさえられることになる.
20 世紀においては世界的な規模での地域間格差すなわち南北問題が世界をとりまく大問題だった. しかし,いまやもっとローカルな地域間格差が問題にされるようになり,また日本や韓国などでは国内の所得格差が深刻な問題になっている. これはグローバルな問題だった格差の問題がよりローカルになった,つまり,ある意味で 「ローカル化」 がおこっていることを意味している.
エネルギー価格や,食糧および木材・鉄鉱石をはじめとする工業原料価格の高騰は,それらの供給源の分散につながる. 石油にかわるエネルギー源としての自然エネルギーやアルコール,オイルシェールなどの開発が加速され,木材の国内供給がうながされる.
今後は,情報通信技術 (ICT) はこれまでのように主役であるよりも,農林水産業や鉱業の脇役としてのやくわりが増大していくでしょう. また,これらの 「リアル」 な産業に資金が傾斜する結果,ICT によるヴァーチャルな世界の重要性は相対的に低下するでしょう. サブプライム・ローン問題にみられるようなヴァーチャル世界のあやうさも,リアルへの指向をつよめるものとかんがえられます.
Second Life (セカンドライフ) に関して,しばしば 「閑散としている」 という表現がつかわれています (「インタラクションの機会がかぎられる Second Life (?!)」 参照). これは参加している人数のわりに空間がひろすぎるからです. ひろすぎる空間という点ではインターネット上に展開されている他のメディアも同様です. たとえば,ブログにおいてはいったん炎上するとアクセス数は爆発的にふえますが,たいていのブログは,ふだんはわずかなひとしか,みていません.
日本人のなかには遺伝子くみかえを許容しないひとがおおいようである. そのため,おおくの食品生産者は遺伝子くみかえ技術をつかっていない作物をつかうようにしている. 大口の生産者はアメリカの農家と契約して,遺伝子くみかえをつかっていない大豆,とうもろこしなどを栽培してもらっているという. しかし,農家はその栽培に消極的であり,入手困難になっているという. 遺伝子くみかえ作物が導入される理由は収量がおおいこと,栽培しやすいことである. このうちとくに収量がおおいことは食糧問題の解決,とくに価格高騰をおさえるために必要である. 日本固有の事情やカネをもっているからといって,遺伝子くみかえをつかっていない作物の栽培をつよくもとめることは,食糧問題の解決に逆行するとかんがえられる.
堀江 貴文 や 村上 世彰 が逮捕されたとき,NHK などのマスコミはまちにでて,ひとびとの意見をきいていた. わかいひとのなかには同情的なものもみられたが,団塊世代以上のひとは,ほとんど一様に批判的であり,「まじめに,こつこつ,はたらかなければダメなのだ」 というような意見がきかれた. 当時はそれがその世代の意見なのだと理解していたが,ほんとうにそうだったのか,それともそれはマスコミによってつくられたものだったのかが,あらためて気になってきた.
この本のタイトルをみたとき,なぜいまさらこんなタイトルをつけるのだろうとおもった. 「ブログ論壇」 が話題になったのはもうずいぶんまえのことだ. 実際,読んでみると章のタイトルにはいちいち 「ブログ論壇」 がついているが,内容はかならずしもそうでないことがわかる.
とりあげられている問題はマスコミ関係として,毎日デイリーニュースの低俗記事問題,あらたにす,ウィキスキャナー,いくつかの政治がらみの問題,秋葉原事件,ケータイ論壇,青少年ネット規制法などなど. 種々雑多でつっこみもよわいので,全体としては雑然とした印象しかあたえない.
佐々木 俊尚 というネット・ワッチャーがみたネットのすがたという意味では価値があるのだろう. しかし,もうすこしつっこんだ議論をするのでなければ,価値ある議論とはいえないだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: ブログ論壇の誕生@ ,ブログ論壇の誕生@Amazon.co.jp.
きょうの NHK の番組,視点・論点 「酔眼ながめて格差知る」 では,武蔵大学の 橋本 健二 が飲酒の格差問題について論じていた. すなわち,20 年前には飲酒の習慣が収入にあまり依存していなかったのが,現在では高収入のひとがさまざまな種類の酒をのむのに対して,低収入のひとは酒をたのしむことができなくなったということである. 格差のために酒をのみにいったり買ったりする余裕がなくなったという指摘なのだが,それはほんとうだろうか? 統計をもとにしてみちびかれた結論だが,統計のよみかたがまちがっているのではないかとおもう.
この本でもとりあげられている話題だが,「生活保護がうけられずに餓死した」 というような話が断片的に報道されると,餓死に追いこんだ自治体や担当者はひどいという反応をひきおこす. しかし,生活保護を悪用するひともおおく,判断がむずかしいようだ. ほかにもさまざまな問題がある. この本を読めば,生活保護という制度がかかえる問題の全体を把握することができる.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 生活保護が危ない@ ,生活保護が危ない@Amazon.co.jp.
中国の乳製品に混入されたメラミンがひきおこした問題が拡大している. この問題はサブプライム・ローンがひきおこした問題にくらべればちいさく,収束もはやいとかんがえられるが,その構造には共通点があるようにおもえる. すなわち,商品の流通がグローバル化したために,リスクが拡散されているということである.
グローバルに流通する商品の一部が汚染された材料をふくむことによって,その商品全体にリスクが拡大する事態がしばしばおこっている. そのひとつがサブプライム・ローン問題であり,べつのひとつがメラミン混入食品問題である (「メラミン混入食品問題とサブプライム・ローン危機との構造的な共通点」 参照). これらの問題はその構造に共通点があるので,ひとつの対策がひろくつかえる可能性がある.
最近,こどもの小・中学校で運動会がありました. 女子中学生のなかで何人か,迷彩服 (の一部) を着て登場してきたひとがいました. それをみて,9 月 15 日にみた NHK の 「戦場 心の傷 (2) ママはイラクへ行った」 という番組をおもいだして,いささか,くらいきもちになってしまいました.
安価なエアコンのリモコンは,すべてのボタンが表面にでています. めったにつかわないボタンも他のボタンとおなじようにできているので,おしまちがえやすいという問題点があります. 設計をもうすこしくふうすることはできるとおもうのですが,買ってしまったものはしかたがないので,自分でボタンを加工して,おしまちがえにくくしました.
ライブドア事件はエンロン事件のような 「巨悪」 ではない,詐欺をはたらいたというのは錯覚だと主張している. そこまではただしいとおもうが,錯覚によって株価が暴落したから大損失が発生したという主張はうけいれがたい. 株価を左右する原因はさまざまあるが,それを錯覚といってしまっては,市場経済は錯覚のうえになりたっていることになるだろう. いずれにしても,ライブドア事件をみなおすきっかけとしてはよい本であるかもしれない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: ライブドア・二重の虚構@ ,ライブドア・二重の虚構@Amazon.co.jp.
グローバル化は世界のなかで一部の地域に富を集中させ格差を拡大するということがいわれる. しかし,これは一時的におこったことであり,長期的には富を拡散させ格差をちぢめる方向にうごいているようにみえる.
「グローバルな商品流通によるリスクを回避するには?」 という項目に書いたように,グローバルな商品流通は商品の 「汚染」 によるリスクを拡大させる. このリスクをおさえこむには,「汚染」 された商品の流通範囲を限定させる必要がある. そのためのひとつの方法は,その商品の対価を特定地域内でしか流通しない地域通貨のようなものにすることである. 地域通貨はグローバル化した 「マネー」 の否定につながり,反グローバル化につながるであろう.
中山国土交通相が,日本人を 「単一民族」 と言った,大分県教育委員汚職事件に関して 「日教組の子供なんて成績が悪くても先生になる.だから大分県の学力は低い」 と言ったなどの放言のために辞任の方向だという. 他の発言は撤回したが,日教組に関しては 「ぶっ壊せ」,「教育のがんだと思っている」 というような爆弾発言をくりかえしている. ひとりの政治家としてどのようなかんがえをもつかは自由だが,大臣になって内閣の方針に反する爆弾発言をくりかえすのはテロのようなものであり,ゆるされることではない.
「仕事に役立つインテリジェンス」 (北岡 元 著) という本を読んだときにえたアイデアをもとにして,裁判員制度に貢献することができないかと,調査・研究してきた. その目的は 「システマティックな情報分析法・思考法と裁判員制度」 という項目に書いたが,ひとことでいえば裁判員が裁判官に対抗できるようにすることである. そのために,裁判員をガイドすることができる,マトリクスやフローチャートのような図式化された,わかりやすいしかけがつくれないものかとかんがえた. いろいろ本を読んでかんがえたが,まだほとんど,いりぐちに立っているところである. ここではこの研究について中間報告する.
緒言によれば本書は 「「グローバリゼーションの広がりとともに,ローカルなもの,自分らしさへの確固たる根拠を求める動きが強くなる」 という現象を,どのように理解すべきか,という関心の下に執筆されている」 という.
ギデンズの議論を軸として,さまざまな話題が関係づけられている. そのなかには民間企業による (民営化された) 軍事活動やセキュリティ・ソフト (ウィルス対策ソフト) の開発,「第 3 の道」 から 「新進歩主義」 への移行のなかでの 「民営化」 から 「公共化」 へのシフト,安全より安心をもとめる 「子供の安全」,福祉活動が私的な活動になって労働と余暇の境界が融解していること,フィンランド人が直面しているプロテスタント倫理にかわるべきハッカー倫理などなど,さまざまな問題がちりばめられている. それらは上記のテーマに関連づけられているが,その文脈からうきあがってみえる.
よみおわってのこるものは,これらのさまざまな問題のうずであって,なにも整理された感じがしない. しかし,これらのグローバリゼーションにかかわる問題のカタログとして,重宝するであろう.
評価: ★★★☆☆
麻生内閣の発足は,もはやニュースではなくなってしまいました. しかし,首相自身による閣僚の発表について,ひとこと書いておきたいとおもいます. マスコミの大半は 「閣僚名簿発表」 ということばをつかっていますが,名簿をよみあげるだけでなく,任命者である首相本人が,ひとりひとりの閣僚について,やってほしい仕事についてひとことずつコメントしたところに,これまでのような官房長官による発表でなく首相による発表の意味があるとおもうのです.
食品に関する 4 つの見解である自然主義,科学的進歩主義,平等主義,グローバル主義のそれぞれに配慮しつつ,有機食品や従来の交配による食品の改良にも危険があり,遺伝子くみかえのほうが危険がすくないとかんがえられるばあいもあると論じている. 遺伝子くみかえよりはるかに危険なものとして狂牛病もとりあげられている.
全体としてとくに過激な議論はなく,遺伝子くみかえを正当に評価しているとおもう. しかし,1 章でいきなり有機食品への大腸菌や毒素の発生の問題が論じられているのには,いささかおどろいた. 有機食品を攻撃するのが目的ではないが,インパクトがつよすぎるようにもおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 遺伝子組換え食品@ ,遺伝子組換え食品@Amazon.co.jp.